映画『ボヘミアン・ラプソディ』が伝えるクイーンについての10の事実

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クイーンとフレディ・マーキュリーの物語は、人々を魅了してやまないものだった為、それが『ボヘミアン・ラプソディ』として映画化されたのは意外なことではない。バンドの音楽と魅力を前面に出したこの作品は、これまで制作された音楽映画の中で最も魅力的なもののひとつとなった。映画が伝えるクイーンについての10の事実をここで紹介しよう。

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1 : フレディ・マーキュリーの出生名はファルーク・バルサラだった

フレディ・マーキュリーは1946年9月5日に、当時イギリス領だったタンザニアにあるザンジバル島のストーン・タウンで、ファルーク・バルサラとして誕生した。彼の名前を発音するのに苦労していた寄宿学校での同級生達から、彼はフレディというあだ名を付けられた。故郷で革命が起こった1964年に、フレディはイギリスへ移住し、70年代初頭に、苗字をマーキュリーにした。これはパルシー教徒の神話で、真実を告げる伝達者“水星”から採られたと言われている。彼の家族はパルシー教徒であり、ペルシャからの祖先を持つゾロアスター教の信者だった。彼の母ジャー・バルサラは生前、次のように語っていた。「フレディはパルシー教徒で、そのことに誇りを持っていたけれど、特に信仰深かったというわけではありませんでした」。

 

2 : ブライアン・メイとロジャー・テイラーは、スマイルという名のバンドでそのキャリアをスタートさせた

ロジャー・テイラーとブライアン・メイは、クイーン結成以前はスマイルというバンドで活動していたが、3人目のメンバーだったティム・スタッフェルが、より将来性があると見込んだハンピー・ボングへ加入した為に脱退。一方、フレディ・マーキュリーはレッケージというバンドで短期間活動し、サリー州レザーヘッドを拠点とするサワー・ミルク・シーなる4人組バンドのオーディションに落ちた後、1970年5月にロジャー・テイラーとブライアン・メイと合流。その後フレディ・マーキュリーは、クイーンというバンド名を彼らに提案することになる。

 

3 : クイーンのメンバーは全員大学生だった

マーキュリーは1969年6月に、イーリング・カレッジでアートとグラフィック・デザインの修了証書を取得。ブライアン・メイはインペリアル・カレッジ・ロンドンで天文物理学の学位を取得し、同大学で生物学を専攻していたロジャー・テイラーと出会う。ブライアン・メイは後年、スマイルの初期のライヴでステージ脇にいた、“シャイながらも派手な感じ若者”との出会いについて振り返っている。1971年、最後にバンドに加入したのは、電子工学の学位を取得していたジョン・ディーコンだった。

 

4 : クイーンは1974年に、モット・ザ・フープルのサポート・アクトとして全米をツアーで巡った

クイーンは1974年に、アルバム『Queen II』のプロモーションの為にアメリカへ渡り、その数年前にデヴィッド・ボウイの「All the Young Dudes」のカヴァーがヒットを記録していたモット・ザ・フープルの前座としてステージに立った。ブライアン・メイが肝炎にかかりニューヨークで倒れた為、ツアーの途中で降板を余儀なくされたが、モット・ザ・フープルのシンガーのイアン・ハントは、クイーンに好印象を持ち、後日次のように述べている。「クイーンは全ての計画を立てていた。例えば、2年後までにこれこれのレベルまで達していなかったら、もう辞めようと言っていて、実際そうしてやると言っていた通りのことをやってのけたんだ」。

 

5 : 「Bohemian Rhapsody」はウェールズの農場でレコーディングされた

楽曲「Bohemian Rhapsody」は、ウェールズの音楽史上でも特別な存在になっている。レコーディングは1975年8月24日、ウェールズ南東部にあるモンマスシャーのロックフィールドという農園でスタートした。当時のロックフィールドは、宿泊施設やレコーディング・スタジオとして使用出来る納屋のある農園があった。クイーンのプロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーは、当時について次のように述べている。「フレディがロンドンの自宅で、“Bohemian Rhapsody”をピアノで初披露してくれた時のことを覚えている。その後、基本的な要素が出来上がった頃に、ロックフィールドで納得のいくものを突き詰めようとしていたんだ。そうして最初の部分を僕に聴かせながら、“それで、ここにオペラのセクションが入ってくるんだ”と言ったんだ。僕は、そこに何かドラマティックなオペラ・スタイルの文節を想像しなければならなくて、それはロックフィールド滞在期間中にも目まぐるしく変わり続けた。16トラック・テープマシーンを使ったレコーディングには3週間を費やし、180のオーバーダブが使われた。これは当時としては物凄く珍しいことだったんだ」。

