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ザ・ビートルズ『Please Please Me』解説:たった1日で録音した伝説的デビューアルバムの内容

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1963年2月11日の月曜日、午前10時になろうとする頃、ザ・ビートルズの面々はノース・ロンドンのアビイ・ロード・スタジオに到着した。この日、彼らはそこで最初のLPのレコーディングを行うことになっていた。10時間後、レコーディングはほぼ終了。その2日後にジョージ・マーティンによって一部トラックへのオーヴァーダビングが行われ、翌週の月曜日にはアルバムのモノラル・マスターとステレオ・マスターが完成した。

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この記念すべきセッションで、ザ・ビートルズはデビュー・アルバム『Please Please Me』に収録されることになる14曲のうち10曲のレコーディングを終えている。この時期、彼らは、移動を重ねながら毎晩2ステージをこなすという過酷なイギリス・ツアーをヘレン・シャピロらと共に行っていた。アビイ・ロードにおけるこのレコーディングが、その合間を縫って行われたものであることを考慮すると、10曲というのは目覚ましい成果だった。

しかしながら実のところ、アビイ・ロードに到着した時点で、ザ・ビートルズの面々は疲労困憊していた。この日、彼らと共に2回のセッションを行う予定でいたプロデューサーのジョージ・マーティンは、そんなメンバーの様子を見て、不安を覚えたという。しかしながら彼らは最終的に予定を上回る3回のセッションをこなしたのだった。このときのことを、後年、リンゴ・スターは以下のように振り返っている。

「ぼんやりとした記憶しかないんだ。あのセッションのこともそうだし、アルバムのレコーディングに至るまでのすべてのことに関して、あいまいな記憶しかないんだよ」

620000 Parlophone_PostCard sm今では、ザ・ビートルズのレパートリーといえば誰もがレノン&マッカートニーの作品を思い浮かべるが、このファースト・アルバムに収録されているジョン・レノンポール・マッカートニーの共作は8曲で、残る6曲は彼らがステージで取り上げていた、他アーティスト/グループのレパートリーのカヴァー・ヴァージョンだった。

朝のレコーディング・セッションでは「There’s A Place」と「I Saw Her Standing There」(当時は「Seventeen」と呼ばれていた)の2曲が取り上げられている。いずれもジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作だ。そして昼食の休憩(もっとも実際に昼食を取ったのはジョージ・マーティンとエンジニアたちだけで、ザ・ビートルズの4人はスタジオに残り、ミルクとお菓子で空腹を満たしながらリハーサルを行っていた)を挟んで、カヴァー曲のレコーディングが行われている。

There's A Place (Remastered 2009)

レニー・ウェルチが1962年に発表した「A Taste of Honey(蜜の味)」がその曲で、そもそもは同名のブロードウェイ・ミュージカルのためにボビー・スコットとリック・マーロウが共作したものだった。

次の「Do You Want to Know A Secret」ではジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを担当している。これもジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作のひとつで、このセッションの1ヶ月後にビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタスが同じアビイ・ロード・スタジオでカヴァー・ヴァージョンを録音して、シングルとしてリリースして英チャート1位をものにしている。

Do You Want To Know A Secret (Remastered 2009)

「Do You Want to Know A Secret」を録ったあと、彼らは「There’s A Place」と「I Saw Her Standing There」をさらに数テイク披露。その後、同じレノン&マッカートニー作品「Misery」のレコーディングを行った。これはヘレン・シャピロに提供することを念頭に作られた曲だったが、彼らの思いは叶わず、結果、ジョン・レノンとポール・マッカートニー自身によって歌われることになった。

日没後に行われた3回目のセッションは、ポールが作曲した「Hold Me Tight」を取り上げるところから始まった。この日、彼らがレコーディングを試みた「Hold Me Tight」は、『Please Please Me』には採用されず、テープから消去されてしまったため、もはや聴くことはできないが、彼らはセカンド・アルバムのレコーディング・セッションで再びこれを取り上げ、世に送り出している。その後、彼らは猛烈な勢いで5曲のカヴァー・ヴァージョンを立て続けに披露し、この日のレコーディングを終えた。

