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クイーン『オペラ座の夜』50周年記念、『Queen II』から名作の誕生への道のりを明かす

クイーン(Queen)は、1975年の名盤『A Night At The Opera(オペラ座の夜)』の発売50周年を記念して、同作の誕生に迫る全5部構成の「The Greatest」新シリーズ「The Path to Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディへの道)」の第2話をYouTubeに公開した。
第1話では代表曲「Bohemian Rhapsody」の制作過程に焦点が当てられたが、第2話では、バンドが本作で思う存分実力を発揮できた背景に過去のレコーディング経験があったことを明かしている。
今後も11月中、毎週新たなエピソードが配信される予定で、2025年11月19日には、『A Night At The Opera』の50周年記念盤(ゴールド・レーベル仕様クリスタル・クリア・ヴァイナル)と「Bohemian Rhapsody」の7インチと12インチの限定盤(カラー・ヴァイナル)がリリースされる。
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最新エピソードの中で、ロジャー・テイラーとブライアン・メイは、それまでのアルバム制作を通じてバンドが少しずつスタジオでの創造的自由を獲得していった過程を振り返り、とりわけ『Queen II』(1974年)での経験について語っている。
ロジャー・テイラーはこう回想する。
「“Queen II”はその制作過程で初めてある程度の自由を与えられたアルバムだったと思う。デビュー作の時はそうじゃなかったからね。だから音も良くなって、僕たちが本当に目指していたサウンドに近づいたんだ。完璧とは言えなかったけど、スタジオでの自信がつき始めていた。音の明暗のコントラストがより豊かになったんだ」
一方ブライアン・メイは、『Queen II』を特に誇りに思っていると語っている。
「僕はずっとこのアルバムの提唱者なんだ。バンドが大きな飛躍を遂げた作品だからね。当時はスタジオの空き時間にしか入らせてもらえなかったバンドが、実際にスタジオ時間をもらえるようになったんだ。自分たちのやりたいことに没頭できたし、実験もできた。“Queen II”ではテープというキャンバスに絵を描くように、大きな飛躍を遂げたんだ。本当に大好きなアルバムだよ」
続けてロジャーは、3作目『Sheer Heart Attack』(1974年)では、シンプルなプロダクションを追求したことを振り返った。
「あのアルバムは全体的に、より力強く直球な作品だったと思う。僕的にはそれが評価すべき点なんだ。曲がしっかりしていて、長すぎず、過剰に手が込んでもいない。スタジオのトリックに頼りすぎずに、実際にライヴで演奏できる曲が多かった」
しかし、クイーンというバンドの本質は、常に“野心的で壮大な表現”にあった。そこから彼らは『A Night At The Opera』へと向かうことになる。ブライアン・メイは語る。
「“Sheer Heart Attack”を完成させて、かなり成功した。でも、僕たちの心はやはりこれまでとは違う領域を切り拓くことにあった。当時は楽しかったよ。新しい車を手に入れて、その性能を試してみるような感覚だった。僕ら4人と、エンジニアのマイク・ストーン、プロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーでスタジオの使い方を学びながら可能性を押し広げていったんだ」
ブライアンはさらにこう続ける。
「どの曲に取り組む時も、4人のうち誰が持ち込んだものであれ、それは胸躍るプロセスだった。挑戦的で、時に困難で、口論にもなったこともある。でも最終的にできあがるものは、すごく輝いていて、完成度が高くて、冒険的で、どこか危うさもある。本当にやりがいがあった。そしてそれが“クイーンのサウンド”になっていったんだ。そんなクイーンのサウンドは、4人の誰か一人が単独で生み出せるものよりも百万倍も素晴らしかった」
Written By Sam Armstrong
クイーン『A Night At The Opera』
1975年11月21日発売
50周年記念LP/ iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
クイーン「Bohemian Rhapsody」輸入国内盤
2025年11月19日発売
シングル・レコード盤
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