投稿者: ItoMasaki

  • 【全曲動画付】ベスト・クリスマス・ソング50曲:この季節に欠かせない洋楽の名曲たち

    【全曲動画付】ベスト・クリスマス・ソング50曲:この季節に欠かせない洋楽の名曲たち

    言い古されたことではありながら、クリスマスは一年にたった一度しか巡って来ない。けれどそれは実に多くの、真に時代を超えたこの季節の数々の名曲を生み出すきっかけとなっている。そんな中から選りすぐりの決定版となるクリスマスのヒット曲リストを作ることは、サンタクロース本人にとっても酷な要求になるだろうが、こちらが我々の考える最高のクリスマス・ソング50曲である。

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    50位: アルヴィン& ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song (Christmas Don’t Be Late)」

    いわゆるノヴェルティ(変わり種)・ソングでありながら、 「The Chipmunk Song (Christmas Don’t Be Late)」はこの手の大半の曲と比べてかなり寿命が長い。ロス・バグダサリアンSr.(当時の芸名はデヴィッド・セヴィル)が1958年に書いたこの曲は、この頃としては革新的なスタジオ技術を模索する中で、ヴォーカルを様々なテープ・スピードで録音することでハイピッチな“チップマンク”・ヴォイスを作り出すという発想から生まれた。

    したがって、ヴォーカル・クレジットはセヴィルのアニメ版バンドであるザ・チップマンクスとなっているが、1958年のグラミー賞で“最優秀コメディ・パフォーマンス”、“最優秀児童向けレコード”、そして“最優秀エンジニアリング・レコード(非クラシック)”の3部門を手にしたのは彼らの創造主だった。

    The Chipmunk Song (Christmas Don't Be Late)

     

    49: サール・レイヴンクロフト「You’re A Mean One, Mr Grinch」

    「You’re A Mean One, Mr Grinch」は1966年、スース博士(オドア・スース・ガイゼル、アメリカの高名な作家・挿絵画家で子供向け絵本も多数手掛けた)による児童書を原作としたスペシャル・アニメ番組『How The Grinch Stole Christmas!』のために書かれた。

    歌っているのは、この記事の読者の中でもある程度の年齢の方々なら、ケロッグ・コーン・フレークのアニメ版スポークスマン、トニー・ザ・タイガーの陽気な声で慣れ親しんでいるかもしれないサール・レイブンズクロフトなのだが、番組のエンド・クレジットで彼の名前が入っていなかったために、この曲のヴォーカルはしばしば、この番組でナレーションとグリンチの役の両方を務めていたボリス・カーロフによるものと誤認されることがある。

    You're A Mean One, Mr. Grinch

     

    48位: フランク・シナトラ「Mistletoe And Holly」

    長く親しまれているクリスマスの名曲ではありながら、実はフランク・シナトラが共作者としても名を連ねている 「Mistletoe And Holly」が1957年にキャピトルからリリースされた当時は、チャートをかすりもせずに終わった。

    この曲はシナトラにとっての最初のホリデイ・アルバムとなった『A Jolly Christmas From Frank Sinatra』でフィーチャーされ、以来ジャック・ジョーンズやチャーリー・バードらのカヴァーのおかげもあって、長くこの季節の定番ソングとなっている。

    Mistletoe And Holly (Remastered 1999)

     

    47位: ニール・ダイアモンド「Cherry Cherry Christmas」

    ニール・ダイアモンドの3作目のクリスマス・アルバム『A Cherry Cherry Christmas』は2009年10月にリリースされた。オープニングを飾るのは書き下ろしのタイトル・トラックで、歌詞の中にはニール・ダイアモンド初期のヒット曲「Song Sung Blue」と重なるフレーズも含まれており、この季節の定番曲としてこれから先も長く親しまれるであろう要素が詰まっている。

    このアルバムには、その他にもアダム・サンドラーの 「The Chanukah Song」のカヴァーも収録しているのだが、この曲をレコーディングした理由について彼は、「世の中にはこんなに沢山の素晴らしいクリスマス・ソングが溢れているのに、ハヌカー(ユダヤ教における宮清めの祭)を歌った曲はほとんどないからさ」と明かしている。

    Cherry Cherry Christmas

     

    46位. チャック・ベリー「Run, Rudolph Run」

    「赤鼻のトナカイ」や「Rockin’ Around The Christmas Tree」で知られるジョニー・マークスが作曲を手掛けたチャック・ベリーの「Run, Rudolph, Run」は、自身のヒット曲「Little Queenie」に酷似しているが、そこにクリスマス特有の歓喜の要素が加えられた。

    曲自体は大きなヒットを記録することはなかったが(全米シングル・チャートで最高位69位)、後にキース・リチャーズ、レイナード・スキナード、ビリー・アイドル、ルル、そしてマンチェスター出身のグラム・パンク・バンド、スローター&ザ・ドッグスら、多くのアーティストたちにカヴァーされ、世間に知られる曲となった。

    Chuck Berry – Run Rudolph Run (Official Lyric Video)

     

    45位: マイケル・ブーブレ「It’s Beginning To Look A Lot Like Christmas」

    アメリカの作曲家でフルート奏者のメレディス・ウィルソンが1951年に書いた「It’s Beginning To Look A Lot Like Christmas」は、以来数多くのアーティストたちによってレコーディングされているが、元々は同年にペリー・コモがリリースしたヒット曲であり、ビング・クロスビーによるカヴァーも高く評価された

    高名なカナダ人歌手、マイケル・ブーブレによるヴァージョンは、彼の2011年のアルバム『Christmas』に収録されており、今作はリリース直後に全米アルバム・チャートのトップに輝いた。

    Michael Bublé – It's Beginning To Look A Lot Like Christmas [Official HD Audio]

     

    44位: ジャスティン・ビーバー「Mistletoe」

    現代版クリスマス・ソングとして定番になりつつある、レゲエ調の「Mistletoe」はジャスティン・ビーバーと、この曲のプロデューサー・チームであるナスリ、アダム・メッシンジャーによって共作された曲だ。

    ジャスティン・ビーバーの生まれ故郷であるカナダでTOP10ヒットとなり、アメリカでも2011年のリリース当時に、全米シングル・チャートでTOP20入りを果たした後、現時点で110万ダウンロードを突破。史上最も売れたクリスマス/ホリデイ・デジタル・シングルの4位にランクインされており、この数字は今も伸び続けている。

    Justin Bieber – Mistletoe (Official Music Video)

     

    43位: ジェシー・J「(Everybody’s Waitin’ For) The Man With The Bag」

    ジェシー・J がこのサンタの袋一杯のプレゼントに寄せる抒情歌を最初にレコーディングしたのは、2015年のブーツ(英国の有名ドラッグストア)のクリスマス広告のためだったが、後の2018年に彼女がリリースした初のクリスマス・アルバム『This Christmas Day』にも収録されている。

    もっともこの曲が最初に世に出たのは1950年代初期のことで、アメリカの多才なジャズ/ポップ・シンガー、ケイ・スターによるヴァージョンは、長年全米の“トップ・クリスマス・ソング”リストの常連だった。

    Jessie J – Man With The Bag (Lyric Video)

     

    42位: ペンタトニックス「Mary, Did You Know?」

    ペンタトニックスによる「Mary, Did You Know?」の印象深いヴァージョンは、このアカペラ・グループが2014年に出したサード・アルバム『That’s Christmas To Me』に収録されており、今作は全米アルバム・チャートで最高2位を記録し、アメリカでダブル・プラチナムを獲得した。

    イエス・キリストの母メアリーに呼びかけるこの万能のクリスマス・ソングのオリジナルは、クリスチャン・レコーディング・アーティストのマイケル・イングリッシュが1991年に出したデビュー・ソロ・アルバムのためにレコーディングされたもので、以来ラッパーのシーロー・グリーンからカントリー・スターのケニー・ロジャースやウィノナ・ジャッドまで、多種多様なヴァージョンが録音されている。

    Pentatonix – Mary, Did You Know? (Official Video)

     

    41位: ビング・クロスビー「Do You Hear What I Hear?」

    サウンドから受ける印象に反して、1962年リリースされた、実生活でも夫婦のソングライティング・チーム、ノエル・レグニーとグロリア・シェインによる楽曲「Do You Hear What I Hear?」は、あわや核戦争と騒がれたキューバのミサイル危機の最中、平和への希求として誕生した曲だった。

    しかしながらこの曲の持つ普遍的なメッセージに感銘を受けたマーキュリー・レコードが、ザ・ハリー・シメオン・クレオール(「Little Drummer Boy」で名を挙げた)にレコーディングさせ、次いで1963年10月に、ビング・クロスビーが自らレコーディングしたヴァージョンがヒット・チャートに送り込まれた。

    Do You Hear What I Hear? (Remastered 2006)

     

    40位: ブライアン・アダムス「Christmas Time」

    ブライアン・アダムス1985年に発表した最もお馴染みのクリスマス・ナンバー「Christmas Time」は、ブライアン・アダムスと長年のコラボレーターであるジム・ヴァランスとの共作で、彼はこのシングルのB面曲 「Reggae Christma」の作曲も手掛けている。

    後者の曲は噂によれば、リンゴ・スターとの偶然の対面に触発されて生まれた曲で、元々は1984年の12月にファンクラブ会員限定でリリースされたものだった。B面には「Plum Pudding」と題して、ブライアン・アダムスと彼のバンドからのクリスマス・メッセージが添えられていたそうだ。

    Bryan Adams – Christmas Time (Classic Version)

     

    39位: ヴィンス・グアラルディ・トリオ「Christmas Time Is Here」

    「Christmas Time Is Here」はリー・メンデルソンとジャズ・ピアニストのヴィンス・グアラルディとの共作で、1965年、アメリカのネットワークTV放送で最も初期のクリスマス・アニメ特番のひとつとして製作された『A Charlie Brown Christmas』で使用された。

    この曲がヒットしたため、アルバム『A Charlie Brown Christmas 』にはヴィンス・グアラルディ・トリオによるインスト・ヴァージョンと、カリフォルニア州サン・ラファエルのセント・ポール監督教会所属の聖歌隊によるヴォーカル・ヴァージョンという、2つのヴァージョンが収録されている。

    Vince Guaraldi Trio – Christmas Time Is Here (Vocal)

     

    38位: アリアナ・グランデ「Santa Tell Me」

    クリスマス・ソングの新種と呼ぶべき2015年のR&B風味の「Santa Tell Me」の中で、アリアナ・グランデ は北極に住むという大男が本当に存在するのかどうかを問いかけ、もし答えがイエスなら、今の恋が単なるクリスマスの間だけで終わるロマンスなのか、それとも本物なのか、アドバイスを求める。あざとさもありながら、洒落ていて、とてもキャッチーなナンバーだ。

    Ariana Grande – Santa Tell Me (Official Video)

     

    37位: グウェン・ステファニー&ブレイク・シェルトン「You Make It Feel Like Christmas」

    モータウン調でお祝いムードたっぷりの 「You Make It Feel Like Christmas」は、ノー・ダウトグウェン・ステファニーによるクリスマス・アルバムのタイトル曲だ。カントリー歌手のブレイク・シェルトンとのデュエットで、2017年のクリスマスに合わせてリリースされた。

    Gwen Stefani – You Make It Feel Like Christmas (Official Music Video) ft. Blake Shelton

     

    36位: セス・マクファーレン&サラ・バレイジェス「Baby, It’s Cold Outside」

    1944年にフランク・ロッサが書いた「Baby It’s Cold Outside」が最初に脚光を浴びたのはその5年後、大ヒット映画『水着の女王(Neptune’s Daughter)』のサウンドトラックでフィーチャーされ、アカデミー賞を受賞した時だった。厳密には祝祭についての歌ではないのだが、冬がテーマの曲として、今やクリスマスのスタンダードになっている。

    この名曲デュエットは近年、ヴィンス・ギルとエイミー・グラント、ダリウス・ラッカーとシェリル・クロウら錚々たるアーティストたちによってカヴァーされているが、2014年に録音されたセス・マクファーレンとサラ・バレイジェスによるこのスウィング・ヴァージョンを超えるのはなかなか容易ではないだろう。

    Baby, It's Cold Outside

     

    35位: バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

    「Have A Holly Jolly Christmas」というタイトルでも知られる「A Holly Jolly Christmas」は、これまたジョニー・マークスが手掛けたクリスマスの名曲で、最も有名なヴァージョンはアメリカのエンターテイナー、バール・アイヴスが1964年にレコーディングしたものである。

    収録アルバムは1965年10月にデッカ・レコードから最初にリリースされた『Have A Holly Jolly Christmas』で、今作には他にもバール・アイヴスによるお馴染みのクリスマス・ソング「赤鼻のトナカイ」が収められている。

    Burl Ives – A Holly Jolly Christmas (Official Video)

     