Hold Me Tight (Remastered 2009)

一連のカヴァー曲の先陣を切ったのはアーサー・アレクサンダーの「Anna (Go To Him)」で、バンドは計3テイクを録音。次に取り上げられたのはリンゴ・スターがリード・ヴォーカルを担当する「Boys」だった。ルーサー・ディクソンとウェス・ファレルが共作したこの曲は、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングが書いたシュレルズのヒット曲「Will You Still Love Me Tomorrow」のB面に収録されていた。

Boys (Remastered 2009)

「Chains」はそのジェリー・ゴフィンとキャロル・キングの共作で、クッキーズのアメリカにおけるヒット曲として知られる。ビートルズの4人はおそらく知らなかっただろうが、彼らが「Chains」をレコーディングしたこの日、ニューヨークのジェリー・ゴフィンは24歳の誕生日を迎えていた。ザ・ビートルズは何も知らないまま恰好のバースデイ・プレゼントを用意したというわけだ。

Chains (Remastered 2009)

4曲目のカヴァー曲はバート・バカラックとマーク・デヴィッドが書いた「Baby It’s You」で、シュレルズのヒット曲を取り上げたものだった。アビイ・ロード・スタジオの終業時刻に当たる午後10時直前に彼らはもう1曲を1テイクで録り終えている。「Twist And Shout」がその1曲だ。クレジット上の名義は”バート・ラッセル”となっているが、これはフィル・メドレーとバート・バーンズの共作で、まずはザ・トップ・ノーツが「Shake It Up Baby」のタイトルで録音。その後、アイズレー・ブラザーズがヒットさせていた。

ザ・ビートルズは是が非でも1テイクでこれを録り終えなければならなかった。レコーディング当時、ジョン・レノンは風邪のせいで喉の調子が優れず、この曲を2度歌うのは不可能だったのだ。完成した「Twist And Shout」は、初期のザ・ビートルズのキャリアを代表する1曲になり、同時にここで聴けるジョンのヴォーカルは、今なおロックの歴史に名を残す名唱に数えられている。この「Twist And Shout」のレコーディングに関して、のちにジョン・レノンは以下のように語っている。

「最後にレコーディングしたあの曲は本当にとんでもなくきつかった。酷く喉をやられて、声がもとに戻るまでかなり時間がかかった。しばらくは何か飲み込むのもつらかったよ」

Twist And Shout (Remastered 2009)

かくして彼らはわずか10時間で10曲分のレコーディングを終えたのである。そしてこの10曲にデビュー・シングルのAB面に収録されていた「Love Me Do」と「P.S. I Love You」、セカンド・シングルの同じくAB面に収録されていた「Please Please Me」と「Ask Me Why」を加え、彼らの2曲目のヒット曲に因んだ表題のアルバム『Please Please Me』というわけだ。2月11日は総じて実り多い1日だったと言っていいだろう。

その翌日、ザ・ビートルズはシェフィールドのアゼナ・ボールルームで最初のステージを、次いでオールダムのアストリア・ボールルームで2ステージ目をこなしている。レコード・デビューからおよそ1年のあいだ、ザ・ビートルズはほぼ毎日のようにそうしたスケジュールを消化し続けた。

実際、『Please Please Me』の10曲をレコーディングした2月11日からアルバムがリリースされる3月22日までのあいだも、彼らは1日たりとも休暇を取っていない。スタジオでの作業に充てた2日間を例外に、日々どこかでライヴを行っていたのである。

その年の5月11日、『Please Please Me』はイギリスのアルバム・チャートの首位に立ち、以降13週に亘ってその位置を守り続けた。

Written By Richard Havers



ザ・ビートルズ『Please Please Me』
1963年3月22日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



 

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