ガンズ・アンド・ローゼズのベスト20曲:“世界で最も危険なバンド”の素晴らしき名曲

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Photo: Katarina Benzova ©️ GNR

尺度がコロコロ変わる音楽業界であってもガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)の野放図な生き方は語り草になるほどで、その生き様からたちまち「世界で最も危険なバンド」という称号を彼らは貰ってしまった。だがそうした扇情的な話はしばし脇に置いてほしい。ガンズ・アンド・ローゼズがロックの歴史に他のアーティストには真似のできないステイタスを築けたのは、彼らに幾つもの素晴らしい楽曲があるからで、そしてそれこそが私たちの誰もがアクセルやメンバーたちを愛している理由なのだ。

マルチ・プラチナムに輝いた彼らのデビュー・アルバム『Appetite For Destruction』と、野心あふれる『Use Your Illusion I』および『Use Your Illusion II』のペアは、本物志向の様々なタイプのロック・ファン御用達の作品だが、しばしば見落とされがちな『Chinese Democracy』もなかなかどうして再評価されて然るべき力作だ。

ガンズのオリジナル・メンバー、アクセル・ローズ、スラッシュ、ダフ・マッケイガンによるツアー”Not In This Lifetime…”は、あのアイコニックなミュージシャンたちが、今なお注目を引きつけて止まない本物のロック・バンドの1つである理由にあらためて気付かせてくれた。

ここは敬意を込めて、ガンズ・アンド・ローゼズのベスト20と呼べるであろう楽曲を選んでみた。あなたの予想と違うと思われたなら、是非、記事下のコメント・セクションを通じてご意見を。

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20位「New Rose」

ガンズ・アンド・ローゼズ(以下GNR)の楽曲をあらためて評価するという視点からすれば、1993年のアルバム『The Spaghetti Incident?』は選外ということになるかもしれないが、出色のカヴァー・アルバムである同作に触れないわけにはいかない。

UKサブス、ストゥージズ、プロフェッショナルズといった先駆者的なパンクやハードロック・バンドの楽曲を激しさ全開でカヴァーしたトラックリストは、初期GNRがどんなところから影響を受けていたかを詳らかにしてくれる。秀逸なトラックが並ぶ中でも群を抜いているのがダフ・マッケイガンのヴォーカルをフィーチャーしたダムドの代表曲のカヴァー「New Rose」である。作曲者であるブライアン・ジェームスは、後年、音楽誌”Vive Le Rock”の取材で、このトラックについて以下のように述べている。「俺の知る限り、この曲の最高のカヴァー・ヴァージョンだ」

 

19位「Move To The City」

『Appetite For Destruction』によって一気に世界最高のバンドに登り詰める前の1986年。まだ出帆間もないGNRはその年の終わりに4トラックのEPサンプラー『Live?!*@Like A Suicide』をリリースした。観衆のノイズは1970年代に開催された大規模なロック・フェスティヴァル、”Texas Jam”の歓声をダビングしたもので、厳密には本物のライヴではないものの、極めて限定された形でリリースされたこのEPは大きな噂となりバンドの評判を高めることになった。そしてそこには、イジー・ストラドリンによる、ザ・ローリング・ストーンズ風の名曲「Move To The City」という埋もれた逸品が収録されている。

 

18位「My Michelle」

『Appetite For Destruction』に収録されている「My Michelle」以上にダークなラヴ・ソングを見つけるのは難しい。エルトン・ジョンのエヴァーグリーンなヒット曲「Your Song」の影響を受けたと言われているが、ストリートレベルの暮らしを背景に残酷さを赤裸々に伝えるその歌詞

 Your Daddy works in porno / Now that mommy’s not around
She used to love her heroin, but now she’s underground
お前の親父はポルノで食ってる / ママは家にいない
彼女はヘロイン漬けだった / 今はこの地面の下