    34位: テンプテーションズ「Silent Night(きよしこの夜)」

    テンプテーションズによる抒情的なクリスマス聖歌の定番「Silent Night(きよしこの夜)」は、モータウンの大スターだった彼らが、1980年に発表し、幅広い支持を得た2枚目のクリスマス・アルバム『Give Love At Christmas』に収録されている。19世紀のオーストリアで生まれた聖歌の、彼らのよるヴァージョンは、バス・パートのメルヴィン・フランクリンによる「Merry Christmas, from the Temptations!」(「テンプレーションズから、メリー・クリスマス!」)というエンディングのセリフで印象的に締め括られており、以来ホリデイ・シーズンになると決まってR&B系ラジオがこぞってかけるお馴染みの曲となっている。

    The Temptations – Silent Night

     

    33位: ビーチ・ボーイズ「Little Saint Nick」

    「Little Saint Nick」はブライアン・ウィルソンマイク・ラヴがクリスマスをテーマに、サンタ・クロースと彼のそりについて書いたホット・ロッド・ソングだ。最初にリリースされたのは1963年12月9日で、ビルボード誌がスペシャル・シーズン週間に設けたクリスマス・シングル・チャートにおいて最高3位を記録した。またこの曲はビーチ・ボーイズが1964年11月にリリースした『Beach Boys Christmas Album 』にも収録されており、今作には新曲の他にも「White Christmas」や「Frosty The Snowman」といったスタンダードのカヴァーが収められている。

    Little Saint Nick

     

    32位: ペギー・リー「The Christmas Waltz」

    著名なソングライターであるサミー・カーンとジュール・スタインが手掛けた「The Christmas Waltz」は、元々フランク・シナトラのために書かれたもので、彼は新たにカヴァーした「White Christmas」のB面曲として、1954年にこの曲をレコーディングした。

    その後、ペギー・リーが1960年にキャピトル・レコードからリリースしたアルバム『Christmas Carousel』でチャーミングなヴァージョンをレコーディングしたのを契機に、ドリス・デイ、ビング・クロスビー、ジョニー・マティス、トニー・ベネットハリー・コニックJr.といったスターたちの手により、色あせないこの曲の魅力と価値は繰り返し証明されている。

    The Christmas Waltz

     

    31位: ジョシュ・グローバン&フェイス・ヒル「The First Noël」

    アメリカのシンガー・ソングライター、ジョシュ・グローバンとカントリー・スターのフェイス・ヒルとのデュエットによる「The First Noël」のカヴァーは、彼が2007年に発表したクリスマス・アルバム『Noël』に収録されており、このアルバムは2008年に北米で最も売れたホリデイ・アルバムとなった。

    もっとも、コーンウォール地方にルーツを持つ、トラディショナルな英国のクリスマス・キャロルの定番であるこの曲自体は、一世紀以上にわたって、実に多種多様なパフォーマーたちにカヴァーされ続けており、ことに過去60年間では、フランク・シナトラからザ・ルーヴィン・ブラザーズ、アル・グリーン、チャス&デイヴまでがカヴァーに挑戦している。

    Josh Groban – The First Noël (feat. Faith Hill) [Official HD Audio]

     

    30位: スティーヴィー・ワンダー「Someday At Christmas」

    スティーヴィー・ワンダーの8作目のスタジオ・アルバムであり、彼にとって初のホリデイ・アルバムとなった『Someday At Christmas』がモータウンから最初にリリースされたのは1967年11月のことだった。

    今作には「Ave Maria」や「Little Drummer Boy」といった祝祭曲のスタンダードのカヴァーなどと共に、新曲も収録されている。そのひとつが全米TOP30に入るヒットを記録し、後にジャクソン5やテンプテーションズ、メアリー・J.ブライジパール・ジャムらにもカヴァーされたこのタイトル・トラックである。

    Someday At Christmas

     

    29位: エラ・フィッツジェラルド「Sleigh Ride(そりすべり)」

    元々はオーケストラのための軽快なスタンダードとしてリロイ・アンダーソンが作曲した「Sleigh Ride(そりすべり)」が、初めてヒットチャートを賑わせたのは1950年、ミッチェル・パリッシュが歌詞を付け加え、ジ・アンドリューズ・シスターズがレコーディングした最初のヴォーカル・ヴァージョンだった。

    その後はザ・ロネッツやスパイス・ガールズなどもカヴァーしているが、決定版と呼ぶべきヴァージョンはなんといっても1960年のエラ・フィッツジェラルドによる堂々たるテイクだろう。ヴァーヴ・レコードからリリースされた『Ella Wishes You A Swinging Christmas』の数あるハイライト・トラックのひとつとなるこのフル・スタジオ・オーケストラをバックにした録音で指揮を務めているのは、アカデミー賞にもノミネートされたフランク・デヴォルだ。

    Sleigh Ride

     

    28位: U2「Christmas (Baby, Please Come Home)」

    1984年、バンド・エイドのための崇高なる「Do They Know It’s Christmas?’」にボノがヴォーカルで、アダム・クレイトンがベースで参加した当時、U2 のバンド内ではクリスマス・ソングをプレイすることについて意見の対立があった。しかし1987年、後に『Rattle & Hum』のプロデューサーとなるジミー・アイオヴァインが監修を務めたスペシャル・オリンピックス(知的障害者のための国際競技会)向けのチャリティ・アルバム『A Very Special Christmas』に、U2はフィル・スペクターの書いた「Christmas (Baby Please Come Home)」のカヴァーを無償で提供している。

    この前年、ダーレン・ラヴが同曲を人気TV番組『Late Show With David Letterman』で披露し(ここから始まった伝統は彼の番組終了まで続いた)、その縁もあってか、彼女は心を掻き立てるようなU2のヴァージョンにバッキング・ヴォーカルとして参加している。

    U2 – Christmas (Baby, Please Come Home) (Official Music Video)

     

    27位: イーグルス「Please Come Home For Christmas」

    1960年、アメリカ人ブルーズ・シンガー兼ピアニストのチャールズ・ブラウンによって最初にレコーディングされた「Please Come Home For Christmas」は、1961年12月に全米シングル・チャート入りを果たし、その後9シーズンにわたってクリスマス・シングル・チャートに顔を出した末、1972年には遂に全米No.1に輝いた。

    ドン・ヘンリーがリード・ヴォーカルを務める1978年のイーグルスのヴァージョンは、全米チャートで最高18位まで上昇し、1963年のロイ・オービソンの「Pretty Paper」以来初めてTOP20入りを果たしたクリスマス・ソングとなった。

    Please Come Home for Christmas (2018 Remaster)

     

    26位: トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ「Christmas All Over Again」

    スペシャル・オリンピックの支援を目的にA&Mが制作された1992年の『A Very Special Christmas 2』は、クリスマスをテーマにしたコンピレーション・アルバムの2作目で、オープニングを飾るトム・ペティ& ザ・ハートブレイカーズによる書き下ろしの「Christmas All Over Again」は、祝祭ムードに相応しく、どこかバーズを思わせるジャカジャカと賑やかしい曲である。アルバムは北米だけで200万枚を売り上げ、2001年にダブル・プラチナムに認定された。

    Christmas All Over Again

     

    25位: アーサ・キット「Santa Baby」

    こちらも50年代からクリスマスの定番となっている、ジョーン・デイヴィスとフィリップ・ストリンガーが手掛けた「Santa Baby」は、1953年にアーサ・キットが発表し、大ヒットしたナンバーである。大半の祝祭ソングと比べるとぐっとお気楽な雰囲気のこの曲は、セーブル(クロテン)の毛皮やヨット、ティファニーの装飾品といった煌びやかな贈り物を欲しがっている女性が、サンタクロースに宛てたクリスマスのウィッシュ・リストを冷やかし半分に眺めるという構図だ。

    間違いなく長年にわたって愛され続けているクリスマス・ソングのひとつである「Santa Baby」は、アメリカでゴールド・ディスクに認定され、その後もマドンナやカイリー・ミノーグ、アリアナ・グランデらにもカヴァーされている。

    Eartha Kitt – Santa Baby (Official Audio)

     

    24位: グレン・キャンベル「I’ll Be Home For Christmas」

    1943年にビング・クロスビーのオリジナル曲として全米TOP10ヒットとなった、キム・ギャノンとウォルター・ケントの共作による「I’ll Be Home For Christmas」は、元々第二次世界大戦中、クリスマスの時期に故郷に焦がれる海外出征中の兵士たちへ捧げる歌として書かれたものだった。

    以来この曲はこの季節のスタンダードとなり、グレン・キャンベルが1968年のアルバム『That Christmas Feeling』の中で哀愁に満ちた歌声で披露しているのに加え、フランク・シナトラ、ジャック・ジョーンズ、コニー・フランシスといった面々もそれぞれのヴァージョンをレコーディングしている。

    Glen Campbell – I'll Be Home For Christmas (Lyric Video)

     

    23位: チャールズ・ブラウン「Merry Christmas, Baby」

    1947年のクリスマス・シーズンに「Merry Christmas Baby」が全米R&Bジュークボックス・チャートで3位に輝いた当時、ジョニー・ムーア率いるスリー・ブレイザーズはアメリカ西海岸屈指の人気ブルーズ・グループだった。この曲のレコーディング・メンバーは、ギタリストのジョニー・ムーアに、シンガー/ピアニストのブラウン、ベーシストのエディ・ウィリアムズ、ギタリストのオスカー・ムーア(ジョニーの弟で、当時はナット・キング・コール・トリオの一員だった)という顔ぶれだった。

    永く聴き継がれるヒット曲となった「Merry Christmas Baby」は、チャック・ベリー、オーティス・レディングB.B.キング、エルヴィス・プレスリー、ブルース・スプリングスティーンをはじめ、数多くのアーティストたちによってカヴァーされている。

    Merry Christmas, Baby

     

    22位: ブレンダ・リー「Rockin’ Around The Christmas Tree」

    これもまたクリスマス・ナンバーの名手、ジョニー・マークス(バール・アイヴスの「A Holly Jolly Christmas」他)が手掛けた陽気なお祝いソング「Rockin’ Around The Christmas Tree」が最初にレコーディングされたのは1958年、歌手のブレンダ・リーはまだ13歳の時だった。

    当時も全米シングル・チャート入りは果たしたものの、真の意味で(現時点での)全米チャートにおける最高位となる9位が記録されたのは2018年のことである。現在はすっかりこの季節のお馴染みとなった「Rockin’ Around The Christmas Tree」は、1990年の大ヒット映画『ホーム・アローン』にも大々的にフィーチャーされている。

    Brenda Lee – Rockin' Around The Christmas Tree (Official Animated Video)

     

    21位: エルトン・ジョン「Step Into Christmas」

    エルトン・ジョンとバーニー・トーピンによる「Step Into Christmas」が最初にリリースされたのは1973年のことだったが、60年代のフィル・スペクターによるかの有名な“ウォール・オブ・サウンド”に対するオマージュとして、ミキシングの段階で意図的に大量のコンプレッサーが掛けられていた。

    レコーディングはごく短時間で行なわれたが、この曲にはいつまでも色あせない魅力が宿っており、2017年に再発されると全英チャートで最高11位まで駆け上った。

    Elton John – Step Into Christmas

     

    20位: カーペンターズ「(There’s No Place Like) Home For The Holidays」

    1950年代以降、ずっとこの季節の定番となっている 「(There’s No Place Like) Home For The Holidays」だが、恐らくこの曲はいまだに伝説のクルーナー、ペリー・コモと関連づけて語られることが多いのではないだろうか。

    彼はこの曲をミッチェル・エアーズ・オーケストラとザ・レイ・チャールズ・シンガーズとの共演で2度レコーディングし、最初のリリースでは1954年に全米シングル・チャートで最高8位を記録している。一方で、カーペンターズがレコーディングした優しげなこのヴァージョンは1984年の『An Old-Fashioned Christmas』に収録されている。

    (There's No Place Like) Home For The Holidays

     

    19位: ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

    プエルトリコ出身のシンガーソングライター、ホセ・フェリシアーノが「Feliz Navidad」を書いたのは1970年で、以来この曲は永くクリスマスのポップ・ソングとして愛され続けている。

    スペイン語のコーラス部分で、伝統的なクリスマスと新年の挨拶、“Feliz Navidad, próspero año y felicidad”は、訳せば「クリスマスおめでとう、新しい年の幸せと繁栄をお祈りします」となり、英語の歌詞部分の“I wanna wish you a Merry Christmas from the bottom of my heart”(「心の底からあなたにメリー・クリスマスと告げたい」)に込められた真摯な思いは本物だ。

    「Feliz Navidad」には言語を超えた普遍的な魅力があり、その意味ではアメリカやカナダで、この曲がこの季節に最も頻繁に聴かれる曲となっている事実は驚きに値しないだろう。

    José Feliciano – Feliz Navidad (Official Audio)

     

    18位: ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

    いつまでも色あせることのないクリスマス・ソングの代表格で、1957年に最初にリリースされたボビー・ヘルムズの「Jingle Bell Rock」は、ジョセフ・カールトン・ビールとジェームズ・ロス・ブースによって書かれたナンバーで、歌詞の中にはビル・ヘイリーの「Rock Around The Clock」といった、50年代に人気を博したヒット曲も登場する。

    驚いたことに2019年1月、この曲は、1958年に最初にチャート入りを果たしてから、実に60年の時を経て初めて全米シングル・チャートTOP10に食い込んだ。

    Bobby Helms – Jingle Bell Rock (Official Video)