 

6 : クイーンはTV番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』で口パクするのが好きではなかった

クイーンが『トップ・オブ・ザ・ポップス』に初登場したのは、1974年2月にデヴィッド・ボウイの代わりに急遽出演した時だった。当時、テレビ番組で生演奏するバンドは非常に稀で、みんなバッキング・トラックに合わせて口パクしていた。クイーンは「Seven Seas Of Rhye」に合わせて口パクさせられ(映像はその後BBCが古いテープの整理中に紛失)、その後、彼等の異議申し立てにも拘らず、「Killer Queen」のプロモーションで再び口パクさせられた。

 

7 : 「Love Of My Life」は、フレディが生涯親しくしていたメアリー・オースティンについて綴られたもの

1975年のアルバム『A Night At The Opera』に収録された甘いバラード「Love Of My Life」は、フレディ・マーキュリーがメアリー・オースティンについて書いたナンバーだ。ふたりは7年間一緒に暮らし、心から愛した唯一の人だとフレディは表現していた。ある日、フレディ・マーキュリーがジャーナリストのデイヴィッド・ウィッグと遺言の話になった時、「全てをメアリー・オースティンと猫たちに遺す」と語っていたそうだ。

 

8: 「We Will Rock You」は、クイーンのライヴ・オーディエンスを参加させる為に生み出された

ブライアン・メイは、1977年にミッドランズで行なわれたライヴで、ファンがサッカーのアンセム「You’ll Never Walk Alone」を歌い出した時、強い衝撃を受けたと言う。「非常に感激したし驚いた。本当に感動的な体験だった。こういう合唱するタイプの曲は、ある意味あの瞬間と繋がっているんじゃないかな」と彼は振り返っている。ブライアン・メイはアンセムを作ろうと思った。クイーンのファンが一緒に歌えるような曲を…。そうして書き上げたのが「We Will Rock You」だった。バンドは、スタジオで、みんなが手を叩き足を踏み鳴らす効果音をオーバーダブした。そうしてヒット曲が誕生した。この曲はアルバム『News Of The World』のオープニング・トラックとなり、その後アルバムはフレディ・マーキュリーの「We Are The Champions」へと続く。

 

9: バンドは「Another One Bites The Dust」にモヤモヤしたものを感じていた

ジョン・ディーコンはシックを聴いて刺激を受け、1980年のナンバー「Another One Bites The Dust」を書くことになったが、ロジャー・テイラーとブライアン・メイはトラックのディスコ色に難色を示した。この曲をアメリカでリリースするよう説得するのに一役買ったのは、マイケル・ジャクソンだった。「“これをリリースしなかったら、みんなどうかしているよ”ってマイケルが言ったんだ。それに対して俺は、“あれは絶対にヒットしないさ”と言ったのを覚えている。とんだ勘違いをしたもんだ!」とロジャー・テイラーは振り返っている。そう、彼はとんでもなく間違っていた。シングルはアメリカで15週に渡りトップ10に留まり、その内の3週間1位に輝き、700万枚以上のセールスを記録した。

 

10: フレディ・マーキュリーが亡くなったのは1991年、45歳の時だった

フレディ・マーキュリーがエイズによる気管支肺炎で亡くなったのは、1991年11月24日、45歳の時だった。ロンドンで執り行われた内輪の火葬式には、エルトン・ジョンが参列し、アレサ・フランクリンが歌う「Precious Lord, Take My Hand(邦題:慕いまつる主なるイエスよ)」と、モンセラート・カバリェが歌う、フレディ・マーキュリーお気に入りのヴェルディのアリア「D’Amor Sull’ali Rosee(邦題:恋はばら色の翼に乗って)」の録音テープが流された。後者のカバリェは、フレディ・マーキュリーが1988年にリリースしたソロ・アルバム『Barcelona』に収録の同名のヒット・シングルでコラボレーションを果たしている。

Written By Martin Chilton


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映画『ボヘミアン・ラプソディ』
配給:20世紀フォックス映画
© 2018 Twentieth Century Fox
映画公式サイト



 

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