名ギタリスト・作曲家のフィル・アップチャーチが84歳で逝去。その功績を辿る

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Photo: Tom Copi/Michael Ochs Archives/Getty Images

クインシー・ジョーンズ、ダニー・ハサウェイ、マイケル・ジャクソンら多くの著名アーティストの名作を支えた伝説的なギタリスト兼作曲家のフィル・アップチャーチ(Phil Upchurch)が、2025年11月23日に米ロサンゼルスで逝去した。享年84。現時点で死因は公表されていない。

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フィル・アップチャーチはその長いキャリアの中で、自身のリーダー作を含む約30作のアルバムを録音し、1,000曲を超える著名アーティストたちのレコーディングに参加した。

彼が参加した録音の中でも最も広く知られている作品には、1978年のビルボード・ホット・ソウル・シングル・チャートで3週にわたって1位を記録したチャカ・カーンの「I’m Every Woman」、そして1979年のマイケル・ジャクソンのソロ・アルバム『Off the Wall』に収録された「Workin’ Day and Night」などがある。

とりわけダニー・ハサウェイとは頻繁に共演し、スタジオおよびライヴを含む彼の全ソロ・アルバムに参加。また、ジャズ・ギタリストのジョージ・ベンソンによる1976年のシングル「Six to Four」の作曲を手掛けたほか、カーティス・メイフィールドの『Superfly』『Claudine』『Let’s Do It Again』『Sparkle』にも参加している。彼が共演またはレコーディングに参加した他の著名アーティストには、ザ・ステイプル・シンガーズ、ナタリー・コール、ミニー・リパートン、ボブ・ディラン、アニタ・ベイカーらがいる。

ジョージ・ベンソンは自身のインスタグラムに次のような追悼メッセージを投稿している。

「長年ツアーを共にしてきたの大事な家族の一員を失った。偉大なるフィル・アップチャーチよ。フィルは“Breezin’”という作品に不可欠な存在であり、名曲“Six to Four”を生み、さらに“Weekend In L.A.”でも重要な役割を果たしてくれた」

フィル・アップチャーチは1941年7月19日にシカゴで生まれた。彼の音楽への情熱は13歳の時に芽生え、ジャズ・ピアニストだった父から与えられた1本のウクレレがきっかけだった。その後、ジャズ・ミュージシャンのオスカー・ピーターソンやジミー・スミスに触発され、カーティス・メイフィールド、オーティス・ラッシュ、ジミー・リードらと共演を重ねながら、キャリア初期から独自のソウル・ギター表現を培って。

1960年代半ばには、チェス・レコードのハウス・ギタリストとして、ザ・デルズ、ハウリン・ウルフ、マディ・ウォーターズ、エタ・ジェイムス、ジーン・チャンドラーと共演。1961年にはフィリップ・アップチャーチ・コンボとしてのファースト・シングル「You Can’t Sit Down (Parts 1 & 2)」をリリースし、全米チャートで最高29位を記録した。

また、演奏活動にとどまらず執筆にも意欲的で、これまでに2冊の著書を刊行。亡くなる直前まで自伝の執筆を進めていたという。彼は妻ソニヤを後に残した。

Written By Sam Armstrong



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