     

    17位: マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

    マライア・キャリーにとって、4作目のスタジオ・アルバムにして初のクリスマス・アルバムとなる1994年の『Merry Christmas』からのアップテンポな先行シングル「All I Want For Christmas Is You」は、近年最も売れたクリスマス・ソングで、現在までに1600万枚のセールスを記録している。

    また批評家たちからも高い評価が寄せられており、ザ・ニューヨーカー紙はこの曲を「現代のヒット曲の中で数少ない、クリスマスの聖典に加える価値のある楽曲のひとつ」と位置づけている。

    Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (Official Video)

     

    16位: クイーン「Thank God It’s Christmas」

    クイーンによる祝祭の歓びを歌った、感動的な「Thank God It’s Christmas」は、リード・ギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーによる共作である。1984年11月26日にリリースされたこの曲は、クリスマスと新年にまたがる6週間にわたって全英チャートにランクインし、最高21位を記録した。

    アルバムとしては、後に1999年の『Greatest Hits III』にのみに収録されていたが、2011年にリマスタリングされたアルバム『The Works』のデラックス・エディションの中にボーナスEPとして同梱されている。

    Queen – Thank God It's Christmas (Official Lyric Video)

     

    15位: ハリー・シメオン・コーラル「The Little Drummer Boy」

    いささか込み入った背景を持つクリスマス・ソング、「The Little Drummer Boy」は、元々1941年にアメリカのクラシック音楽の作曲家、キャスリーン・ケニコット・デイヴィスにより、“ドラムのキャロル”として書かれた曲だった。最初にレコーディングしたのは1951年のザ・トラップ・ファミリー(かの『サウンド・オブ・ミュージック』で名を馳せた)だったが、この曲が広く世間に知れ渡り、幅広い人気を得たのは、1958年に作曲家/指揮者のハリー・シメオンの手で「The Little Drummer Boy」として新たなアレンジが施されて以降のことである。

    対位旋律のハーモニーと歌詞が追加されたこの曲を、デヴィッド・ボウイとビング・クロスビーが1982年に 「The Little Drummer Boy/Peace On Earth」として取り上げたヴァージョンは、ヨーロッパで大ヒットを記録した。

    The Little Drummer Boy (1965 Version)

     

    14位: ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas)」

    1946年に初めて(ただし一年に2度)、更に1953年、そして最後は1961年に、ラルフ・カーマイケルの指揮するオーケストラと共にレコーディングされた「The Christmas Song (Merry Christmas)」は、今も世界中で広く認められているクリスマス・ソングの鉄板曲のひとつだ。皮肉なことに、作者であるボブ・シェルズとメル・トーメがこの曲を書いたのは、うだるような夏の盛りだったそうだが。

    The Christmas Song (Merry Christmas To You) (Remastered)

     

    13位: トニー・ベネット&レディ・ガガ「Winter Wonderland」

    フェリックス・バーナードとリチャード・B.スミスという2人の作曲家が「Winter Wonderland」を共作したのは1934年で、以来この曲はクリスマスのスタンダードとなり、実に200以上のカヴァー・ヴァージョンを生み出している。

    中でも史上最高のクリスマス・ソングという評価を得ているのは、トニー・ベネットとレディー・ガガによる活気に満ちたヴァージョンで、この曲は2人が全米No.1を獲得した2014年ジャズ・スタンダード・アルバム『Cheek To Cheek』の発売から間もない時期に、単曲としてリリースしたシングルである。

    Tony Bennett, Lady Gaga – Winter Wonderland (Official Audio)

     

    12位: ウィザード「I Wish It Could Be Christmas Everyday」

    ザ・ムーヴの主要メンバーであり、ELOの結成メンバーでもあったことを踏まえてみれば、ロイ・ウッドが相当なキャリアの持ち主があることは言わずもがなだろう。そんなロイ・ウッドは、グラム・ロック・バンドのウィザードでレコーディングした、アンセミックな「I Wish It Could Be Christmas Everyday」のおかげで、クリスマスにおいても優れた実績を誇っている。

    この曲が最初にリリースされたのは1973年12月で、全英チャートを一気に第4位まで駆け上がったものの、惜しくもその年のクリスマス週のNo.1の座は、同じくらいに記憶に残るスレイドの「Merry Xmas Everybody」に奪われてしまった。しかし、それ以来、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」は英国文化の一部となり、2012年の12月にITVが放送した『The Nation’s Favourite Christmas Song(英国のお気に入りクリスマス・ソング)』の投票では、「Fairytale Of New York」に次ぐ2位に選出された。

    Wizzard – I Wish It Could Be Christmas Everyday (Official Music Video) [HD]

     

    11位: ジャクソン5「Santa Claus Is Comin’ To Town(サンタが街にやってくる)」

    ジョン・フレデリック・クーツとヘイヴン・ギレスピーによる息の長い名曲「Santa Claus Is Comin’ To Town(サンタが街にやってくる)」が最初にレコーディングされたのは1934年で、以来ビング・クロスビーからジ・アンドリューズ・シスターズ、ブルース・スプリングスティーン、そしてマライア・キャリーまで、この曲は何世代にもわたって歌い継がれてきた。ジャクソン5のゴキゲンなヴァージョンが最初に世に出たのはベストセラー・アルバム『Jackson 5 Christmas Album』がリリースされた1970年だった。

    Santa Claus Is Coming To Town

     

    10位: ポール・マッカートニー「Wonderful Christmastime」

    1979年にリリースされたオリジナル・ヴァージョンで全英TOP10ヒットを記録していた「Wonderful Christmastime」は、今やすっかりこの季節の定番となりつつある。この曲はいまだに毎年この時期になるとラジオで大量にオンエアされ、またダイアナ・ロス、ジミー・バフェット、デミ・ロバートにザ・シンズと、実に多様なアーティストたちにカヴァーされているのも興味深い。

    Paul McCartney – Wonderful Christmastime

     

    9位: アンディ・ウィリアムズ「It’s The Most Wonderful Time Of The Year」

    歌詞の中に登場する、愛する人と共に過ごす時間や、子供たちのそり遊び、暖炉で焼くマシュマロといった、いかにも祝祭らしい情景からも「It’s The Most Wonderful Time Of The Year」は間違いなく正統派な、クリスマス・ソングのお手本とも言えるナンバーだろう。

    さらに興味深いことに、この曲は、プラチナム・セールス記録した『The Andy Williams Christmas Album』からの代表曲として広く知られていながら、今作が発売された1963年当時、元々プロモーション用シングルに選ばれていたのは、グラミー賞受賞歴を誇るアンディ・ウィリアムズによる「White Christmas」のカヴァーだった。

    Andy Williams – The Most Wonderful Time Of The Year (From The Andy Williams Show)

     

    8位: エルヴィス・プレスリー「Blue Christmas」

    ビリー・ヘイズとジェイ・W.ジョンストンの共作による、哀愁漂う「Blue Christmas」は、ドーイ・オデルによって最初にレコーディングされ、その後カントリー界のパイオニア、アーネスト・タブがオリジナリティ溢れるヴァージョンを発表した。

    しかしながら、エルヴィス・プレスリーがこの曲を1957年の『Elvis’ Christmas Album』のためにレコーディングしたことで「Blue Christmas」はロックンロール・クリスマス・クラシックとして不動の地位を手に入れることとなる。このアルバムは現在までに2,000万枚を売り上げ、最も売れたクリスマス・アルバムの世界記録を保持し続けているのである。

    Elvis Presley – Blue Christmas (Official Audio)

     

    7位: ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow」

    この長く歌い継がれている陽気な祝祭の歌は、1945年にRCAビクターのスタジオでヴォーン・モンローによってレコーディングされ、翌年1月末の全米ベストセラー・ミュージック・チャートでNo.1に輝くと、2月の末までその座を維持した。

    ウディ・ハーマンによる甲乙付け難いヴァージョンも全米チャートで最高7位まで上昇したが、この曲の決定版としてしばしば挙げられるのは、偉大なるクルーナー、ディーン・マーティンが1959年のアルバム『A Winter Romance』のためにレコーディングしたトラックである。後の1966年にリリースした『The Dean Martin Christmas Album』には、同曲の再録音ヴァージョンが収録されている。

    Dean Martin – Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! (Official Video)

     

    6位: ジョン・レノン& ヨーコ・オノ「Happy Xmas (War Is Over)」

    1969年3月と5月に企画したベッド・インを皮切りに、ジョン・レノンとヨーコ・オノが繰り広げてきた2年以上にわたる平和運動家としての活動の集大成である「Happy Xmas (War Is Over)」には、反ベトナム戦争のプロテスト・ソングとしての意味合いも込められていた。1972年の全英チャートで初登場でTOP5入りしたこの曲は、ほどなくして時代を超えた最高のクリスマス・ソングの1曲として評判を得ることになる。

    HAPPY XMAS (WAR IS OVER). (Ultimate Mix, 2020) John & Yoko Plastic Ono Band + Harlem Community Choir

     

    5位: バンド・エイド「Do They Know It’s Christmas?」

    ボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのミッジ・ユーロが80年代半ばのエチオピア飢饉救済のために書いた「Do They Know It’s Christmas?」には、スティング、フィル・コリンズ、U2のボノら、当代のスターたちがフィーチャーされている。この曲は全英シングル・チャート史上最速のセールス記録で、ウィングスの「Mull Of Kintyre」から1位の座を奪い、1997年にエルトン・ジョンの「Candle In The Windに抜かれるまでその地位を守り続けていた。

    https://www.youtube.com/watch?v=j3fSknbR7Y4

     

    4位: ザ・ポーグス&カースティ・マッコール「Fairytale Of New York」

    人が想像し得る限りにおいてこれ以上はないほどにほろ苦いクリスマス・ソングである、ザ・ポーグスとカースティ・マッコールによるケルト・フォーク風ナンバー「Fairytale Of New York」は、歌詞に荒っぽい言葉が使用されている( “You’re a bum, you’re a punk, you’re an old slut on junk”「お前なんかろくでなし、ゴロツキ、ヤク中のふしだら女」)ために、BBCから放送禁止の憂き目に遭ったが、この21世紀においては最も放送頻度の高いクリスマス・ソングとなっている。

    歌詞のどこをとっても、唯一無二のバラードの持つパワーは否定のしようがなく、その意味では、1987年のクリスマス週に、ペット・ショップ・ボーイズによる「Always On My Mind」のカヴァーに1位の座を明け渡したことはいまだに不可解としか言いようがない。

    The Pogues – Fairytale Of New York (Official Video) [HD Upgrade]

     

    3位: フランク・シナトラ「Jingle Bells」

    「Jingle Bells」は今となってはもはやクリスマスと同義とも言える存在かもしれないが、元々1857年にジェームズ・ロード・ピアポントがこの曲を書いた当初は、アメリカの感謝祭シーズンを想定していた。最初にレコーディングしたのは1889年のエディソン・シリンダーで、後にビング・クロスビーやペリー・コモによるヴァージョンがミリオンセラーに輝いたが、1948年のフランク・シナトラによる至高のヴァージョンにはそう簡単に太刀打ちできないだろう。

    Frank Sinatra – Jingle Bells (Official Music Video)

     

    2位: ワム!「Last Christmas」

    1984年はアイコニックなバラードが数多く生まれた年で、そのうちの2曲、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「The Power Of Love」と、かの有名なチャリティ・ソング「Do They Know It’s Christmas?」に阻まれたために、本来なら間違いなくクリスマスにチャートのトップを飾っているはずだったワム!の「Last Christmas」はとうとうこの年は1位になれず仕舞いだった。

    しかしながら、この曲は再発される度に全英TOP40にランクインし、現時点でその回数は13回を数えている。実のところ 「Last Christmas」は現在、全英チャート史において、“一度も1位になっていないにも拘わらず最も多くのセールスを挙げている曲”という記録を保持しているところだ。

    Wham! – Last Christmas (Official Video)

     

    1位. ビング・クロスビー「White Christmas」

    平たく言うならクリスマス・アンセム界の怪物たる「White Christmas」は、今やありとあらゆるクリスマス・ソングの父ともいえる存在だ。アーヴィング・バーリンが生み出し、これまでにもはや数え切れないほどの回数レコーディングされているが、決定版テイクと言えばやはり1942年、ビング・クロスビーがデッカ・レコードに残したレコーディングだろう。世界的にもレコード史上最高のセールスを誇ると言われているこのシングルの推定売上枚数は、5,000万枚を超える。

    White Christmas (Official Video)

    Written By Tim Peacock



    最高のクリスマス・ソングをApple Music やSpotifyで聴く

  • 『Band On The Run』50周年記念盤から表題曲の“アンダーダブ・ミックス”が公開

    『Band On The Run』50周年記念盤から表題曲の“アンダーダブ・ミックス”が公開

    2024年2月2日に発売されることが決定したポール・マッカートニー&ウイングスの代表作『Band On The Run』50周年記念エディションから、オリジナルの音源からオーケストラなどを取り除いた表題曲「Band On The Run」の未発表音源“アンダーダブ・ミックス”が公開された。

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    Band On The Run (Underdubbed Mix)

