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アメリカーナのサウンドを追い求める、12組の若きアーティスト達(試聴/動画あり)

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アメリカーナはサブジャンルとしてスタートし、カントリー畑に嵌まらず、カントリーのラジオ局でオン・エアされることがない“ルーツィー / rootsy”なアーティストたちのためものだった面もある。しかし近年では、独自の成熟した表現手段へと成長し、これまでになく多くの人の関心を引き付けるジャンルとなっている。21世紀の現在では、若いながらもアメリカーナを表現する「ヤング・アメリカーナ・サウンド」なミュージシャンが多数存在している。

アメリカーナ・ミュージック協会は、熱心に仕事に取り組んでおり、その盛り上がりは協会名やジャンル名になっているアメリカに限定されたものではない。イギリスのアメリカーナ協会では、現在多数の会員と独自のアワードを開催し、ロンドン、グラスゴー、そしてダブリン(そして以前には、オスロとストックホルム)で開催される恒例のカントリー・トゥ・カントリー・フェスティヴァルでアーティストの多くが演奏するのは、かなり広義の“カントリー”であって、アメリカーナはより幅広いジャンルを示す用語として使われている。

アメリカーナ・ミュージック協会が定義する「アメリカーナ」とは、“カントリー、ルーツ・ロック、フォーク、ブルーグラス、R&B、そしてブルース等さまざまなアメリカン・ルーツ・ミュージック・スタイルの要素を包含した結果誕生し、元々吸収してきたジャンルの純粋な形とは全く異なる、独自のルーツ志向サウンドのコンテンポラリー・ミュージック”。つまり探検場所は非常に広い。今回はそこへみなさんをご招待したい。さあ一緒に探りに行こう。

uDiscover Musicは、アメリカーナ・サウンドのセンスをもつ若きアーティスト12組を選び出す為に、昼間のラジオ番組に受け入れられ、既にメジャーで商業的にブレイクを果たしているメインストリームの音楽やアーティスト以外の集団を掘り下げてみた。この中には、既にアメリカーナのイメージ・キャラクターになっている人もいれば、名前が売れ始めたばかりの人も含まれている。また、この12組の中には、4人ものイギリス人も含まれている。

 

■コートニー・マリー・アンドリュース
フェニックス生まれのコートニー・マリー・アンドリュースは、2018年2月1日にロンドンで開催されたUKアメリカーナ・アワードで、ベスト・インターナショナル・アーティストに輝いた。広く称賛された『Honest Life』に続くコートニー・マリー・アンドリュースの最新アルバム『May Your Kindness Remain』では、その澄んだ声にエミルー・ハリスに通じるものが感じられ、それは「Kindness Of Strangers」でとりわけ強くなっている。

Courtney Marie Andrews – Kindness of Strangers (Official Music Video)

 

■ルーカス・ネルソン
ルーカス・ネルソンは、ウィリー・ネルソンの息子であることだけに満足せず、父親と仕事を行なっては、その気高きアウトロー・スピリットを全て受け入れてきた。彼とそのバンドのプロミス・オブ・ザ・リアルもまた、もうひとりの良き師ニール・ヤングのバックを務めながら、その功績が認められた。しかしネルソン・ジュニアは特に現在では、バンドの最新セルフ・タイトル・アルバムを引っ下げたツアーを行ないながら、自らの力でメジャー・アーティストとなる途上にある。「Just Outside Of Austin」はロックしたい時にロックできる、この吟遊詩人のロマンティックな側面に触れられる作品だ。

Lukas Nelson & Promise of the Real – Find Yourself (Music Video)

 

■サム・アウトロー
その名もずばりアウトローの彼は、サウス・ダコタ州の出身だが、その育った地の伝統的サウンドに感じられるウェスト・コースト色を示す為、自らの音楽を“南カリフォルニア・カントリー”と呼ぶ。2015年のアルバム『Angeleno』で、彼はアメリカーナ・ミュージック・アワードで最優秀新人アーティストにノミネートされ、我々お勧めの「Tenderheart」と、2017年リリースの次作のタイトル・トラックは、イギリスで開催された同じイヴェントで、インターナショナル・ソング・オブ・ザ・イヤーに輝き、サム・アウトローは第一線で活躍するヤング・アメリカーナとしての地位を確固たるものにした。

SAM OUTLAW – GHOST TOWN

■アイム・ウィズ・ハー
アイム・ウィズ・ハーは、サラ・ワトキンス、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノヴァンの3人の顕著なソロ・アーティストをフィーチャーした新しい“スーパーグループ”だ。グループ名義でリリースされたファースト・アルバム『See You Around』は2018年初頭に発表され、11曲のオリジナル曲及び、ルーツ界の重鎮ギリアン・ウェルチが書いた未発表曲「Hundred Miles」が収録されている。“みんなと一緒にこのバンドにいられて本当に幸運だと感じている”とトリオは言う。『See You Around』収録の「Game To Lose」は、アメリカーナ・シングル・チャートのトップ40入りを果たした。