そしてアクセル・ローズの曲調に似合う威勢の良いヴォーカルによって、激しいロック・ナンバーのこの曲に牧歌的ムードはほぼない。この曲のヒントになったバンドのメンバーの友人、ミシェル・ヤングは、2014年のクラシック・ロック誌でのインタビューで以下のように語っている。「自分の人生に影響力があるなんて変な気分がします。あの人たちがライヴで演奏するのを見ると本当に凄いなと思うし、最高に特別でクールだとは思うんだけれど、でもあの歌ができた時は……全然嬉しくなかった。そこははっきりと言っておきます」

 

17位「Double Talkin’ Jive」

騒々しいアルバム『Use Your Illusion I』にリズム・ギタリストのイジー・ストラドリンが提供した楽曲の中でも特に隙のない作品が「Double Talkin’ Jive」だ。苛立った雰囲気で、一気呵成の勢いで突っ走るこのロック・ナンバーは、スラッシュの迫力満点のギター・ソロとフェード間際の予想外に繊細なフラメンコ風のパートとでさらに盛り上がりを見せる。「Found a head and an arm in a garbage can」という不気味な歌詞は、当時バンドが作業をしていたスタジオの近くのゴミ箱で、警察によって頭部と腕が発見されたことに由来する。

 

16位「Out Ta Get Me」

『Appetite For Destruction』に収録されている「Out Ta Get Me」を、後にスラッシュは、GNRを代表する「アナーキズム全開の1曲」と評した、これは、GNRのメンバーたちが当局から睨まれていたことに対し、怒りを覚えたアクセルが、その思いを叩きつけた作品だ。

1987年のゲフィン・レコードのプレスリリースで、アクセルは以下のように述べている「何かに押し込められている状況から抜け出したいという思いについての曲だ。親とか教師、聖職者、そういう種類の連中すべてから」。バンドの演奏にもこのアウトサイダー讃歌に相応しく挑みかかるような迫力があり、スラッシュとイジー・ストラドリンは一貫して猛り狂っている。スラッシュが雑誌、ギター・エッジに掲載されたインタビューで以下のように語っている。「イジーの曲はとても発展させやすい。いつもクラシックなラインがあるから、それをバカでかいリフにしてしまえる。それをリッピングしてメインのフレーズにしたんです」

 

15位「Live And Let Die」

ポール&リンダ・マッカートニーによって書かれ、元々はウィングスによってプレイされた「Live And Let Die」は、1973年の同名のジェームズ・ボンド映画『007 死ぬのは奴らだ』のテーマ曲としてよく知られている。だが、『Use Your Illusion I』に収められたGNRのスケール感ある魅力的なトラックはアルバムのクライマックスのひとつで、同曲のカヴァー・ヴァージョンの決定版として広く認識されている。アルバムのセカンド・シングルとしてリリースされ、ビルボード・ホット100のトップ40を記録している。 後の1993年のグラミー賞では、ハード・ロック・パフォーマンス最優秀賞にノミネートされた。

 

14位「You Could Be Mine」

同時にリリースされたボリューム満点の2点の大作『Use Your Illusion I』と『Use Your Illusion II』のトレーラー的な役割を務めたのが、この上なく凶暴なロック・ナンバー「You Could Be Mine」で、GNRの代表作とされる『Appetite For Destruction』のどの収録曲にも引けをとらない作品だ。

大西洋両岸で大ヒットしたことは言うまでもなうが、1991年に最大の興行収入を記録した映画の一つであるジェームズ・キャメロン主演の『ターミネーター2』の主題歌として使用され、世界的に大きな成功を収めた。映画への楽曲の使用の交渉をしたのは『ターミネーター2』の主演俳優アーノルド・シュワルツェネッガーその人で、GNRの面々を個人的に夕食に招き、許諾を得たという。

 

13位「Better」

レコーディング費用は1,300万ドル(約13億円)を超え、完成にほぼ10年を費やした後の2008年にリリースされたGNRの6枚目のアルバム『Chinese Democracy』は、まさにレジェンドと呼ぶに相応しい傑作だ。ガンズのオリジナル・メンバーはもはやアクセル・ローズのみだったが、『Chinese Democracy』は素晴らしさに満ちている。タイトル・トラックをGNR最高の1曲として挙げたいところだが、やはりアルバムの中の最高傑作は間違いなく「Better」だ。