    ポールはこの新バージョンについて次のように述べている。

    「これは今まで聴いたことのないような“Band On The Run”のバージョンだ。曲を作るときに、ギター演奏などのパートを追加するのはオーバーダブだけど、このアルバムのバージョンはその逆で、アンダーダブなんだ」

    全英と全米の両チャートで首位に輝き、グラミー賞で複数部門を受賞、そして発表後、数十年に亘って”史上最高のアルバム・ランキング”の常連であり続ける名盤『Band On The Run』 は1973年12月にリリースされた。

    不朽の表題曲「Band On The Run」、世界的ヒットを記録した「Jet」、哀愁漂う「Bluebird」、ライヴの定番曲として愛され続けている「Let Me Roll It」、サウンドが多角的に変化する「Picasso’s Last Words (Drink to Me)(ピカソの遺言)」、アルバムのクライマックスを彩る「Nineteen Hundred and Eighty Five(1985年)」といった楽曲が収録された『Band On The Run』は、間違いなくウイングス史上最も成功した、名高い作品である。

    Jet (2010 Remaster)

    今回の50周年記念エディションは、アナログ盤をはじめとするさまざまなフォーマットで発売される。1LPのスペシャル・エディション(輸入盤のみ)は、ロンドンのアビイ・ロード・スタジオで1973年当時のオリジナル・マスター・テープから高品質でデジタル変換した音源を基に、マイルズ・ショーウェルの手によってハーフ・スピード・カッティングで製作されたもので、収録曲は「Helen Wheels(愛しのヘレン)」が収録されたUS盤に準じている。さらにこの1LPエディションにはリンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターも付属する。

    また、2LPエディション(輸入盤のみ)には、同じくハーフ・スピード・カッティングで製作されたUS盤のオリジナル・アルバムに加え、 収録曲の”アンダーダブ・ミックス”音源を収録した2枚目のLPが上質のスリップケースに収納されている他、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド・ポスターが2枚付属する。

    同じくUS盤オリジナル・アルバムと“アンダーダブ・ミックス”を収録した2CDエディションには、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターが、両面印刷/折り畳み式で付属する。『Band On The Run』の“アンダーダブ・ミックス”はデジタルでも配信。そして今回、ジャイルズ・マーティンとスティーヴ・オーチャードが新たに手がけた『Band On The Run』のドルビー・アトモス・ミックスもデジタル限定でリリースされる。

    また、「Band On The Run」の違いを聴き比べすることができる動画も公開となっている。

    'Band on the Run' original vs Underdubbed Mix

    Written By Will Schube



    ポール・マッカートニー&ウイングス『Band on the Run (50th Anniversary Edition)』
    2024年2月2日発売
    購入はこちら




  • エミネム、フォートナイトでパフォーマンスを披露し、再生数が上昇

    エミネム、フォートナイトでパフォーマンスを披露し、再生数が上昇

    2023年12月3日、エミネム(Eminem)はフォートナイト内で開催された今シーズンを締め括るヴァーチャル・イベント“ビッグバン”のステージに登場し、レゴや車のレース、“ギター・ヒーロー”にインスパイアされたリズム・ゲームといった同ゲームの新体験を予告するとともに、自身のアバターが代表曲のパフォーマンスを披露した。

    この反響によってエミネムを聴いてことがなかった若いリスナーからコアファンまで、多くの人がエミネムの楽曲を改めて視聴し、「Godzilla ft. Juice WRLD」は前週比比較で2.1倍を記録している。

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    Eminem Takes the Stage in Fortnite’s The Big Bang Event

    同ゲームのキャラクターたちと共にこのイベントのステージに登場したエミネムのデジタル・アバターは、リズム・ゲームの演出を伴って「Lose Yourself」を披露。その後、巨大化したスーツ姿のエミネムが姿を現し、ゴジラさながらに破壊された街中で火を噴きながら「Godzilla ft. Juice WRLD」を披露した。

    このライヴで着用されたエミネムの新たなスキンは現在期間限定でフォートナイトのストアで購入可能となっており、エモートやキャラクターのバリエーションも更新されたほか、「Berzerk」「Godzilla」「Higher」「Lighters」「Not Afraid」「Phenomenal」「Survival」「The Monster」「Venom」「Cinderella Man」などエミネムのヒット曲の数々がフォートナイト・ラジオに追加された。さらに、エミネム×フォートナイトの限定ヴァイナルも発売されている。

    フォートナイトはこれまでにも、トラヴィス・スコットやアリアナ・グランデらによるヴァーチャル・ライヴを開催してきた。そしてつい最近は、ザ・ウィークエンドを含む複数のアーティストが出演する“フォートナイト・フェスティバル”が発表され、ユーザーがロックバンドとして参加できる音楽モードも導入された。

    The Weeknd x Fortnite Gameplay Trailer

    その他の関連ニュースとして、先月エミネムは、『Marshall Mathers LP 2』の10周年を記念したデジタル・エクスパンデッド・エディションをリリースした。

    2013年にリリースされた『The Marshall Mathers LP 2』は、エミネムを現象的な存在にしたそもそもの理由を再考している。アルバムのオープニング・トラック「Bad Guy」は不吉でありながら親しみやすいサウンドで、原題の詩的な表現が特徴的だ。同曲は間違いなく彼のキャリアにおいて最も輝かしいトラックである「Stan」の映画的アプローチに立ち返り、彼はストーリー仕立ての韻を難なくこなしながら、同時に自身を取り巻く死すべき運命について訴えている。

    Eminem – Bad Guy (Music Video)(Explicit)

    『The Marshall Mathers LP』の続編として制作された『The Marshall Mathers LP 2』では、オリジナル・アルバムの雰囲気を残しつつ、「So Much Better」で彼の粗野な恋愛観に立ち戻る一方で、「Survival」やスカイラー・グレイをフィーチャーした 「A**hole」といったアドレナリン全開のロック・アンセムも加えている。そして「Love the Way You Lie」以来の共演となるリアーナと再びタッグを組み、名声の落とし穴について告白する「The Monster」は全米シングル・チャートで自身5曲目の1位を獲得している。

    しかし、おそらく今作において最も注目すべきは、伝説のプロデューサー、リック・ルービンとのコラボレーションだろう。リック・ルービンがプロデュースしたリード・シングル「Berzerk」は、彼が手掛けた初期のロック・ラップ・サウンドであるRun-D.M.C.、LL・クール・J、ビースティ・ボーイズ(すべてエミネムが影響を受けた)を彷彿とさせる。リックはまた、当時はまだ若く、現在はヒップホップ界の重鎮であるケンドリック・ラマーとのコラボ曲「Love Game」のプロデューサーも務めている。

    Eminem – Berzerk (Official) (Explicit)

    Written By Will Schube


    発売10周年を記念したデラックス版

    エミネム『The Marshall Mathers LP 2Expanded Edition)』
    2023年11月3日発売
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



  • ガンズ・アンド・ローゼズ、ニュー・シングル「The General」を配信

    ガンズ・アンド・ローゼズ、ニュー・シングル「The General」を配信

    ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)がニュー・シングル「The General」を2023年12月8日に配信にてリリースした。

    今年の夏に発売した「Perhaps」の公式サイト限定7インチ・シングルのB面に収録されていたこの新曲「The General」は、今年11月に彼らの故郷であるロサンゼルスのハリウッド・ボウルで行われた全米ツアーの最終公演で、地元の観客の前で初披露されており、以来、ファンは 「The General」正式なリリースを心待ちにしていた。

    なお、世界で唯一日本のみにて「Perhaps」と「The General」が収録されたCDシングルが12月20日に一般発売されることが決定している。

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    Guns N' Roses – The General (Official Audio)

    この曲では、アクセル・ローズはこう歌っている。

    Daddy, don’t
    I swear I won’t
    I’ll be good from now on
    And I’m awful sorry
    Daddy, don’t
    The hell I won’t
    I won’t be good anymore
    And you’ll all be sorry
    パパ、やめて
    誓うよ
    これからはいい子にするから
    本当にごめんね
    パパ、やめて
    もう絶対嫌だ
    もういい子になんかならない
    そして、お前らみんな後悔するぞ

    先月、ガンズ・アンド・ローゼズは、130万枚のチケットを売り上げた2023年の壮大なワールド・ツアーを終えている。世界各地のスタジアムやアリーナで開催された同ツアーはバンドにとって過去最大規模のものとなった。

    グラストンベリーやロンドンのハイドパークといったUKの大型フェスティバルのヘッドライナーも含まれていた同ツアーの北米公演では、ハリウッド・ボウルやニュージャージーのメットライフ・スタジアムといった歴史的会場でソールドアウト公演を行なったほか、カリフォルニア州インディオで開催された“パワー・トリップ”ではAC/DCやメタリカと共同ヘッドライナーを務めた。

    先日、シリウスXMのエディ・トランクの番組“Trunk Nation”に出演したスラッシュは、ガンズ・アンド・ローゼズの新曲について次のように語っていた。

    「(パンデミックの)隔離期間中にテコ入れして録音し直した曲がいくつかあるんだ。それらの曲はまだ発表していないけど、これからリリースするつもりだ。すごくいい仕上がりだから楽しみだよ。1、2曲と、あともう1、2曲くらいあるかな。それでほぼ全部だと思う。何曲やったか正確にはわからないんだけど」

    Written By Will Schube



    ガンズ・アンド・ローゼズ「The General」
    2023年12月8日発売
    CDiTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music




  • エド・サリヴァン・ショーの公式チャンネルの総再生回数が20億回を突破

    エド・サリヴァン・ショーの公式チャンネルの総再生回数が20億回を突破

    “エド・サリヴァン・ショー”のYouTube、Apple Music、Facebookを含む全公式チャンネルの総再生回数が10億回を突破してから1年、現在までに総再生回数は20億回を超え、YouTube単体でもチャンネル登録者数は67万人、総再生回数は4億5,000万回を突破している。

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    The Jackson 5 "I Want You Back" on The Ed Sullivan Show

    米CBSのゴールデンタイムで23年間放送された“エド・サリヴァン・ショー”は、チェット・アトキンス、ジョニー・キャッシュ、ロレッタ・リン、ジミー・ディーン、ブレンダ・リー、バック・オーウェンズといったカントリー・シンガーや、エラ・フィッツジェラルド、ナット・キング・コール、ルイ・アームストロングといった多くの大物ジャズ・アーティストをはじめ、音楽、コメディ、スポーツ、映画、ダンス、オペラ、ブロードウェイなど、文化に関連するあらゆる分野の象徴的なエンターテイナーや影響力のある人物を全米のテレビ視聴者に初めて紹介した。

    今年6月に初放送から75周年目を迎えたこの長寿バラエティ番組の歴史を網羅したその貴重なコンテンツは、2020年6月にUMeとSOFA Entertainment Inc.との間で締結されたグローバル・デジタル著作権契約により初めてデジタル化されて以降、飛躍的にリーチを拡大している。

    同番組の司会を務めるエド・サリヴァンは、エルヴィス・プレスリー、スティーヴィー・ワンダー、ザ・バンド、ビーチ・ボーイズ、ザ・ビートルズ、ジャクソン5、ママス&パパス、シュープリームス、ザ・ローリング・ストーンズといった音楽界のスーパースターたちをいち早く番組に招き、彼らの貴重なテレビ初パフォーマンスを紹介した。

    “エド・サリヴァン・ショー”がなければ、今日アイコンと呼ばれる多くのミュージシャンたちが世に知られることはなかっただろう、というのが多くの人々や批評家の見解である。

    Elvis Presley "Hound Dog" (October 28, 1956) on The Ed Sullivan Show

    エド・サリヴァンは、ネットワークの検閲や番組のスポンサーの要求に抗い、黒人アーティストを同番組のステージに招いた人物でもある。ラジオで聴く音楽といえば、白人のポップスかあるいは“人種”音楽だった隔離された時代に、彼は人種の壁を越えることを決して恐れなかった。才能さえあれば、彼の番組に出演できたのだ。エドがモータウンのアーティストたちを世に紹介することができたのは、モータウンの創始者ベリー・ゴーディとエド・サリバンが築いた素晴らしい関係のおかげでもあった。

    それは、音楽とテレビの歴史において最も影響力のあるパートナーシップのひとつに繋がった。シュープリームス、テンプテーションズ、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、グラディス・ナイト、ダイアナ・ロス、その他多くのモータウンのスターたちが有名になり、音楽界のレジェンドとなったのは、“エド・サリヴァン・ショー”への出演によるところが大きい。

    “エド・サリヴァン・ショー”の公式YouTube / Apple Music / Facebookで現在までに最も視聴されたクリップは次の通り

    ・ジャクソン5「I Want You Back」(7,500万回再生)
    ・エルヴィス・プレスリー「Hound Dog」(6,200万回再生)
    ・エルヴィス・プレスリー「Don’t Be Cruel」(5,400万回再生)
    ・アイク&ティナ・ターナー「Proud Mary」(4,800万回再生)
    ・テンプテーションズ&シュープリームス「Get Ready/Stop! In The Name of Love/My Guyのメドレー」(3,800万回再生)
    ・ニール・ダイアモンド「Sweet Caroline」(4,800万回再生)
    ・ジャニス・ジョプリン「Maybe」(2,800万回再生)
    ・トム・ジョーンズ「Delilah」(2,700万回再生)
    ・ママス&ザ・パパス「Words Of Love」(2,200万回再生)
    ・ママス&ザ・パパス「Creeque Alley」(2,000万回再生)

