1972年に発売されたアルバム・ベスト63:50年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】

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Photo: Ron Howard/Redferns

1972年に発売された傑作アルバムの中には、音楽史に残る不朽の名作がいくつも並んでいる。この年、ザ・ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、カーティス・メイフィールド、スティーヴィー・ワンダー、そしてエルトン・ジョンといった顔ぶれがそれぞれ世界的に人気を博すアルバムをリリースした (スティーヴィーに至っては、そんな作品を2枚も発表している)。

また、アレサ・フランクリン、アル・グリーン、ザ・ステイプル・シンガーズもそれぞれのキャリア最高傑作に数えられる作品を残している。要するに、以下のランキングは聴き手を選ばないものになったというわけだ。あなたがまだ知らない (あるいは馴染みのある) お気に入りのアルバムを是非見つけてほしい。もしリストにないものがあれば是非記事末尾にてコメントください。

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63位:ザ・ビーチ・ボーイズ『Carl and the Passions – “So Tough”』

1970年代にリリースされたこのアルバムのサウンドに、いわゆる“ザ・ビーチ・ボーイズらしさ”はあまり感じられなかった。それでもなお、本作が彼らの輝かしいディスコグラフィにあって重要な位置を占める作品であることに変わりはない。

 

62位: ザ・ドゥービー・ブラザーズ『Toulouse Street』

時を越えて愛される「Listen to the Music」を収録した、ザ・ドゥービー・ブラザーズのセカンド・アルバム。本作から彼ら独自のサウンドが確立されていった。

 

61位: ウィッシュボーン・アッシュ『Argus (百眼の巨人アーガス)』

ウィッシュボーン・アッシュは、ツイン・リード・ギターをいち早く採用したバンドだ。その点も功を奏し、本作からは複雑なハード・ロックとプログレッシヴ・ロックの輝きが感じられる。

 

60位: タウンズ・ヴァン・ザント『The Late Great Townes Van Zandt』

1972年にリリースされた『The Late Great Townes Van Zandt』は、あの「Pancho and Lefty (パンチョは左きき)」を収録した初めてのアルバムだ。このアルバムは、このきわめて美しい楽曲が収められているというだけでも本リストに加える価値がある。

 

59位: アネット・ピーコック『I’m The One』

ヴォーカリスト兼ピアニスト、アネット・ピーコックがリリースした『I’m The One』は、サイケデリアとフリー・ジャズの奇妙な旅にリスナーを誘う。彼女のヴォーカルはシャウトから抑揚のない不気味な歌い方まで幅広く、彼女の作り出したサウンドは唯一無二だ。

 

58位: ジョン&ヨーコ/プラスティック・オノ・バンド・ウィズ・エレファンツ・メモリー・アンド・インヴィジブル・ストリングス『Some Time In New York City』

ジョン・レノンとヨーコ・オノのアルバム『Some Time In New York City』は、彼らの音楽の中でも特に政治色が強い作品で、それゆえに今日でも議論の的となっている。

 

57位: ザ・ラズベリーズ『Fresh』

ザ・ラズベリーズのセカンド・アルバムにしてパワー・ポップの秀作。記憶に残るメロディーと魅力的なコーラスを生み出すバンドの才能に磨きがかかっている。

 

56位: ウィリー・コローン&エクトル・ラボー『Crime Pays』

1960年代から1970年代にかけてウィリー・コローンが残した最良の作品の中から、いくつかを取り上げて収録した『Crime Pays』は、彼の作品群においてもエクトル・ラボーとのコラボレーションがとりわけ優れていたことの証左になっている。中でも「Che Che Colé」は必聴の1曲だ。

 

55位: キャット・スティーヴンス『Catch Bull At Four』

シンガー・ソングライターのキャット・スティーヴンスは、この『Catch Bull At Four』を、またもヒット・チャートの1位に送り込んだ。直接的で深い意味を持った収録曲は、リリース当時の人々に強く語りかけるものだった。

 

54位: カーリー・サイモン『No Secrets』

豊かで透きとおるような歌声が魅力のカーリー・サイモンだが、1970年代を象徴するシンガー/ソングライターと称するに彼女以上に相応しいアーティストは稀だろう。愛と失恋の機微を巧みに捉えた「You’re So Vain (うつろな愛)」や「We Have No Secrets」といった楽曲を収録した本作には夢のような雰囲気と悲痛な趣きが感じられる。

 

53位: カトリーヌ・リベロ&アルプ『Paix (平和)』

独創的なヴォーカルと楽曲の複雑な構成が特徴的な、カトリーヌ・リベロ&アルプの『Paix』は不思議な魅力を持ったプログレッシヴ・ロックの傑作だ。浮遊感のあるオルガンと推進力あるリズムが際立つタイトル・トラックや、傑作「Jusqu’a Ce Que La Force De T’Aimer Me Manqu (あなたを愛せなくなるまで)」など、ここで聴けるサウンドは聴き手の心を捉えて離さない。

 

52位: シカゴ『Chicago V』

シカゴはポップ・ミュージックとロックに熟達したジャズの要素を取り入れて1970年代に成功を収めた。『Chicago V』はそんな彼らの最高傑作に数えられるアルバムだ。「State Of The Union (俺たちのアメリカ)」やラジオで大ヒットした「Saturday in the Park」では、さまざまなジャンルが見事に融合されている。

 

51位: クラスター『Cluster II』

前衛的で没入感ある『Cluster II』でドイツ出身のクラスターは、電子音を使った実験的なサウンドを生み出す力を見せつけた。

 

