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“見事なまでに圧倒的なアルバム” エルトン・ジョンの『Tumbleweed Connection』

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1971年1月16日付の全英チャートを見ると、初登場アルバムがなかなかの名作揃いだったことがわかる。ジョン・レノンの初めての”ソロ”・アルバムもあれば、ティラノサウルス・レックスから改名後のT・レックスが出した最初のアルバムもある。そしてトップ40の下には、新進歌手エルトン・ジョンの3枚目のアルバム『Tumbleweed Connection(邦題:エルトン・ジョン3)』もあった。

世界的な大スターへの階段を昇りつつあった当時のエルトン・ジョンにとって『Tumbleweed Connection』は重要なステップとなったが、このアルバムは必ずしも正当な評価を受けているわけではない。これが全英アルバム・チャートに初登場してから2週間後、シングル「Your Song(邦題:僕の歌は君の歌)」のおかげでエルトン・ジョンはたちまち人気者になった。しかし当時は、シングルとアルバムのマーケットが別個に考えられがちだった。それゆえ、よくあることではあったが、彼の代表曲となったこのバラードはアルバム『Tumbleweed Connection』に収められていなかった。

Tumbleweed Connection poster

エルトン・ジョンの3枚目のアルバムでは、前作に続いてガス・ダッジョンがプロデューサーを務めている。ガス・ダッジョンを含めた制作チームは、当時既にエルトン・ジョンの作品作りで固定メンバーとなっていた。その顔ぶれは、作詞家のバーニー・トーピン、ギタリストのカレブ・クェイ、ベーシストのディー・マレー、ドラマーのナイジェル・オルソンという面々。またポール・バックマスターも、前作と同じく素晴らしいオーケストラ編曲を手がけていた。さらにバック・コーラスには、売れっ子スタジオ・ミュージシャンのマデリン・ベル(当時は人気グループ、ブルー・ミンクのメンバーでもあった)に加え、ダスティ・スプリングフィールドまで参加していた。

というわけで、『Tumbleweed Connection』はシングル曲がズラリと揃ったアルバムではなかったものの、のちのエルトン・ジョンのファンにしてみれば魅力たっぷりの内容であることは間違いない。優しげな「Come Down In Time(邦題:遅れないでいらっしゃい)」もあるし、ドラマティックな「Where To Now St. Peter? (邦題:聖ペテロよ、私はこれから何処へ)」もある。そしてアルバムの最後は、「Burn Down The Mission(邦題:布教本部を焼き落とせ)」で締めくくられる。また「Love Song(邦題:愛の歌)」はイギリス人シンガー・ソングライターのレスリー・ダンカンが作った魅力的な曲で、アルバム中これだけがエルトン・ジョンとバーニー・トーピンの共作ではなかったが、それでも決して場違いではなかった。

アルバム『Tumbleweed Connection』は発売当時全英チャートで最高6位を記録。のちに再びチャートで順位を上げ、最高2位にまで上がっている。またアメリカでは最高5位を記録し、プラチナ・ディスクになった。サウンズ誌のレコード評で、ペニー・ヴァレンタインは次のように述べていた。「エルトン・ジョンに関しては、ごくごく簡単に褒め言葉を並べることができる。そういう場合、私は罪の意識を感じる――やたらに。とはいえ、こういうアルバムを目の前に置かれたら、実際そうするより他はない。とにかく、これほど見事なまでに圧倒的なアルバムに出くわしたら、ひねくれ根性を発揮すべきではないだろう」。

Written by Paul Sexton



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