    The Temptations and Diana Ross & The Supremes "Hits Medley" on The Ed Sullivan Show

    Written By Will Schube



     

     

  • ザ・キラーズのブランドン・フラワーズ、最新ベスト盤『Rebel Diamonds』について語る

    ザ・キラーズのブランドン・フラワーズ、最新ベスト盤『Rebel Diamonds』について語る

    ザ・キラーズ(The Killers)のブランドン・フラワーズ(Brandon Flowers)がApple Music 1でゼイン・ロウと対談し、2023年12月8日にリリースされたバンドの20年のキャリアを網羅したベスト・アルバム『Rebel Diamonds』について語った。

    このインタビューでブランドンは、「Mr. Brightside」のようなザ・キラーズの最も象徴的なヒット曲の数々とそれらの楽曲の歌詞の背後にあるストーリーやインスピレーション、ルー・リード、エルトン・ジョン、ブルース・スプリングスティーンといった彼のアイドルから学んだ重要な教訓、そして宗教についても言及している他、バンドのニュー・アルバムとアニバーサリー・ツアーについても予告している。

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    The Killers: ‘Rebel Diamonds’, Greatest Hits & Religion | Apple Music

    ブランドンはベスト・アルバムの意義についてこう語っている。

    「面白いことに、僕を形成したいくつかのバンドとの出会いはベスト盤だったんだ。少し眉をひそめられるかもしれないけど、僕が初めてお金を出して買ったカセットはカーズのグレイテスト・ヒッツだった。グレイテスト・ヒッツは、バンドの入門編としては手軽でいい方法なんだよ。それに、あなた(ゼイン)が言及したように、初期の意図とは全く異なる旅をしてきたいくつかの楽曲にも光を当てることができる。新型コロナウイルスやその理由が何であれ、僕らが期待していたほどには光が当たらなかった曲もある」

    また、彼は「Mr. Brightside」の制作についてこう明かしている。

    「僕とデイヴ(・キューニング)は“Mr. Brightside”を書き上げた頃、まだバンドにはドラマーがいなかったんだ。それで僕たちがザ・キラーズのドラマーになろうとしているある男の家にいた時に、“こんな曲があって、このテンポなんだ”って彼に見せたのが“Mr. Brightside”だった。ビートに乗せて聴くのはその時が初めてだったんだ。何か熱を帯びていて、僕はベースで8分音符を押さえることくらいしかできなかったけど、僕はそれがすごく上手くできた。音楽に感動していた。その時から僕はずっと音楽に感動させられてきたけど、決して僕だけできなかったね。そして初めてこの曲を聴き、この曲を歌ってみたら身の毛のよだつような興奮を覚えて“これはワイルドだ。これは僕たちの歌だ”って思ったよ。一度その感覚を味わったら、引き返して他のことをするのは難しい」

    The Killers – Mr. Brightside (Official Music Video)

     

    ブランドン・フラワーズは、バンドが「Tranquilize」でコラボしたルー・リードから学んだ教訓についても語った。

    「何年もかけて学んだこともある。B面シングルのためにルー・リードと共演した “Tranquilize”という曲があるんだけど、そのビデオを撮影しているときに素晴らしい瞬間があったんだ。みんなはロケ現場にいて、部屋には僕とルーだけだった。彼は普段着で来たんだけど、ビデオ撮影のためにレザー・パンツ、レザー・ブーツ、レザー・ジャケット姿に着替えていた。僕と彼が2人きりになった部屋には大きな鏡があって、彼はその鏡の中のサングラスをかけた自分自身の姿を指差して、“こんな男になりたかったよ”って言ったんだ。その瞬間、僕の世界は一変してしまった。ここにルー・リードがいて…ってね。僕はその時のことを自分だけの秘密にしたかったけど、その話はみんなにも聞かせるべきだと思っているんだ」

    The Killers – Tranquilize ft. Lou Reed

    Written By Will Schube



    ザ・キラーズ『Rebel Diamonds』
    2023年12月8日発売
    CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

    <トラックリスト>
    1. Jenny Was a Friend of Mine
    2. Mr. Brightside
    3. All These Things That I’ve Done
    4. Somebody Told Me
    5. When You Were Young
    6. Read My Mind
    7. Human
    8. Spaceman
    9. A Dustland Fairytale
    10. Runaways
    11. Be Still
    12. The Man
    13. Caution
    14. My Own Soul’s Warning
    15. Dying Breed
    16. Pressure Machine
    17. Quiet Town
    18. boy
    19. Your Side of Town
    20. Spirit



  • ザ・ウィークエンドがフォートナイトとコラボした新音楽体験ゲーム「Fortnite Festival」を公開

    ザ・ウィークエンドがフォートナイトとコラボした新音楽体験ゲーム「Fortnite Festival」を公開

    ザ・ウィークエンド(The Weekend)が、有名音楽ゲーム「Rock Band」を手掛けたスタジオ“Harmonix”が制作による新音楽体験ゲーム「Fortnite Festival」の新トレーラーに出演している。

    日本時間の2023年12月10日にフォートナイト(Fortnite)内に実装される同ゲームは、ヘッドライナーを務めるザ・ウィークエンドをはじめ、フェスティバルに登場する”お気に入りの楽曲の伴奏に参加したり、ソロやバンドとしてステージで演奏できるという内容になっている。

    公開されたばかりのトレイラー映像では、ザ・ウィークエンドが、未来的なバンドをバックに最新アルバム『Dawn FM』の収録曲「Take My Breath」に合わせてステージで踊りながら、さまざまなスキンを身につけている様子がご覧いただける。

    これまでフォーナイト内でバーチャル・コンサートを開催してきたエミネム、アリアナ・グランデ、マシュメロ、キッド・カディらスター達に続き、ザ・ウィークエンドは、フォートナイトと組んで音楽イベントを行う最新アーティストとなる。

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    ザ・ウィークエンドと『ユーフォリア』の監督が手掛ける新ドラマ『The Idol』

    The Weeknd x Fortnite Festival Trailer

    このバーチャル・イベントは、ザ・ウィークエンドにとって刺激的な新時代の幕開けとなる。

    今年8月には、最新ツアーからのウェンブリー・スタジアムでの公演が、同会場で行われた単一コンサートのチケット・セールスの新記録を樹立したことが報じられていた。

    このニュースは、Live Nation UKによって「アーティストのエイベル・テスファイ(The Weekndの本名)がウェンブリー・スタジアムの伝統的なコンサート・セットでの売り上げ記録を更新しました」と伝えられている。

    The Weeknd x The Dawn FM Experience – Take My Breath

     

    ザ・ウィークエンドはまた、現地時間7月7日と8日にロンドン・スタジアムで行った2夜連続ソールドアウト公演で延べ16万人を動員し、同スタジアムで行われた2日間公演の総観客動員数の記録も塗り替えている。ケイトラナダとマイケル・ディーンも出演した各公演には、それぞれ同スタジアムで行われた単一コンサートでの歴代最高観客動員数となる8万人のファンが集結した。

    このニュースを受けて、Varietyの取材に応じたLive Nationのツアー責任者、オマー・アル・ジュラニは次のように述べている。

    「ザ・ウィークエンドがソールドアウトを記録している大規模なヨーロッパ・ツアーの中間地点に到達する前に、この偉業を達成したのは信じられないことです。ロンドンでのこの歴史的な瞬間は、彼が長年にわたり築き上げてきたグローバルなファンベースの証明です」

    Written By Will Schube




  • ムーディー・ブルースやウイングス創設メンバー、デニー・レインが79歳で逝去。その功績を辿る

    ムーディー・ブルースやウイングス創設メンバー、デニー・レインが79歳で逝去。その功績を辿る

    英国出身のミュージシャンで、ムーディー・ブルース(The Moody Blues)とウイングス(Wings)の共同創設メンバーとして知られるデニー・レイン(Denny Laine)が2023年12月5日、79歳で逝去した。彼は、2022年に新型コロナ・ウイルスに感染し、間質性肺疾患を患っていた。

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    Wings – Mull Of Kintyre

     

    その生涯

    1944年10月29日生まれのデニー・レインは、幼い頃にギターを始めた。彼が主に影響を受けたのはジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリだったが、フランキー・レイン、ジョー・スタッフォード、ジャッキー・ウィルソンなどのアーティストを彼の姉妹から紹介されたことを好んで話していた。

    中学・高校時代には、バディ・ホリー、エルヴィス・プレスリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイスといったアーティストに触発され、ピアノを弾くことからバンドをはじめたいと思うようになり、1964年、シンガーのマイク・ピンダーらと共に地元バーミンガムで結成したロック・バンド、ムーディー・ブルースの共同創設メンバーとなった。

    彼がヴォーカルを務める「Go Now」のカヴァーは、全英シングル・チャート1位、全米で10位を記録するバンド初のヒットとなったが、1965年のデビュー・アルバム『The Magnificent Moodies』リリース後に、デニー・レインはバンドを脱退。

    Go Now!

     

    ウイングスへの参加

    ムーディー・ブルース脱退後、デニー・レインはエレクトリック・ストリング・バンドを結成し、いくつかのシングルをリリースしたが、1971年に60年代初頭から親交のあったポール・マッカートニーが、妻リンダと計画していた新バンドに彼を誘い、以降10年間、マッカートニー夫妻と共にウイングスの中心メンバーとして活躍。彼らは共に、ウィングスを象徴する1973年のアルバム『Band on the Run』を作り上げた。

    デニー・レインは単にウイングスの雇われメンバーだったわけではなく、ポール・マッカートニーにとって重要なコラボレーターであり、ザ・ビートルズのメンバーからソロ・スターへと進化を遂げる過程で、ロック界屈指のソングライターであったポールが頼りにするほど才能豊かなミュージシャンだった。彼がポールと共作したシングル「Mull Of Kintyre」は、イギリスでザ・ビートルズのどの曲よりも売れた。

    「Mull Of Kintyre」はヴァージン諸島とアビイ・ロードの両方で行われたウイングスのセッション中に誕生したが、リンダ・マッカートニーが夫妻の長男ジェイムズを妊娠したためレコーディングは一時中断。バンドにとって活動困難な時期だったこの年、ギタリストのジミー・マカロックとドラマーのジョー・イングリッシュが脱退したことが事態をさらに複雑にしたが、幸い彼らはすでにリリース予定だったシングルの両面曲のレコーディングを終えていた。結果的にこの曲は、バンド史上UKで最も成功したシングルとなり、1978年のベスト・アルバム『Wings Greatest』や『London Town』に収録された。

    'With A Little Luck' – PaulMcCartney.com Track of the Week

     

    生前のインタビュー

    ポール・マッカートニーとの関係性について、デニー・レインは今年初頭に行われたGuitarWorld誌のインタビューの中で、互いに惹かれあうものがあったことを明かしていた。

    「僕と彼は、音楽的に似た感覚を持っていたんだ。だから僕たちはうまく溶け込むことができた。お互いの考えてることを分かり合えたのは同じ音楽の影響を受けて育ったからだと思う。ポールはリズム感がいいし、大袈裟な演奏もしないのが好きだった」

    同じ特集記事の中で、彼はウイングスというロック界で最も有名なバンドのひとつのメンバーだったことをこう振り返っている。

    「僕は名声のことはあまり考えないごく普通のミュージシャンなんだ。ファンに会うまでは、どれだけ有名になったとか、どれだけ多くの人に影響を与えたとか、そういうことは考えない。でも、僕にとっては音楽がすべてなんだ」

    さらに、MassLiveのインタビューで、彼はポール・マッカートニーとの最初の出会い、つまり10年後に一緒に仕事をするきっかけとなった最初の交流についてもこう説明していた。

    「サヴィル・シアターでジミ・ヘンドリックスのオープニング・アクトとして出演した僕がエレクトリック・ストリング・バンドとステージ上で何か違うことをやろうとしているのを見た彼が気に入ってくれて、僕たちは友達になったんだ。それで彼が何か新しい、これまでと違うこと(バンド)をやりたくなった時に僕に電話をくれたんだ」

    デニー・レインは、今年発売50周年を迎える『Band on the Run』のプロモーションにも積極的に参加していた。ビルボード誌の特集の中で、彼は同アルバム制作の喜びと、チャンスをものにすることの重要性についてこう語っていた。

    「前進するためには、新しいことに挑戦しなければならない。それはギャンブルみたいなものだね。賭けをするのは、よりワクワクするし、そそられるものだよ。毎日、朝9時に始まって5時に終わる普通の仕事とは違って、“何か新しいことをやってみよう”というのが醍醐味なんだ」

    Paul McCartney & Wings 'Band on the Run' (Lyric Video)

     

