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マーヴェリックスのラウル・マロが60歳で逝去。その功績を辿る

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Photo: Rich Fury/Getty Images for Stagecoach

ラテン・カントリー・ロックを融合させた独自のサウンドで知られるマーヴェリックス(The Mavericks)のフロントマンとして知られるラウル・マロ(Raul Malo)が、2025年12月8日に60歳で逝去した。死因は公表されていないが、彼は2024年に大腸がんと診断されたことを明かしていた。

この訃報は、バンドの公式インスタグラムに投稿された次のような追悼メッセージと共に伝えられた。

「ラウルと時間を共にする喜びを味わった誰もが、彼が圧倒的な存在感と伝染するようなエネルギーを持った人物であることを知っています。30年以上にわたり世界中の何百万というファンを魅了してきたキャリアの中で、彼の卓越した創造的貢献と世代を超えた比類なき才能は、アメリカをも遥かに超えて多文化的な音楽を生み出してきました。彼の肉体はこの世を去ってしまいましたが、彼の魂は天国で、そして彼がもたらした音楽、喜び、光を通じてこの地上で永遠に生き続けるでしょう。彼のアメリカ音楽とラテン音楽への貢献は永遠であり、その歌声と作品は世界中のファンやアーティスト仲間に感動をもたらしてくれました」

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その人生

ラウル・マロはマイアミで生まれ育ち、1980年代後半に地元でマーヴェリックスを結成。カントリー・ロックとラテン音楽を大胆に融合させたスタイルで注目を集めた。

ビルボード・カントリー・チャートに15曲をランクインさせ、カントリー・ミュージック界での数々の栄冠に加え、1995年にはグラミー賞“ベスト・カントリー・パフォーマンス”を受賞した同バンドは、1999年と2003年の2度の活動休止前に、『The Mavericks』(1990)、『From Hell to Paradise』(1992)、『What a Crying Shame』(1994)、『Music for All Occasions』(1995)、『Trampoline』(1998)、『The Mavericks』(2003)といった数多くのヒット作を発表している。2012年の本格復帰後の最新作は2024年の『Moon & Stars』だった。

The Mavericks – Moon & Stars (with Sierra Ferrell) – Official Lyric Video

2024年の新作アルバムのプロモーション時、ラウルは、バンドの音楽性を形作ったという自らの幼少期を振り返り、こう語っていた。

「幼い頃、私はキューバ系の家庭で育ちました。両親は若かったので、本当に素晴らしい音楽を私に教えてくれたんです。例えば父はカントリーの大ファンで、母はロックンロール、ビッグバンド、スウィング、オペラが好きでした。家にはいつもあらゆる音楽が溢れていて、初めてエルヴィスの“It’s Now Or Never”を聴いた時のことは今でも覚えています。彼がイタリアのアリアをロックンロール曲に融合させた感じがたまらなく好きで、人生で最も素晴らしいロックンロール・レコードだと思いました。そんな時、母が手助けしてくれて、私が“It’s Now Or Never”を母に聴かせたら、彼女がイタリアのアリア“O Sole Mio”を聴かせてくれたんです。それは私にとって、まさに世界が開けるような衝撃的な体験で、音楽はジャンルを越えてすべて繋がっていることに気づかせてくれた瞬間でした。私たちは自分が賢く、独創的だと思い込んでいる。しかし現実には、オクターブには8つの音しかなく、弾けるコードの組み合わせにも限りがあります。エルヴィスが示してくれたその繋がりこそが、私が音楽を続ける理由、レゾンデートル(生きる目的)となったんです」

Elvis Presley – It's Now or Never (Official Lyric Video)

Written By Will Schube



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