「これぞGNRだと感じるのが“Better”だ。ヴァースでのローズの唸るような歌声は、“Use Your Illusion”のセッション時から漏れ出てきたかのようだ」というローリングストーン誌の批評に全面的に賛同したい。

 

12位「Estranged」

『Use Your Illusion II』に収録されている「Estranged」は、アクセル・ローズがエリン・エヴァリー(「Sweet Child O’ Mine」のインスピレーションをバンドに与えた女性)との結婚生活を解消した後の期間に書かれた、極めてパーソナルな内容の作品だ。

When you’re talking to yourself and nobody’s home
You can fool yourself / You came in this world alone
誰もいない家で独り言をつぶやく
自分で自分に嘘をつく / 初めから一人きりだったんだ

アクセルは自身の孤独や脆さを一切隠すことなく歌っている。9分以上もの長さに及ぶスケール感は、あの有名な「November Rain」に匹敵するものだ。作曲者としてクレジットされているのはアクセルのみだが、印象深く繊細な運指でトラックを彩りを与えるスラッシュのギターが素晴らしい。アクセルも『Use Your Illusion Ⅱ』のクレジット欄で「最高のギター・フレーズ、さすがスラッシュ」と賛辞を送っている。

 

11位「Nightrain」

『Appetite For Destruction』のレコーディング以前、GNRはLAのリハーサルスペースでその日暮らしの共同生活を営んでいた。契約なしという地位の彼らは“ナイトトレイン”という名前の安いが強い酒の発見によって、多少の憂さ晴らしができることを覚えた。そしてそれはすぐに彼らの必需品となった。

その後数週間もない間にこの内臓をも焦がす秘薬がきっかけになって生まれたのが「Nightrain」で、この曲と「Welcome To The Jungle」の2曲によってゲフィンのA&R、トム・ズータウは契約する決意をしたのだった。スラッシュは、その自伝に以下のように綴っている。

「あの曲のヴァースに、俺は即座にクレイジーになってしまうようなリズムを感じるんだ。そのうちバカでかいステージでプレイするようになるんだけど、端から端まで走り回ったりアンプからジャンプしたり、あれをプレイするたびに頭のネジが吹っ飛んだよ」

 

10位「Civil War」

「Civil War」は、GNRの一つの終わりと一つの始まりを象徴する曲だった。「終わり」というのは、1990年の夏の『Use Your Illusion』レコーディング・セッションで最初に制作されたこの曲が、スティーヴン・アドラーにとってバンドとの最後のスタジオ・セッションになったということ。「始まり」といったのは、この「Civil War」から彼らの新章が始まったと言っていいからだ。

ジョン・F・ケネディやマーティン・ルサー・キングといったアメリカを代表する偉人たちの喪失を嘆き、アクセル・ローズが歌う、この不吉な雰囲気の反戦叙事詩で、ガンズは彼らの代名詞とも言えるスリーゾイド(「ゴミ・カス」の意)・ハード・ロックから大きく一歩を踏み出した。この曲を聴くと、バンドがどれほどの野心をもって『Use Your Illusion I』と『Use Your Illusion II』のレコーディングに臨もうとしていたのかがよくわかる。

 

9位「Don’t Cry」

『Use Your Illusion』から壮大なスケールのバラードをもう1曲。「Don’t Cry」は、『Appetite For Destruction』よりも以前に書かれた作品だが、GNRの伝説的なデビュー・アルバムにポップな要素を加えるには「Sweet Child O’ Mine」があれば十分だという理由から、一旦お蔵入りすることになった。

アクセル・ローズはこの曲を大変気に入っており、最終的にグループは『Use Your Illusion』のレコーディング時に2ヴァージョンを録音。『I』、『II』にそれぞれ異なったヴァージョンを収録している。『Use Your Illusion I』に収録されたシングル・ヴァージョンが一般的に正式版のテイクと見なされているが、若干の歌詞の違いを除けば両者に大きな違いはない。次第に盛り上がりを見せ、スラッシュの時代を超越したソロによって次第に盛り上がっていく秀逸なラヴ・ソングだ。

