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スティーヴ・ミラー・バンドのアーカイヴ集『Welcome to the Vault』発売決定

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著名なギタリストであり、数多くの大ヒット作を放ったシンガー・ソングライターであり、バンドリーダーであり、ロックン・ロールの殿堂の栄誉ある一員であるスティーヴ・ミラーが、その膨大なアーカイヴを公開。選りすぐりの音源と映像をCD3枚とDVDに纏めたボックス・セット『WELCOME TO THE VAULT』が発表される。CDには、ミラーが50余年に亘るキャリアのあいだに残してきた音源の中からセレクトされた52曲を収録。ジャンルの枠を超えたこれらの楽曲には、ヒット曲や人気の高いロックン・ロール・クラシックのみならず、デモ音源やリハーサル・テイク、アウトテイク、貴重なライヴ音源、1960年代から1970年代にかけてスティーヴ・ミラー・バンドによってレコーディングされた5曲の完全未発表曲を含む38曲の初出音源が含まれている。購入はこちら

DVDには21曲分のライヴ映像を収録。ここには今や伝説化している貴重なテレビ出演時のパフォーマンス、コンサートで撮影されたものなどが含まれている。

Steve Miller Band – Welcome to the Vault (Official Trailer)

 

『WELCOME TO THE VAULT』に付属された100ページのハードカバーのブックレットには、定評のあるロック評論家デヴィッド・フリッケ書き下ろしの9000語に及ぶ長文のライナーノーツに加え、スティーヴ・ミラー自身が提供した歴史的な資料や貴重な写真が掲載されている。スティーヴ・ミラー・バンドのアンソロジー『WELCOME TO THE VAULT』は52曲のオーディオ・トラックのみで構成されたデジタル・アルバムでも発売。同デジタル・アルバム、ボックス・セットとも2019年10月11日にリリースされる。

6月12日には、『WELCOME TO THE VAULT』のリリースに先駆け、同ボックス・セットからの1曲「Rock’n Me (Alternate Version 1)」の公開/販売が開始される。これは1976年にチャートの首位をマークした大ヒット曲の別テイク。

Rock’N Me (Alternate Version 1)

 

デヴィッド・フリックはライナーノーツの中で以下のように述べている。「“Rock’n Me”を作ったとき、ミラーは別のシチュエーションを念頭に置いていた。1975年7月5日にイギリスのネブワースで開かれる大規模なフェスティヴァルに特別ゲストとして出演してほしい。そんな依頼をイギリスのプログレッシヴ・ロックの大物ピンク・フロイドから受けたとき、ミラーはまだ自身のバンドを持たない状態だった。これを受け、彼が集めたのは、ロニー・ターナー、レス・デュデック(ボズ・スキャッグスのバンドのギタリスト)、ダグ・クリフォード(元クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルのドラマー)という顔ぶれ。ある日の午後、この4人が集まり、リハーサルを行った。そこで練習したのは、R&Bの定番曲が6曲ほど、ミラーのヒット曲ふたつ、そして意外な新曲“The Window”という曲目だった」

「でも、どういうことになるのか自分でもわかっていた」とミラーは言う。「フロイドは僕たちを夕暮れどきに出すつもりだった。照明なんかないだろうし、こちらはただの撒き餌みたいな扱いになる。だから、会場全体を揺り動かすような曲が必要だった」。そこでミラーは、このリハーサルの場でバンドのメンバーに「Rock’n Me」を披露した。そしてネブワースに集まった10万人の観客の前で、この曲を初めてライヴで演奏した。「ステージの最後にこれを演奏したら、観客全員がノックアウトされていたよ」とミラーは誇らしげに語る」。

『WELCOME TO THE VAULT』は、1969年の音源で幕を開ける。つまり、スティーヴ・ミラー・バンドがリトル・ウォルターの「Blues With a Feeling」をサンフランシスコのフィルモア・ウェストでカヴァー演奏している音源である。これは今回初めて発表される10分間の熱演で、ミラーが正式に発表したスタジオ・アルバムやライヴ・アルバムに収められている演奏とはまるで違っている。ブルースという形式に忠実ながら、素晴らしく幻想的なこの演奏は、今回のボックス・セットの収録内容全体を象徴する驚異的なものとなっている。そうした驚きの音源はまだまだある。たとえばスティーヴ・ミラー・バンドが一躍有名になった1967年の”Monterey Pop Festival”のステージで披露された「Super Shuffle」が聴けるほか、「Going to Mexico」の初期ヴァージョン(オリジナル・ヴァージョンは1970年のアルバム『NUMBER 5』に収録)、1973年のツアー中に録音された「Kow Kow Calculator (カウ・カウ)」や「Season」(ともにオリジナル・ヴァージョンは『BRAVE NEW WORLD (すばらしき新世界)』に収録)のアコースティック・ヴァージョンといった未発表音源も収められている。