    妻による追悼の言葉

    彼の妻エリザベス・ハインズは、彼のSNS上で次のような声明を発表している。

    「私の最愛の夫は、今朝早くに静かに息を引き取りました。私は枕元で彼の手を握りながら、彼の大好きなクリスマス・ソングを聴かせてあげました。ここ数週間、彼はクリスマス・ソングを歌い続け、ICUに入り人工呼吸器をつけていた最後の1週間も、私はクリスマス・ソングをかけ続けました。彼は日々闘っていました。とても強く勇敢で、決して不平不満を口にしませんでした。彼の唯一の望みは、私とペットの子猫チャーリーと一緒に自宅でジプシー・ギターを弾きながら過ごすことでした。デニーは、この数ヶ月の健康危機の間、たくさんの愛とサポート、そしてたくさんの優しい言葉を送ってくれた皆さんにとても感謝していましたし、涙するほど喜んでいました。私たち2人に愛とサポートを送ってくれた皆さんに感謝致します」

    Written By Will Schube



  • 新作ゲーム『グランド・セフト・オートVI』のトレイラー映像全般にトム・ペティが起用

    新作ゲーム『グランド・セフト・オートVI』のトレイラー映像全般にトム・ペティが起用

    超人気ゲームの最新シリーズ『グランド・セフト・オートVI』の第一弾トレーラー映像に、トム・ペティ(Tom Petty)の「Love is a Long Road」が全編にわたって使用されている。

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    「Love is a Long Road」は、1989年4月24日にリリースされたトム・ペティのファースト・ソロ・アルバム『Full Moon Fever』に収録曲として知られている。

    トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが1987年に発表し、のちにプラチナ認定を受けた7作目のスタジオ・アルバム『Let Me Up (I’ve Had Enough)』の後、トム・ペティは長年のバック・バンドであったザ・ハートブレイカーズとの活動を一時休止し、伝説のロックバンド、トラヴェリング・ウィルベリーズに加入した。

    ボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、ロイ・オービソン、ELOのフロントマン、ジェフ・リンらも参加したトラヴェリング・ウィルベリーズのデビュー・アルバム『The Traveling Wilburys Vol.1』は全米アルバム・チャートで3位を記録し、300万枚以上のセールスを記録。

    一方でトム・ペティは、『The Traveling Wilburys Vol.1』のレコーディング・セッションに入る前から、次のアルバムはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズではなくソロ名義になることを発表。この物議を醸す決断は、ザ・ハートブレイカーズの間で複雑な感情を引き起こしたと言われているが、ドラマーのスタン・リンチを除くバンド全員が、最終的に彼のソロ・デビュー作に貢献した。

    リラックスして控えめではあったが、『Full Moon Fever』のセッションは創造性の温床でもあった。主にリード・ギタリストのマイク・キャンベルのガレージ・スタジオでレコーディングされたこのアルバムは、トム・ペティ、マイク・キャンベル、ドラマーのフィル・ジョーンズ、プロデューサーのジェフ・リン(ベースと巧妙な質感のキーボードを担当)というコア・メンバーによってそのほとんどが制作された。

    しかし、残りのザ・ハートブレイカーズのメンバーに加え、風変わりなロック曲「Zombie Zoo」で短いカメオ出演しているロイ・オービソン、アルバムからのファースト・シングル「I Won’t Back Down」でギター演奏と決定的なヴォーカル・ハーモニーを披露しているジョージ・ハリスンといったトラヴェリング・ウィルベリーズのメンバーもゲスト参加を果たしている。

    Love Is A Long Road

    強気で反抗的な歌詞とキャッチーなメロディーが特徴の「I Won’t Back Down」は全米シングル・チャートで最高12位を記録し、この曲の成功により、アルバム『Full Moon Fever』はマルチ・プラチナへの道を歩むことになった。

    また、マイク・キャンベルの印象的でジグザグとしたリフに後押しされた、デル・シャノンを彷彿とさせるロードトリップ・ソング「Runnin’ Down A Dream」は、瞬く間に全米トップ30にランクインし、ノスタルジックな「Free Fallin’」は最高7位のヒットを記録した。

    Tom Petty – Free Fallin'

    Written By Will Schube


    トム・ペティ『Full Moon Fever』
    1989年4月24日発売
    CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



  • ブレンダ・リーのクリスマス曲が発売から65年を経て初の全米1位獲得。数々の記録更新

    ブレンダ・リーのクリスマス曲が発売から65年を経て初の全米1位獲得。数々の記録更新

    ロックの殿堂、カントリー・ミュージックの殿堂入り歌手として知られるブレンダ・リー(Brenda Lee)のアイコニックなホリデイ・ヒット「Rockin’ Around The Christmas Tree」が、デビューから65年を経て、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で初の首位を獲得した。

    また、同曲が全米No.1に輝いた史上3曲目のホリデイ・ソングとなったことより、ブレンダ・リーは、最新チャートで1位を競り勝ったマライア・キャリーや彼女のヒット曲「All I Want for Christmas Is You」が保持していた数々の記録を塗り替えている。

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    Brenda Lee – Rockin' Around The Christmas Tree (Official Music Video)

    1960年の「I’m Sorry」で初の全米1位に輝いたブレンダ・リーにとって、「Rockin’ Around The Christmas Tree」は自身3曲目の全米1位シングルとなる。65年前の1958年11月、彼女が若干13歳のときにリリースされたジョニー・マークス作詞作曲によるヒット曲「Rockin’ Around The Christmas Tree」は、リリースから全米シングル・チャート首位獲得までに要した期間の史上最長記録を更新。ほか、まもなく79歳の誕生日を迎えるブレンダ・リーは、これまでの記録保持者だったルイ・アームストロング(「Hello, Dolly!」63歳)やマライア・キャリー(「All I Want for Christmas is You」53歳)大きらと大きく上回り、全米1位に輝いた最高齢のアーティストにもなった。

    このニュースを受けて、彼女は次のように述べている。

    「“Rockin’ (Around The Christmas Tree)”が発売から65年も経って全米1位を獲得するなんて信じられません!今年、この曲のアニバーサリーを祝うために懸命に働いてくれたUMG/UMeのチームに感謝します。そして何より、この曲を聴き続けてくれているファンの皆様に感謝します。この曲は私がまだ10代だった頃に発表されたもので、その後何世代にもわたって共感を呼び、今も尚共感を呼び続けていることを知ることは、私にとって最高の贈り物のひとつです。Keep on Rockin’ and Merry Christmas!」

    今年、ブレンダ・リーは「Rockin’ Around The Christmas Tree」の発売65周年を記念して、カントリー・スターのタニヤ・タッカーとトリーシャ・イヤウッドがカメオ出演している同曲のミュージック・ビデオを初めて公開。

    またこれにあわせて、「Rockin’ Around The Christmas Tree」をはじめ、「Santa Claus Is Coming To Town」「Jingle Bell Rock」、「A Marshmallow World」というホリデイの定番曲の他、オーストリア出身の気鋭プロデューサー、フィロウズ(Filous)による「Rockin’ Around The Christmas Tree」の再構築ヴァージョンを収録した新たなEP『A Rockin’ Christmas with Brenda Lee』もリリースされている。

    Written By Will Schube



    ブレンダ・リー『A Rockin’ Christmas with Brenda Lee』
    2023年11月3日発売
    Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



    最高のクリスマス・ソングをApple MusicSpotifyで聴く


  • クイーン初期のアンコール定番曲はエルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」

    クイーン初期のアンコール定番曲はエルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」

    50年に及ぶクイーン(Queen)のキャリアから、貴重な蔵出しライヴ映像や、最新パフォーマンス、舞台裏を明かすインタビュー等を50週にわたって紹介していくバンドのシリーズ『Queen the Greatest Live』。

    「We Will Rock You」と「We Are The Champions」という無敵の組み合わせが彼らのライヴで定着する以前、クイーンはアンコールをエルヴィス・プレスリーの名曲「Jailhouse Rock(監獄ロック)」の大熱狂で締め括ることが多かった。

    最新ウェビソード第42話『クイーンのライヴでのアンコール曲「Jailhouse Rock」』では、ハマースミス・オデオンという名の監獄の中にいる全員が「Jailhouse Rock」に合わせて踊る様子をご覧いただける。

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    Queen The Greatest Live: Jailhouse Rock (Episode 42)

     

    70年代のクイーン

    70年代半ばのクイーンのライヴがロックンロールを新時代へと導く一方で、バンドはしばしば、餞別として自分たちが影響を受けたアーティストに敬意を表した。1978年5月に「We Will Rock You」と「We Are The Champions」が彼らのライヴのセットリストに登場する以前、バンドはエルヴィス・プレスリーの「Jailhouse Rock」をはじめとする、偉大なアメリカのパイオニアたちのソングブックからのカヴァーを演奏することで知られていた。

    ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのソングライター/プロデュース・デュオによって書かれ、エルヴィス・プレスリーが1957年の同名映画のためにレコーディングしたオリジナルの「Jailhouse Rock」は、“監獄バンドが喚き散らした”という騒々しい“州立刑務所のパーティー”の様子を描いたロカビリー曲だ。

    Elvis Presley – Jailhouse Rock ('68 Comeback Special)

    一方、大西洋を隔てた英国では、当時まだ幼かった未来のクイーン・メンバーがその曲に熱心に耳を傾けていた。2021年のインタビューでブライアン・メイはエルヴィスの影響についてこう振り返っている。

    「あの時代の子供で、エルヴィスの影響を受けていないなんてありえないと思う。フレディは特にそうだった。彼はフレディの偉大なヒーローの一人だったんだ。そして僕にとっては、彼のギタリストたちが大きなインスピレーションだった。スコッティ・ムーアはその1人だし、ジェームズ・バートンもね。そう、エルヴィスからは間違いなく影響を受けたよ」

    しかし、1975年12月24日のハマースミス・オデオンでのアーカイブ映像でご覧いただけるように、クイーンの「Jailhouse Rock」のカヴァーは、決して敬虔なものではなく、ロケット燃料とプロト・パンクのエネルギーを持ち込んだ強烈なヴァージョンだ。

    ロジャー・テイラーがテンポを上げる中、ブライアンはスコッティ・ムーアのギター・ソロにアグレッシブなアレンジで挑み、フレディが花を投げ入れる観客席には、バルーンやビニール人形が飛び交うという、想像を絶する無秩序のアンコールだった。

    ロジャー・テイラーが当時を振り返っているように、彼らは「“監獄ロック”ではちょっとクレイジーになれた」のだ。

    Written by uDiscover Team




  • ローリング・ストーンズ「Can’t You Hear Me Knocking」解説: ミック・テイラーの参加と即興演奏

    ローリング・ストーンズ「Can’t You Hear Me Knocking」解説: ミック・テイラーの参加と即興演奏

    ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が、18年ぶりとなる新作スタジオ・アルバム『Hackney Diamonds』の発売を記念して彼らの名曲を振り返る記事を連続して掲載。

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    1960年代が終わり、1970年代が始まろうとするころ、ザ・ローリング・ストーンズは、かつての自分たちを作り替え、より強化したかたちで新たな時代を迎えた。

    1969年7月には創設メンバーだったギタリストのブライアン・ジョーンズが亡くなり、同じ年の12月には「オルタモントの悲劇」と呼ばれる大事件が起こっていた。この2つの悲劇が、「スウィンギング・ロンドンのおしゃれなブルース・ボーイズ」という第1期ストーンズのイメージに終止符を打ったのかもしれない。

    とはいえ、この1969年という年は、彼らに秘密兵器をプレゼントすることになった。そのおかげでこのバンドは新たな時代に申し分のないかたちで対応し、やがて“世界最高のロックンロール・バンド”の称号を獲得することになる。

    ミック・テイラーはブライアン・ジョーンズの後任として起用され、1969年5月にバンドに加入した。その時点で、彼はまだ20歳という若さだった。当時ブライアンはアルコールやドラッグへの依存を深め、プロのミュージシャンとしては信頼できない状態となり、またローリング・ストーンズの活動にも関心を失っていた。それゆえ、彼が解雇されることになったのも、致し方のないことだった。

    一方のテイラーは若く、健康で、信頼できる存在であり、そして何よりもきわめて有能なギタリストだった。彼は、キース・リチャーズの補佐役として完璧な存在だった。キースは、テイラーとの出会いを振り返ってこんな風に語っている。

    「ミック・テイラーが姿を現して、天使のように演奏したんだ。俺はノーというつもりはなかった」

    この新メンバーのおかげで活気づいたストーンズは、3年ぶりにアメリカでコンサート・ツアーを行うことになった。そして、音楽的技量の向上だけでなく、ライヴの会場で演奏を観客にしっかりと聴かせることができる音響技術の発達によって、自分たちの意欲が刺激されていることを実感した。

    このコンサート・ツアーの過程で録音されたライヴ音源は、のちにライヴ・アルバム『Get Yer Ya-Yas Out』に纏められ、リリースされている。それを聴けばわかるように、2人のギタリストが交わすインタープレイは実に素晴らしいものだった。そして、ストーンズが同作に次いで発表したスタジオ・アルバム『Sticky Fingers』では、テイラーの洗練されたギター・テクニックの効果が存分に発揮されることになったのである。

    Jumpin' Jack Flash (Live)

     