 

8位「Mr. Brownstone」

知っていることを書くのが物書きの仕事であるからここに書き記すが、1980年代後半から1990年代前半にかけてのGNRのラインナップは“ミスター・ブラウンストーン”とあまりにも親密だった。ブラウンストーンとは、ヘロインおよび地元の有名な薬物ディーラーの俗称である。この曲ならではの魅力のひとつが、薬物の使用に関して、赤裸々に歌った歌詞

Used to do a little, but a little wouldn’t do it
So, the little got more and more
昔はほんの少しだけだったが  もう少しじゃ効かない
その少しがもっともっとと増えていく

にあることは否定できないが、ともあれ、スティーヴン・アドラーの奏でるボ・ディドリー風のビートがリードする、この暴力的でブルージーなハード・ロック・ナンバーは、『Appetite For Destruction』にあっても際立った楽曲に仕上がっている。

 

7位「Paradise City」

GNRの歴史を彩る破天荒なストーリーのせいで忘れられがちだが、グループのキャリアの初期にはメンバーは親密な関係にあり、その良好な関係の中で、やがてクラシックと呼ばれることになる作品の多くを生み出している。

その実例のひとつとして取り上げたいのが「Paradise City」だ。一聴してそれとわかる、GNRならではの陽気なロック・アンセムのひとつだ。サンフランシスコからLAに戻るヴァンの中でメンバー全員で書き上げた曲だというこの「Paradise City」は、『Appetite For Destruction』からの4枚目のシングルに選ばれ、英米両国のチャートでトップ10入りを果たすヒットを記録。彼らのコンサートではほぼ例外なくクライマックスに取り上げられてきた。スラッシュは、自身のオールタイム・フェイバリットにこの曲を挙げている。

 

6位「Patience」

1988年の『GN’R Lies』は、『Appetite For Destruction』に続き、いわば穴埋め的にリリースされたイレギュラーな作品だが、それでもなおプラチナム・アルバムに認定される成功を収めた。表面にEP『Live?!*@ Like A Suicide』、裏面に4曲の新録アコースティック作品を収録したこのEPは、実際、聴きどころの多い作品で、とりわけ「Patience」はすばらしい。

イジー・ストラドリンによって書かれたこの印象深いバラードは、1989年にシングルとしてリリースされ、アメリカでトップ5ヒットを記録しているが、そうした実績とは別に、彼らの最高傑作のひとつに挙げられよう。オリジナルのステレオ・ヴァージョンではアコースティック・ギターがフィーチャーされているが、ステージではエレクトリック・ギターを使用したヴァージョンが定番になっている。

 

5位「It’s So Easy」

『Appetite For Destruction』からの最初のシングルのリード・トラックに選ばれた「It’s So Easy」は、典型的なGNR流のロック・ナンバーで、ダフ・マッケイガンが、彼の隣人でほかのメンバーとも交流のあったギタリスト、ウェスト・アーキーンの協力を得て書き上げている。

驚いたことに、当初の曲はカントリー・スタイルの曲で、それを「イギー・ポップ風の」ラディカルな曲に変身させたと後にアクセル・ローズは語っている。歌詞は、多くのガールフレンドのサポートを得て窮状を凌いでいた初期のグループの状況を歌ったものになっている。「俺たち全員が貧乏暮らしをしていたころのことだよ」と、1987年のゲフィン・レコードのプレスリリースにマッケイガンのコメントが引用されている。「カネはなかったけど、女の子や追っかけみたいのが大勢いて、連中のおかげでなんとかなっていたんだ。まったくノンキなものだった」

 

4位「Rocket Queen」

「Sweet Child O’ Mine」は別として、『Appetite For Destruction』に収録された殆どの曲はハリウッドの醜くダークな裏面をテーマにしている。しかし、GNRの初期に、彼らに尽くしたふたりの女性について歌った「Rocket Queen」は、アルバムの最後にわずかながら明るい要素をもたらしている。