Sara Watkins, Sarah Jarosz, Aoife O'Donovan – Be My Husband

■ヴァン・ウィリアム
コンコード・レコードのヴァン・ウィリアムは、新作『Countries』でアメリカーナ・アルバム・チャートにエントリーした。カリフォルニア出身の彼は、ノルウェー滞在時に得た、魅力的なスカンディナヴィアン・ポストポップが感じられる音楽を生み出している。耳から離れない「Revolution」には、実際にスウェーデンのフォーク・スターのファースト・エイド・キットがフィーチャーされ、ウィリアムはツアーのオープニングでこの曲を披露している。

Van William – Revolution (Music Video) ft. First Aid Kit

 

■ヨラ・カーター
我々がお勧めする最初のイギリス人のアメリカーナ・ミュージシャンは、ゴスペル・ソウル・アメリカーナの中に、独自のサブジャンルを新しく生み出したブリストル生まれのヨラ・カーターだ。彼女は2017年にUKアメリカーナ・ミュージック・アワードの年間最優秀UKアーティスト賞を獲得し、翌年の2018年には、6曲入りEP『Orphan Offering』収録の印象的なリード・トラック「Home」で、再び大成功を収めた。彼女は以前ファントム・リムというバンドで活動していたが、ヨラ・カーターとしてソロ・デビュー・アルバムの登場が待ち望まれる。

Yola Carter – Born Again | BMS TV

 

■ザ・ワンダリング・ハーツ
uDiscoverがここ一年間、その進展を興味深く観察してきたザ・ワンダリング・ハーツは、2017年に2枚のEPを、2018年にはデビュー・アルバム『Wild Silence』を送り出した。この4人組は特にその卓越した直感的なハーモニーで知られ、2018年2月にイギリスで開催されたイベントでは、(イギリス人アナウンサーでありアメリカーナ支持者の名が付けられた)ボブ・ハリス・エマージング・アーティスト・アワードを獲得し、ヤング・アメリカーナ・スターとして讃えられた。

The Wandering Hearts – Devil (Official Music Video)

 

■ナサニエル・レイトリフ
我々が注目した若きアメリカーナ・ミュージシャンの中で、最も商業的に成功しているのは、セルフ・タイトル・デビュー・アルバムが現在世界中で100万枚以上の売上を記録しているナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツだろう。デビュー作に続くアルバム『Tearing At The Seams』は、3月にスタックス・レーベルからリリースされ、アメリカーナ・チャートのトップを飾ったのみならず、全米アメリカ・チャートで初登場11位を記録した。リード・シングルは、元気なヤング・アメリカーナのサウンドが詰まった「You Worry Me」だ。

Nathaniel Rateliff & The Night Sweats – S.O.B. (Official Music Video)

 

■レフトオーヴァー・サーモン
レフトオーヴァー・サーモンの物語は、その名と同じくらい興味をかき立てられる。コロラド州ボルダー出身のジャズ・バンドは、1989年という20年以上も前に結成され、1993年にファースト・アルバムをリリースした。当時のバンドには、現在の6人というラインアップの2倍となる12人のメンバーが在籍していた。彼等の新しいリード・トラック「Show Me Something Higher」と「Southern Belle」は、アルバム『Something Higher』に先立ち、アメリカーナの分野で注目を浴びた。

Leftover Salmon – Southern Belle (Official Music Video)

 

■ディーン・オーウェンズ
スコットランド人叙情詩人のディーン・オーウェンズの最新アルバム『Southern Wind』は彼の通算7枚目だが、UKのインディーのルーツ音楽のレーベルのアット・ザ・ヘルムからの移籍第一作目だ。2015年に傑作『Into The Sea』を発表後、2017年にはナッシュヴィルで開催されたアメリカーナフェストで、オフィシャル・ショーケースを行なった初のスコットランド人となったこのシンガー兼ソングライターは、そのキャリアを確実に広げている。

Dean Owens – Southern Wind

 

■ダーリングサイド
2009年に結成された、ボストン出身の4人組ダーリングサイドは、2015年のアメリカーナフェストの頃には、ローリング・ストーン誌上で“必見のアーティスト”と評されていた。彼等の新作『Extralife』は素朴なハーモニーに溢れているが、2016年の『Whipporwill』よりも、よりエクスペリメンタルでディストピア的なフィーリングが感じられる。伝統的なルーツィーな面は減っているかも知れないし、NPRは“複雑なチェンバー・ポップ”と表現したが、それでもこのアルバムは、モダン・アメリカーナ満載の豪華な作品だ。

Darlingside – Best Of The Best Of Times (Official Music Video)

 

■ウィリアム・ザ・コンカラー
ヤング・アメリカーナ注目すべきスター達のしめくくりとして、我々はこのジャンルが方々で開花していることを強調すべく、イングランド南西端のコーンウォールのアーティストを紹介してみたいと思う。ソロ・シンガー・ソングライターとしてのキャリアからの方向転換を図ったルアーリ・ジョセフを中心に結成された素晴らしいトリオ、ウィリアム・ザ・コンカラーを紹介しよう。ウィリアム・ザ・コンカラーの『Proud Disturber Of The Peace』(これまたUKのベスト・インディペンデント・ルーツ・レーベルのルースからリリース)は、2017年を代表する心に訴える魅力的な作品だった。

William The Conqueror : Tend to The Thorns (Official Video)

Written By Paul Sexton



♪ プレイリスト『Americana Highway

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