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ポール・マッカートニー唯一のカントリー・チャート入りを達成した曲とは?

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ポール・マッカートニーが現代の音楽に与えた影響について異を唱える者はいないが、彼がレコーディングして全米カントリー・チャートに記録を残した曲のタイトルを思い出せない人は多いだろう。

それは1974年12月21日、彼がウィングスとともに「Junior’s Farm」ですでに全米ポップチャートのトップ10入りをしていた時のことだ。アップル/キャピトルからリリースされたこのシングルは、事実上の両A面のシングルであり、ポール・マッカートニーが妻のリンダとウィングスのメンバー、デニー・レイン、ジミー・マカロックとジェフ・ブリトンと一緒に行ったナッシュヴィルへの旅行からインスパイアされた曲である。

ナッシュヴィルの有名なダウンタウンにあるプリンターズ・アリーのクラブに行ってから、二人は「Sally G」を書いた。それはカントリーの都で繰り広げられるロマンティックな物語になっていて、その歌が生まれた通りも実際に歌詞に含まれている(“夜遊びでプリンターズ・アリーへ行った、そこでサリーがバーの後ろで歌を歌っていた”)。

「バディ・キレン(スタジオのオーナーで音楽のパブリシャー)が小さなクラブが集まるプリンターズ・アリーに連れて行ってくれたんだ」とポール・マッカートニーはのちに振り返った。「Sally G」の歌詞に触れながら、「プリンターズ・アリーで “Sally G”と言う名前の人に会ったわけでも、“A Troubled Mind”を歌っている女性が僕を目で追っていたわけでもない。それは全て現実に基づいた想像だよ」。

1974年7月に「Sally G」は、「Junior’s Farm」や複数の他の楽曲とともにウィングスのナッシュヴィルでのレコーディングで録音され、ポール・マッカートニーのカントリー・ミュージックへの愛、そしてカントリーミュージック発祥の地であるミュージック・ロウの最たるミュージシャンをフィーチャーしている。そのセッションには“ヒルビリー・ジャズの父”と言われるヴァッサー・クレメンツと、著名なスティール・ギター・プレイヤーのロイド・グリーンも参加していたのだ。

これだけの見事にカントリー要素が揃った曲で、非常に本格的だったことから、レコード会社はカントリーのラジオ局に持ちかけることを決めた。それがエアプレイにつながり、ポール・マッカートニーにとって唯一のカントリー・チャート入りを達成した楽曲となった。チャートに91位でデビューを果たし、最高51位を達成した。

1974年後半におけるその週のもうひとつの面白いチャートの動きとして、当時の全米シングル・チャートにザ・ビートルズのメンバー全員のソロ作がヒットしチャート入りしていたことだ。「Junior’s Farm/Sally G」は8位、リンゴ・スターの「Only You」は14位、ジョージ・ハリスンの「Dark Horse」が24位、そしてジョン・レノンの「#9 Dream(邦題:夢の夢)」が68位でチャート・デビューをしていた。  

Written by Paul Sexton



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