Join us

Stories

デューク・エリントンに捧げたスティーヴィー・ワンダーの「Sir Duke」

Published on

デューク・エリントンや、カウント・ベイシー、グレン・ミラー、ルイ・アームストロングエラ・フィッツジェラルドと共通点がたくさんある。とはいえ1977年5月、かなり意外なかたちでこの人たちすべての名前が一同に会することになった。全米チャートの1位を獲得したスティーヴィー・ワンダーのポップ・シングル「Sir Duke」の中に、彼らの名前が読み込まれていたのである。

この曲は、スティーヴィーの名盤『Songs In The Key Of Life』から「I Wish」に続いてシングル・カットされた。これは、まず第一にデューク・エリントンへのトリビュート・ソングだった。偉大なピアニスト/バンドリーダーだったエリントンは1974年5月に75歳で亡くなっていた。それは、スティーヴィーがアルバム『Fulfillingness’ First Finale』を発表する直前のこと。それからまもなく、彼は自分の音楽に多大なる影響を及ぼしたエリントンを讃える曲「Sir Duke」を作ろうと考えた。

Sir Duke

1977年6月、スティーヴィーはビルボード誌が後援したUCLAでのシンポジウムに出席し、こう発言している。「あの曲名は最初から思いついていたけど、曲の中ではいろんなミュージシャンを採り上げようと思っていた。素晴らしい仕事を遺したミュージシャンはたくさんいる。でも、すぐに忘れられがちだ。僕は、自分の感謝の気持ちを示したかったんだ」。

そうしてできた曲は、エリントンと共に「音楽のパイオニアたち」を讃えるものになっていた。そこでは、スティーヴィーならではのソウルフルな歌と生き生きとした複雑なホーン・フレーズが見事なかたちで融合している。このホーン・フレーズは、歌詞の中で歌われているビッグ・バンド時代のサウンドを思い起こさせるものだった。それを演奏するホーン・セクションは、トランペットはレイモンド・マルドナドとスティーヴ・マダイオ、アルト・サックスはハンク・レッド、テナー・サックスはトレヴァー・ローレンスという顔ぶれになっていた。

1977年5月21日、「Sir Duke」はビルボード誌のポップ・チャートの首位に立ち、それから3週間その座を保った。それまで首位に立っていたのはレオ・セイヤーの「When I Need You」だった。またこの週には、やはりイギリスのバンド、クライマックス・ブルース・バンドの「Couldn’t Get It Right」が3位にまで上昇している。スティーヴィーはその4カ月前にも「I Wish」でポップ・チャートの首位に立っていた。彼にとって「Sir Duke」は6枚目の首位獲得シングルとなった。

1週間後、「Sir Duke」はR&Bチャートでも首位に到達。そちらでの首位滞在は1週間に留まったが、それでもその7日間はスティーヴィーはポップ・チャートとソウル・チャートの両方でチャンピオンとなっていた。R&Bチャートで首位を獲得した彼のシングルは、これで13枚目となった。

Written By Paul Sexton



スティーヴィー・ワンダー『Songs In The Key Of Life』

 

Share this story
Share
日本版uDiscoverSNSをフォローして最新情報をGET!!

uDiscover store

Click to comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Don't Miss