また1976年のアルバム『FLY LIKE AN EAGLE (鷲の爪)』や1977年の『BOOK OF DREAMS (ペガサスの祈り)』の収録曲に関しては、アルバムのレコーディング・セッション中に録音された別テイクを聴くことができる。たとえば「Fly Like an Eagle」は12分にも及ぶ未完成組曲として収録されており、この曲を新鮮なかたちで楽しめるはずだ。別テイクは他にもたくさん収められており、そのほとんどは発表される前の段階で録音された初期ヴァージョンになる。また「Take the Money and Run」については、近年リメイクされた”ビッグ・バンド・ヴァージョン”が選ばれている。これはニューヨークのジャズ・アット・リンカーン・センターでのライヴ音源で、ゲストとしてテキサスのギター・ヒーロー、ジミー・ヴォーンが参加している。このジャズ・アット・リンカーン・センターで、ミラーはブルース・ミュージックの演奏者/講師/キュレーターという役割を担っている。

『WELCOME TO THE VAULT』は、ふたつの非常に貴重な未発表音源で幕を閉じる。ひとつ目は、テキサス・ブルース・ギターの伝説的ミュージシャン、T-ボーン・ウォーカーが「Lollie Lou」をミラー家のリビング・ルームで演奏した音源。「Lollie Lou」は1952年にウォーカーがヒットさせた曲だが、この演奏はその前の年に録音されている(スティーヴの父ジョージはジャズやブルースの熱烈なファンであり、生演奏の自宅録音にも熱中していた)。そしてもうひとつの音源は、その60年後にスティーヴ・ミラー本人が演奏する「Lollie Lou」で、こちらは2016年12月に開催されたトリビュート・コンサート”T-Bone Walker: A Bridge from Blues to Jazz”におけるパフォーマンスである(このコンサートはミラーがキュレーターを務め、ジャズ・アット・リンカーン・センターで開催された)。

さらに『WELCOME TO THE VAULT』のDVDには、驚くべきライヴ映像が21曲分も収められている。たとえば1967年の”Monterey Pop Festival”に出演した際の貴重な映像、オランダのテレビ局が撮影した1970年のフィルモア・ウェストにおけるライヴ・ステージ、”Don Kirshner’s Rock Concert”で放送された1973年9月のニューヨーク・パレス・シアター公演の43分に及ぶ映像(1970年代以降は再放送もない幻の映像となっていた)、ジェイムズ・コットンと共演した” ABC In Concert”(1974年)、1982年のツアー中にミシガン州のパイン・ノブで撮影された「Abracadabra」、2011年の”Austin City Limits”といったテレビ番組からのもの、さらにはニューヨーク・シティのファット・チューズデイでレス・ポールと共演した1990年のステージ映像も収録されている。

スティーヴ・ミラー・バンドは、ロック界の中でもとりわけダイナミックでクリエイティヴなライヴ・グループのひとつとして長年評価されてきた。今年ミラー・バンドは、マーティ・ステュアート&ヒズ・ファビュラス・スパーラティヴスと組んで全米36都市をまわるツアーを敢行する。このツアーは、” An Amazing Evening of Original American Music – Classic Rock Meets Classic Country (オリジナル・アメリカン・ミュージックの素晴らしい一夜 ―― クラシック・ロックとクラシック・カントリーの競演)”と銘打たれている。ツアーは6月13日のアイオワ州デ・モインのウェルズ・ファーゴ・アリーナ公演で幕を開け、8月30・31日のワシントン州ウッディンヴィルのシャトー・ステュ・ミッシェル公演まで続く予定だ。



スティーヴ・ミラー・バンド
『Welcome To The Vault (3CD & DVD Box Set)』
2019年10月11日発売
購入はこちら



 

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