    アルバム『Sticky Fingers』のレコーディング・セッション

    『Let It Bleed』のリリースから1週間が経過したころ、ストーンズは1969年12月の最初の数日間をアラバマ州のマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオで過ごし、新曲3曲のレコーディングを行っている。

    このときレコーディングされた楽曲は「Brown Sugar」「Wild Horses」、そして「You Gotta Move」である。そしてその3ヵ月後、メンバー全員がミック・ジャガーの別荘であるスターグローヴスに集まり、さらに多くの楽曲のレコーディングを行っている。グループは、さらに6月までロンドンのオリンピック・サウンド・スタジオでプロデューサーのジミー・ミラーとともにレコーディング・セッションを続け、『Sticky Fingers』に収録されることになる楽曲の数を積み上げていった。

    Wild Horses (2009 Mix)

    ミック・テイラーの加入から丸1年が経過したこのころ、新メンバーが完全に融合した第2期ザ・ローリング・ストーンズは、その潜在的な能力をついにスタジオで花開かせることになった。このセッションでサウンド・エンジニアを担当したアンディ・ジョンズは以下のように語っている。

    「ミック・テイラーはバンドの方向性に大きな影響を与えたと思う。ストーンズはジミー・ミラーと一緒にセッションを始めて…… (そして) 明らかにロックンロール色がより強くなった。やがてミックがやってきて、それでケーキの上にアイシングの飾りが加わったような感じだった。ああいう方向性に進んだのは、再びジャム・セッションができるようになったからだろうね。それまで長いあいだ、そういうことをやっていなかったからね」

    テイラーの流麗でメロディアスなプレイ・スタイルは、キース・リチャーズが奏でるがっちりとしたリフや激しいリズム・プレイとは対照的だった。アンディ・ジョーンズは次のように振り返る。

    「私は一晩中ミック・テイラーの演奏を聴くことができた。彼は絶対にミスをしないし、どのテイクも違った仕上がりになっていた。しかも聴く者を泣かせるような演奏をするんだ。本当に良かったよ……。毎晩毎晩、彼の演奏を聴くことができて本当に素晴らしかった。退屈しなかったね」

     

    「Can’t You Hear Me Knocking」のレコーディング

    通常であれば、ストーンズは曲が完璧になるまでスタジオで延々と演奏を繰り返すというアプローチで曲作りを進めていた。しかしこのアルバムのレコーディング・セッションでは、それとはちがうかたちで「Can’t You Hear Me Knocking」を含む多くの曲の録音されている。つまり、スタジオに持ち込まれた段階で、楽曲はかなりの程度まで完成していたのである。テイラーはこう語っている。

    「ストーンズは、何のアイデアもないままスタジオに入ることはなかった。けれども、歌詞も何もかもすべて完全にできあがった状態でスタジオに入ったっていう記憶もない」

    そういうわけで、この曲の方向性に自信を持ったストーンズは、冷静沈着にこの曲に取り組み始めた。キース・リチャーズはこう語っている。

    「“Can’t You Hear Me Knocking”は突然飛び出してきたんだよ。俺がチューニングとリフを探り当ててスウィングし始めたら、チャーリー (・ワッツ) がすぐについてきてくれた。そうしてみんな、“おい、これはなかなかいいグルーヴだな”って思い始めた。だから、お互いに笑みを浮かべていたね」

    キースはこの曲をオープン・G・チューニングで作った。このチューニングは彼にとって比較的新しい奏法で、まだ手探りの状態だった。とはいえ、これによってエキゾチックで表現力豊かな演奏が可能になった。

    「あの曲では、指がちょうどいいところに落ち着いたんだ。そうして、それまで意識したことのなかったあのチューニングのコツをいくつか発見できた。そのことに気づいたのは、あの曲をレコーディングしていた最中だったと思う」

    キースが演奏する耳障りなリフで曲が始まると、チャーリーが叩く鋭き出すソリッドなビートが加わり、さらにビル・ワイマンのベースが続く。そしてミック・テイラーが、キースのトゲトゲしいフレーズと好対称をなす滑らかなギターを奏でていく。キースは次のように語っている。

    「ギタリストにとっては、あんなの朝飯前だよ。ああいう切り刻むような、スタッカートのようなコードを炸裂させるのはね。とても直接的で、隙間がある」

    ほんの2度か3度試みに演奏をしたあとで、「Can’t You Hear Me Knocking」のマスター・テイクは一発でレコーディングされた。それにもかかわらず、テープ・マシンは録音状態のまま停止されることはなく、ストーンズもやはり止まらなかった。

     

    即興演奏

    「曲の終わりに近づくにつれ、演奏を続けたい気分になったんだ」

    とミック・テイラーは語っている。有望な新曲の終わりを告げるクライマックスのシンバルが鳴り響いた数秒後、ほかのメンバーが楽器から手を離したときに、テイラーが遊び心のあるフレーズを軽快なラテン風のノリで演奏し始めた。

    「あれはいい感じだった。それでみんな、すぐに楽器を手にして演奏を続けた。本当にたまたまああいう展開になったんだよ」

    テイラーのリード・ギターに続いて、チャーリーがパーカッシブなグルーヴを固めた。チャーリーはテイラーについて次のように語っている。

    「彼はとても優れた耳の持ち主だった。彼の演奏がどんどん先に進むように、俺がちょっと手助けしたってことだよ」

    ビルとキースも再び演奏に加わったが、楽曲の本編で主役を務めていたキースは一歩退き、伴奏に専念し、エッジの効いたリズム・ギターを奏でることにしている。そしてテイラーは、とてつもなく幸福感にあふれた完璧なソロを奏でることになった。

    やがて全員が演奏を止め、即興の演奏は大盛り上がりのクライマックスをもって締めくくられた。このときテープに吹き込まれた7分間の名演は、ミック・テイラーの柔軟な対応力がありありと伝わってくる大傑作となっていた。のちにテイラーは次のように語っている。

    「“Sticky Fingers”のレコーディングでは、俺はほとんどの場面で自分独自のサウンドとスタイルを持ち込もうとしていた。そうして少し追加のスパイスを加えることになった。自分としてはそう思いたいね。俺がストーンズを“洗練”させたなんていう風には言いたくないな。そう言ってしまうと、思い上がっているような感じに聞こえるからね。チャーリーからは、お前が持ち込んだのは“細やかさ”だと言われた。そういう言い方がいい。俺はチャーリーの言葉に従うよ」

     

    ゲスト・スターとオーヴァーダブ

    このドラマチックでスリリングな曲の録音が終わると、バンドは曲の特徴をさらに際立たせる作業に移った。この曲のオルガン・パートを演奏するために起用されたのは、ザ・ビートルズとの共同作業を終えたばかりのビリー・プレストンだった。高音域でトリルを奏でる彼の華やかなハモンド・オルガンは、この曲の前半の敬虔な祈りを高めている。その一方で、曲の後半は元気あふれるゴスペル的な熱狂がアクセントをつけることになった。

    この「Can’t You Hear Me Knocking」のオーヴァーダビングには、1968年の「Sympathy For The Devil」でコンガを叩いていたガーナ人パーカッション奏者、クワシ・”ロッキー・ディジョン”・ディゾルヌが再びゲスト参加している。彼の演奏は、ジミー・ミラーが演奏するそのほかのパーカッションとともに前半と後半を繋ぐ役割を果たし、この曲のラテン風味をさらに強調している。

    The Rolling Stones – Sympathy For The Devil (Official Lyric Video)

    さらに、この曲にはボビー・キーズも参加している。キーズは、『Let It Bleed』の「Live With Me」でストーンズのレコーディングに初めて加わっていた。『Sticky Fingers』のセッション中にミック・ジャガーの家に居候していた彼は、「Can’t You Hear Me Knocking」にホーンを入れるために再び起用されることになった。その後ストーンズのブラス・セクションとなったミュージシャンたちについて、チャーリーは次のように語っている。

    「あれは、オーティス・レディングやジェームス・ブラウンのような人たちからの影響だった。それにデラニー&ボニーからの影響もある。デラニー&ボニーのバンドには、ボビー・キーズや (トランペット奏者の) ジム・プライスが参加していたからね。ブラス・セクションを起用したのは、ストーンズのサウンドを変えるためじゃなかった。ストーンズにまた別の奥行きとか別の彩りを加えようとしたんだ」

    スタジオでキースに扇動されたキーズは、既に録音されていた即興演奏に絡みつくようなソロを思いつくままに吹いた。やがて彼はストーンズのツアーにフルタイムで参加するサックス奏者となり、その仕事は2014年に亡くなるまで続いた (ただし1970年代後半から1980年代前半の数年間は除く) 。

     

    ヴォーカルと歌詞

    ミック・ジャガーは、登場した瞬間から冴えわたっていた。彼のトゲのある唸り声は、熱狂的なバックの演奏を貫いて聞こえてくる。冒頭のヴァースは冷笑的な調子で歌われており、「サテンの靴」「プラスティックのブーツ」「コカインの目」「ヤク中のイカサマ」といった言葉を並べて誰かをこき下ろしている。

    サビでミックは、この歌の主人公に中に入れて欲しいと頼み込んでいる。

    Can’t You Hear Me Knocking?
    ノックしているのに、聞こえないのか?

    さらにブリッジでは、もう少し哀願するような調子になっている。最初こそ「助けてくれ、ベイビー」くらいのものだが、やがて「膝をついて頼み込む」と歌うところまで行く。こうした切迫感あふれる願いをさらに表現豊かにしているのは、ミックの声だった。まさしくベスト・コンディションではあるものの、その声はやはり緊迫感に満ちている。高い音を出そうと声を引き伸ばしているうちに、気迫と絶望感が醸し出されていったのである。ミックは、のちに次のように語っている。

    「この曲は俺にはかなり高いキーだった。あのときは、“ああ、これは俺に合ったキーじゃない。だけどやってみよう”って言ったよ。サビで高い音がちゃんと出なかったのを隠すために、随分とハーモニーをつけたんだ」

    「Can’t You Hear Me Knocking」をストーンズの名曲として決定つけたのは、あの即興演奏だった。それと同じように、ミックの気合の入ったヴォーカルにも明らかに自然発生的な部分があった。それを証明するエピソードがある。

    録音の直後、ストーンズのセキュリティー責任者だったジェリー・ポンピリが、著作権登録のために『Sticky Fingers』の歌詞を聴き取る仕事を任された。彼は、自分が書き起こした歌詞をミックに確認してもらうことにした。のちにポンピリは、次のように振り返っている。

    「ミックと意見が合わなかった曲が1つだけあった。すなわち“Can’t You Hear Me Knocking”だ。俺やほかのみんなは、ある一節が“Yeah, I’ve got flatted feet now, now, now /ああ、俺はもはや、もはや、もはや扁平足だ”って歌詞だと思った。けれどもミックは、自分はそんな歌詞は歌わなかったと断言するんだ。実際に何と歌っていたのか本人は思い出せなかった。だから俺たちは、とにかく聴き取った通りの歌詞で著作権登録を済ませることにしたんだ」

     

    アルバムのリリース

    『Sticky Fingers』は1971年4月23日にリリースされた。これはザ・ローリング・ストーンズ・レコードの設立後、同レーベルから発表された最初のアルバムであり、アトランティック・レコードとの新たな契約の一環として、アトコ・レコードから配給された。

    1週間前に発売されたシングル「Brown Sugar」に後押しされ、このアルバムは先行シングルに続いて世界中で1位を獲得した。ザ・ローリング・ストーンズの歴史における新たな章の幕開けとなったこのアルバムは完成度も高く、バラエティに富んだ内容に仕上がっており、その後のさまざまな展開を予感させた。

    Brown Sugar (Remastered 2009)

    「Can’t You Hear Me Knocking」は、間違いなくこのアルバムの目玉と言っていい曲だ。ここでは、ストーンズならではの自らを誇示するような凶暴なロックンロールとゆるやかで燃えるような芸術性が対照的に描き出されている。この曲を出発点として、彼らは1970年代を通して音楽的な冒険を繰り広げていった。

     

    後世に残した影響

    「Can’t You Hear Me Knocking」が初めてライヴで披露されたのは、1971年3月のニューカッスル公演でのことだった。そのたった一度の演奏を除けば、ストーンズがこの曲をステージで再現するようになるまでオリジナル・リリースから30年を擁した。

    そしてその間に、『Sticky Fingers』はこのバンドの最高傑作として讃えられるようになり、「Can’t You Hear Me Knocking」は最も愉快で猛烈なストーンズを映し出した代表曲という評価を獲得した。

    おそらく曲に独特な凄みが備わっているせいだろうが、「Can’t You Hear Me Knocking」は道徳的な退廃を象徴する曲として映画で頻繁に使われるようになった。たとえばマーティン・スコセッシが1995年に発表した映画『カジノ』では、ジョー・ペシ演じる登場人物がラスベガスの犯罪組織の発展ぶりを説明する場面で、この曲が最初から最後まで流れている。

    また2001年の映画『ブロウ』では悪名高い密売人ジョージ・ユングの麻薬取引の追跡劇をジョニー・デップが手振り手振りを交えて説明しているが、ここでもやはり「Can’t You Hear Me Knocking」がノーカットで使われている。

