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ママス&パパスのキャス・エリオットのソロ・デビュー作『Dream A Little Dream』

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もしママス&パパスの解散が熱心なファンの悲しみの原因だったならば、1968年10月19日は記念すべき日だったはずだ。ママ・キャスとして今も知られるキャス・エリオットが彼女のソロとしてのデビュー・アルバム『Dream A Little Dream(邦題: 私の小さな夢)』をリリースしたからだ。

Dream A Little Dream Of Me

アルバムからの最初のシングルで、ほぼタイトル・トラックともいえる「Dream A Little Dream Of Me(邦題: わたしを夢見て)」は彼女のバンド仲間とレコーディングを行ったものだ。彼らのクラシック・メロディに対する耳は、第二次世界大戦前にまで遡りながら、曲の中にヒットする将来性をも見出していた。「Dream A Little Dream Of Me」はもともと1931年ごろにファビアン・アンドレとウィルバー・シュワントが作曲、ドイツ生まれのガス・カーンによって歌詞がつけられた曲だった。

「Dream A Little Dream Of Me」は最初、ラジオや人気TV番組『オジー&ハリエット/陽気なネルソン』のスターとして活躍し、後にリッキー・ネルソンの父として知られることになるオジー・ネルソンによってレコーディングされた。当時のスタイルで、彼のオーケストラと共に歌った「Dream A Little Dream Of Me」のカヴァー・ヴァージョンはいくつも登場し、中でもウェイン・キング・アンド・ヒズ・オーケストラはこの曲のカバーで1位を獲得している。

Cass Elliot

その後も、1950年代にはフランキー・レインやエラ・フィッツジェラルド、そしてダイナ・ショアといった歌手たちのカヴァーが相次いだ。そしてママス&パパスが1968年に解散するちょうど前、彼らはアルバム『The Papas and the Mamas』のためにその曲をレコーディングして収録している。ダンヒル・レコードはこの曲にヒットの可能性を見出し、キャス・エリオットのソロデビューのシングルとして改めてリリースすることを決定。1968年6月に発売されたシングルは予想通り、アメリカで12位まで上昇、イギリスでも11位に、そして一位を獲得したオーストラリアを含むその他の多くの国ではトップ10入りを果たすヒット曲となった。

このシングルのヒットでアルバム『Dream A Little Dream』の発売がきまり、ロサンゼルスのワリー・ハイダー・スタジオでルー・アドラーとジョン・サイモンのプロデュースによるレコーディングへと繋がった。制作されたアルバムはキャス・エリオットの音楽の好みのように幅広い作品となった。グラハム・ナッシュの書いた 「Burn Your Hatred」、アメリカのチャートで67位に入ったジョン・ハートフォードの書いた2枚目シングル「California Earthquake」といった社会意識の高い曲が採用され、他にはレナード・コーエンや、ザ・バンドのリチャード・マニュエル、フォーク・ライターのサイラス・ファーヤーによる曲も収録された。

アルバムは全米チャートでは惜しくも190位に登場したが、その後10週間連続で87位をキープ、自分の母国でキャス・エリオットの最も高い順位を獲得したソロ・アルバムとなった。

Written by Paul Sexton



キャス・エリオット『Dream a Little Dream of Me – The Music of Mama Cass Elliot』

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