この曲のタイトルは、その女性たちのうちのひとり、バービー・フォン・グリーフが彼女自身のバンドに付けようとしていた名前に由来する。バービー・フォン・グリーフは後に以下のように語っている。「彼らは完全な負け組だった。そしていつだってやんちゃだった。だけどだからこそ、私たちはバンドに成功してほしいと思っていた」。「Rocket Queen」は、出だしこそ威勢のいいチンピラ風の典型的なGNRロックだが、2番目のセクションに入ると深みを増し、GNRの持つ多彩さとソウルフルな魅力を感じることができる。

 

3位「Sweet Child O’ Mine」

GNRの伝説的な初期の曲の多くと同様に、彼らの代表的なヒット曲「Sweet Child O’ Mine」は、バンドが共同生活をしていたサンセットストリップの家でジャム・セッションをしていた際、一瞬の閃きをきっかけに一気に完成した曲だ。アクセル・ローズが乗せた歌詞は、彼の当時のガールフレンドだったエリン・エヴァリーのために書いた詩をもとにしたもので、ほかに例がないほど愛情に溢れたものだった。

できあがった曲は、『Appetite For Destruction』のプロデューサーであるマイク・クリンクとともにレコーディングされている。Q誌のインタビューで、そのクリンクはこの曲について以下のように語っている。「あの曲を聴いて両腕の毛が残らず逆立った。本当に信じられませんでした」

GNRのトレードマークと言えばテストステロン全開のロックン・ロールだが、彼らの詩的で繊細なセンスもそれに劣らず魅力的なのだ。ラジオ向きの親しみやすさを備えた「Sweet Child O ‘Mine」は、GNRの、アメリカにおける唯一のナンバー・ワン・ヒットになり、以降キャリー・アンダーウッド、シェリル・クロウブラック・アイド・ピーズほかさまざまなアーティストたちによってカヴァーされてきた。

 

2位「November Rain」

しばしば「アクセル版“Bohemian Rhapsody”」と呼ばれる名曲「November Rain」は、GNRのフロントマンの渾身の傑作と呼ぶにふさわしい1曲だ。

『Appetite For Destruction』のレコーディングが始まる以前、1983年にデモ・レコーディングが行われたと伝えられるこの曲は、1991年9月に豪華なストリングスとグランドピアノをまとって誕生し、『Use Your Illusion I』の中核を成すトラックになった。

しかし、「November Rain」がロック史に残るパワー・バラードとして評価を確立したのは1992年2月にシングルとしてリリースされた時だ。およそ100万ドル(約1億円)とされる膨大な予算を投じた壮大なプロモーション・ビデオも一助となり、およそ9分の長尺であるにもかかわらず、英米のヒット・チャートにランク・イン。最終的にアメリカで3位、イギリスで4位を記録し、GNRにとって「Sweet Child O’ Mine」以来最も成功したシングルになっている。

 

1位「Welcome To The Jungle」

なめらかなグルーヴ、切りつけてくるようなギター、アクセル・ローズの威嚇的なヴォーカル……。

『Appetite For Destruction』のオープニングトラック「Welcome To The Jungle」には、GNR固有の魅力が残らず詰まっている。インディアナ州出身の”田舎者”のアクセル・ローズがロサンゼルスという大都市を初めて体験するという今では有名な、この曲のプロモーション・ビデオがMTVでヘヴィ・ローテーションになったことも追い風になり、アルバム『Appetite For Destruction』はリリースから1年を経てアメリカで首位を獲得。グループは一躍脚光を浴び、名声を得た。そういう意味で、この曲は彼らのキャリアにきわめて重要な役割を果たしている。

「Welcome To The Jungle」には、「Sweet Child O’ Mine」にあるような聴き手を選ばないキャッチーな要素や、「November Rain」のような壮麗さは感じられないかもしれない。しかし、グループの魅力の重要な要素である予測不能な危うさと鋭さを備えた曲をひとつ選ぶとすれば、それらをわずか4分に集約したこの曲以外には考えられない。

 

Written By Tim Peacock



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