    「Can’t You Hear Me Knocking」は、こうした裏社会の描写と結びつけられてきた。またこの曲は、ストーンズ自身がもつアウトローとしてのイメージとも重ねられてきた。そうした印象が響いたのか、この曲のカヴァーにあえて挑んだアーティストはこれまでのところ少数にとどまっている。

    ジェイソン・イズベルは400ユニットと組んでこの曲をレコーディングし、ハードなノリのオリジナルに忠実なカヴァー・ヴァージョンに仕上げている。また、オーストラリアのソウル・ユニット、ザ・バンブーズはファンキーなヴァージョンを録音。これは、ブラス・セクションをオリジナル以上に強調したカヴァーになっていた。

    かたや原曲の熱狂的なギター・プレイの再現に挑戦したのは、カルロス・サンタナぐらいだろう (ちなみに、あのミック・テイラーのメロディアスなラテン風味のソロはサンタナから影響を受けていたのではないかと多くの人が指摘している) 。サンタナは、2010年にシンガーのスコット・ウェイランドと組んでこの曲をカヴァーしている。

    ミック・ジャガーはかつて次のように語っていた。

    「この曲は本当に面白いと思う。あれ以来、こんな曲はやったことがない」

    Written By Simon Harper


    最新アルバム

    ザ・ローリング・ストーンズ『Hackney Diamonds』

    2023年10月20日発売
    デジパック仕様CD
    ジュエルケース仕様CD
    CD+Blu-ray Audio ボックス・セット
    直輸入仕様LP
    iTunes Store / Apple Music / Amazon Music


    シングル

    ザ・ローリング・ストーンズ「Angry」
    配信:2023年9月6日発売
    日本盤シングル:2023年10月13日発売
    日本盤シングル / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



  • ザ・ポーグスのフロントマン、シェイン・マガウアンが65歳で逝去。その功績と追悼の言葉

    ザ・ポーグスのフロントマン、シェイン・マガウアンが65歳で逝去。その功績と追悼の言葉

    アイルランドを代表するパンクバンド、ザ・ポーグス(The Pogues)のフロントマンで、ソングライターのシェイン・マガウアン(Shane MacGowan)が2023年11月30日朝、65歳で逝去した。

    英BBCニュースは、彼の妻であるビクトリア・メアリー・クラークのインスタグラム投稿を引用しており、BBCの取材に応じた代理人によると、彼は妻と妹に見守られながら安らかに息を引き取ったという。

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    The Pogues – Dirty Old Town

    その生涯

    1957年、アイルランド人の両親のもと英南東部ケント州に生まれたシェイン・マガウアンは、6歳までアイルランド南部の農家で伝統的なアイルランド音楽に囲まれながら過ごし、音楽への愛に目覚めた。

    1982年、彼はピーター・”スパイダー”・ステイシー、ジェム・ファイナー、ジェームズ・ファーンリーと共にロンドンでザ・ポーグスを結成し、アイルランドの伝統的なフォーク・ミュージックとパンク・サウンドを融合させた独自音楽性で世界的なセンセーションを巻き起こした。

    ザ・ポーグスは、1985年のアルバム『Rum Sodomy & The Lash』や、シェイン・マガウアンとカースティ・マッコールとのデュエットによる1988年のクリスマス・ヒット曲「Fairytale of New York」など、数々のアルバムやシングルをリリースし、成功を収めていった。

    Fairytale of New York (feat. Kirsty MacColl) [Top of The Pops Dec 1987]

    追悼の言葉

    シェイン・マガウアンの妻であり、数十年来のパートナーであるヴィクトリア・メアリー・クラークは、インスタグラムに次のような声明を発表している。

    「この気持ちをどう表現していいのかわからないのですが、とにかく言葉にしてみます。私の目の前にある光であり、私の夢の尺度であり、私の人生の最愛の人、最も美しい魂であり、美しい天使であり、太陽であり、月であり、私が大切にしているすべての始まりと終わりであるシェインは、イエスとマリア、そして彼の美しい母テレーズと共に旅立ちました。彼と出会い、彼を愛し、彼に限りなく無条件に愛され、愛と喜びと楽しさと笑いと冒険に満ちた人生の年月を過ごせたことは、言葉では言い表せないほど幸運でした。私が感じている喪失感や、彼の笑顔がせめてもう一度だけでも私の世界を照らしてくれたらという切望は、言葉では言い表せません。この世界にいてくれてありがとう、ありがとう、ありがとう。あなたはこの世界をこんなにも輝かせ、その愛情と魂と音楽で多くの人々に喜びを与えてくれました。あなたは永遠に私の心の中に生き続けるでしょう。あなたが大好きだった雨に濡れた庭ではしゃぎまわってください。あなたは私にとっての全てです」

    The Pogues – A Rainy Night In Soho

    この訃報を受けて、音楽業界から続々と追悼が寄せられている。シンガーソングライターで活動家のビリー・ブラッグは自身のツイッターでこう述べている。

    「私の世代で最も偉大なソングライターのひとり、シェイン・マガウアンが長い闘病の末に亡くなったことを聞いて残念です。ザ・ポーグスは80年代初頭にフォーク・ミュージックを生き返らせ、作詞に焦点を当てた彼の楽曲は、私や他の人たちのようなアーティストに扉を開いてくれました」

    ザ・シャーラタンズのティム・バージェスは次のように述べている。

    「さらば、シェイン・マガウアン。全力で生きた、叙情詩の天才。バンドをやりたかった多くの人々にインスピレーションを与えてくれました。私はザ・ポーグスを追って遠くまで行き、シェーンに何度か会い、これまで目撃した中で最も爽快なライヴのいくつかを観ました」

    ジャック・アントノフもこう哀悼の意を捧げている。

    「シェイン・マガウアンは、彼の作品を通して、他の誰にもできない何かを感じさせてくれました。彼のあり方は、スタジオでもツアーでも私に毎日インスピレーションを与えてくれます。彼の身近な人たちに愛を。そして、彼の音楽がなければここにはいない私たちにとっても、悲しい日です」

    Written By Sam Armstrong



  • 12/8発売予定、ニッキー・ミナージュの新作アルバム『Pink Friday 2』に関する最新情報まとめ

    12/8発売予定、ニッキー・ミナージュの新作アルバム『Pink Friday 2』に関する最新情報まとめ

    活動休止や度重なる発売延期を経て、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)の2010年のデビューアルバム『Pink Friday』の続編で、2018年の『Queen』以来約5年ぶりとなる新作スタジオ・アルバム『Pink Friday 2』がいよいよ2023年12月8日にリリースされる。

    現在までに判明している新作に関する情報は以下の通り。

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    Nicki Minaj – Last Time I Saw You (Official Lyric Video)

    新作のテーマ

    ニッキー・ミナージュはVOGUE誌のインタビューの中で、この新作アルバムのコンセプトやテーマについてこう語っている。

    「自分の音楽の多くを振り返った時、なんてことなの…私らしさは一体どこ?って思ったの。だからこのアルバムでは、昔のやり方に立ち返ったんだ」

    収録曲

    今年9月、彼女は、これまでの強烈なヒップホップからは一転、美しい歌声と洗練されたエモーショナルなポップ・サウンドをフィーチャーしたシングル「Last Time I Saw You」を発表。この内省的で切ないラブソングの中で、きらびやかなメロディーに乗せて彼女はこう歌っている。

    I wish I’da hugged you tighter the last time that I saw you
    I wish I didn’t waste precious time the night when I called you
    I wish I remembered to say I’d do anything for you
    Maybe I pushed you away ‘cause I thought that I’d bore you.
    最後にあなたに会った時、もっと強く抱きしめておけばよかった
    あなたに電話した夜、貴重な時間を無駄にしなければよかった
    あなたのためなら何でもすると言ったことを覚えていればよかった
    あなたに愛想を尽かされると思ったから、あなたを突き放してしまったのかもしれない

    Nicki Minaj – Last Time I Saw You (Official Audio)

    また、彼女は、ニュー・アルバムの発売を発表する以前に、「Super Freaky Girl」と「Red Ruby Da Sleeze」という2つの新曲をリリースしているが、これらの楽曲がアルバムに収録されるかどうかは明らかにしていない。

    Nicki Minaj – Super Freaky Girl (Official Music Video)

    新作への参加が噂されている豪華ゲスト

    彼女はこれまでもSNS上で新曲の音源の一部やティーザーを頻繁にシェアしてきた。今年10月『Pink Friday 2』を予告するプロモーションの一環として、彼女は故ジュース・ワールドが参加していると噂されている「Arctic Tundra」の2つのバージョンを披露し、同曲について、これまでレコーディングした曲の中で最も気に入っている曲のひとつだと語っていた。

    その他にも、ビヨンセ、リアーナ、ビリー・アイリッシュ、ドレイク、リル・ウェイン、ローリン・ヒル、シャキーラ、アリアナ・グランデ、ケイティ・ペリー、テイラー・スウィフト、Skeng、セクシー・レッド、アイス・スパイスといった錚々たる顔ぶれが参加すると噂されているが、現時点では、ドレイクとリル・ウェインとの楽曲以外、これらのコラボレーションについて肯定も否定もしていない。

    近況

    今月初め、ニッキー・ミナージュはニュー・アルバム『Pink Friday 2』を引っ提げたグローバル・ツアーに出ることを発表した。

    また今年6月には、映画『バービー』のサウンドトラックのために、アイス・スパイスとタッグを組み、25年前に誕生したアクアのオリジナル曲「Barbie Girl」を再構築した「Barbie World」を発表している。

    Nicki Minaj & Ice Spice – Barbie World (with Aqua) [Official Music Video]

    今年の母の日(5月14日)には、彼女の故郷として知られているトリニダード・トバゴで撮影された、前述の新曲「Red Ruby Da Sleeze」のミュージック・ビデオを公開している。

    Nicki Minaj – Red Ruby Da Sleeze (Official Video)

    Written By Sam Armstrong



    ニッキー・ミナージュ『Pink Friday 2』
    2023年12月8日発売



  • 2023年Spotifyで最も聴かれたアーティストになったテイラー・スウィフトが新曲をサプライズ配信

    2023年Spotifyで最も聴かれたアーティストになったテイラー・スウィフトが新曲をサプライズ配信

    テイラー・スウィフト(Taylor Spotify)は、2023年に全世界のSpotifyで最も聴かれたアーティストになったことを受けて、「You’re Losing Me (From The Vault)」をSpotifyでサプライズ・リリースした。

    この曲は2022年アルバム『Midnights』のデラックス版で今年5月に発売された『Midnights (The Late Night Edition)』のCD限定で収録されていた音源で、今回初配信となった。

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    Taylor Swift – You're Losing Me (From The Vault)

    彼女は自身のSNSでこう感謝を伝えている。

    「えー、これは現実なの!?今年、世界中のどこかで私の音楽を聴いてくれた人たちに、ただただありがとうと言いたいです。2023年にSpotfiyのグローバル・トップ・アーティストに選ばれたことは、本当にこれ以上ない最高の誕生日/ホリデイ・プレゼントになります。今年はツアーやこのニュースのお陰で、最高に楽しい一年を送っています。本当に信じられないです。それで、皆さんにお礼する方法を考えていたのですが、多くの人から“You’re Losing Me (From The Vault)”をストリーミングで聴けるようにしてほしいというリクエストがありましたので、どうぞ。今ならどこでも聴けます」

    また、Spotifyはテイラーがグローバル・トップ・アーティストになったことを祝福する映像を公開している。

    SPOTIFY | 2023 Wrapped – Taylor Swift Global Top Artist of the Year

    その他の関連ニュースとしては、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)の大ヒット・コンサート・フィルム『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』が、テイラーの誕生日にあわせて2023年12月13日からアメリカ、カナダをはじめ、世界各国でオンデマンドにてレンタル開始となることが彼女のSNSを通して発表された(日本については未発表)。

    彼女はまた、今回レンタル開始される同映画の拡大版には、「Wildest Dreams」「The Archer」「Long Live」のパフォーマンスが追加収録されることを明かしている。同映画には、カリフォルニア州イングルウッドにあるSoFiスタジアムで行われた“THE ERAS TOUR”からの3公演の映像が収められている。

    『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』10/13(金)映画館にて公開!

    テイラー・スウィフトはこの投稿で次のように述べている。

    「こんにちは! さて、私の誕生日がやってくるのですが、私たちが共に過ごしたこの1年を祝う楽しい方法は、コンサート・フィルム“テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR”を自宅で観れるにすることだろうと考えていました。とても嬉しいことに、“Wildest Dreams” “The Archer” “Long Live”を含むこのフィルムの拡張版が、みんなの予想通り12月13日からアメリカ、カナダ、そして近日中に発表されるその他の国々で、オンデマンドでレンタルできるようになります」

    Written By Will Schube


    セットリスト
    Taylor Swift “The Eras Tour” Setlist at State Farm Stadium

    Apple Music / Spotify / YouTube



    テイラー・スウィフト「You’re Losing Me (From The Vault)」
    2023年11月29日配信
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

    最新アルバム
    テイラー・スウィフト『1989 (Taylor’s Version)』

    2023年10月27日発売
    CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music