50位: エディ・ケンドリックス『People…Hold On』

ザ・テンプテーションズのメンバーとして披露したファルセットでよく知られるエディ・ケンドリックスは、1970年代初頭からソロ・アルバムをリリースしている。それらの一連の作品の中で、最高傑作の一つと目されているのが、1972年に発表した『People… Hold On』だ。「Someday We’ll Have A Better World」を筆頭に、心のこもったソウル・ミュージックに意味深長な社会批判のメッセージを盛り込んだアルバムだ。

 

49位: フリートウッド・マック『Bare Trees (枯木)』

フリートウッド・マックの6枚目のスタジオ・アルバム『Bare Trees (枯木)』には、「Homeward Bound」や「The Ghost」、「Child Of Mine」といった名曲が収録されている。ヘヴィーなロック調の楽曲から甘く優しい楽曲まで、いずれも生き生きとした歌詞とアレンジが光る作品だ。グループの有名なアルバム群と比較すると過小評価されがちではあるものの、一聴以上の価値は十分にある。

 

48位: マッコイ・タイナー『Sahara』

コルトレーンのサイドマンを務めたこともあるピアニスト/作曲家であるマッコイ・タイナーは、一流のジャズ・ミュージシャンとして長く豊かなキャリアを重ねてきた。複雑な構成と独創的な演奏が際立つ『Sahara』には、タイナーのジャズの改革者としての側面がよく表れている。

 

47位: ハリー・ニルソン『Son of Schmilsson (シュミルソン二世)』

大胆不敵なロック・ナンバー「Take 54」から優しい曲調の「Turn On Your Radio (ラジオをかけろ)」まで、『Son of Schmilsson』ではさまざまなムードやスタイルが表現されている。

 

46位: ホレス・アンディ『Skylarking』

『Skylarking』はホレス・アンディの最高傑作に数えられるアルバムだ。力強いレゲエのグルーヴが、アンディの独特な歌声を引き立てている。

 

45位: J・J・ケイル『Naturally』

『Naturally』はカントリー、ジャズ、ロックといった要素をブルースと品良く折衷したアルバムだ。J・J・ケイルの作り出すほろ苦い名曲が持つ魅力も加わって、同作は一際優れた作品に仕上がっている。

 

44位: サンディ・デニー『Sandy』

彼女の4枚目のアルバムに当たるこの『Sandy』では、サンディ・デニーのユニークで控え目な歌声が豪華なオルガンやブラス隊、スライド・ギターによってさらに引き立てられている。音楽の喜びに溢れた作品だ。

 

43位: ロイ・エアーズ・ユビキティ『He’s Coming』

1970年代を通して発展したジャズ、ファンク、ソウルの密接な関係について語るなら、シンガー/ヴィブラフォン奏者のロイ・エアーズに触れないわけにはいかないだろう。『He’s Coming』には、ファンキーで洗練された「He’s a Superstar」や心地よいシンフォニック・ジャズの傑作「We Live In Brooklyn Baby」といった印象深いトラックが満載されている。

 

42位: モット・ザ・フープル『All the Young Dudes (すべての若き野郎ども) 』

グラム・ロック・ムーヴメントの全盛期にリリースされた『All the Young Dudes』は華やかで、なおかつアンセミックな作品である。

 

41位: ピート・タウンゼント『Who Came First』

ピート・タウンゼント初の公式ソロ・アルバム『Who Came First』は、当時の最先端の機材を揃えた自宅スタジオで音の実験を楽しみながら作られている。そのサウンドは、1972年の優れたアルバム群に名を連ねるにふさわしいものだ。

 

40位: ジョニ・ミッチェル『For the Roses (バラにおくる)』

ジョニが残した名作の数々の中でも、1972年の『For the Roses』は珠玉の楽曲が並ぶ素晴らしい作品だ。美しいサウンドで人気のヒット曲「You Turn Me On, I’m A Radio」を筆頭に一分の隙もないアルバムに仕上がっている。

 

39位: ロッド・スチュワート『Never A Dull Moment』

『Never A Dull Moment』はロッド・スチュワートがフェイセズの仲間との綿密な連携の下で制作したアルバムだった。「True Blue」や「You Wear It Well」といった収録曲に顕著な通り、彼はここでも、ハード・ロックとフォークを見事に融和させている。

 

38位: トッド・ラングレン『Something / Anything?』

トッド・ラングレンの最高傑作と言っていいだろうこの『Something / Anything?』で、彼は複雑なポップ・ソングを作り上げる卓越した才能を十二分に発揮している。

 

37位: アリス・クーパー『School’s Out』

『School’s Out』は、秀逸なリフと印象的な楽曲の数々を特徴としたラウドで賑々しいアルバムだ。物語調で、いささか芝居がかった「Guttercats vs The Jets (ガター・キャット対ジェッツ)」に象徴される通り、これはロックン・ロールが持つ熱狂的な精神性の核心に迫った作品なのだ。

 

36位: カエターノ・ヴェローゾ『Transa』

『Transa』には、ブラジル出身の巨匠カエターノ・ヴェローゾによる心地よく、優しい楽曲がぎっしり詰め込まれている。ここでヴェローゾは、英語とポルトガル語を自在に操る表情豊かな歌声で、「You Don’t Know Me (君は僕を知らない)」や「It’s a Long Way (長き道のり)」といった楽曲に輝きを与えている。

 

35位: フランク・ザッパ『The Grand Wazoo』

『The Grand Wazoo』は、フランク・ザッパならではの非凡で風変わりなスタイルによって制作されている。ロックからアヴァンギャルド・ジャズなどに至るまで、さまざまなジャンルを自由に行き来するアルバムだ。

 

34位: ジャクソン・ブラウン『Jackson Browne (ジャクソン・ブラウン・ファースト)』

ジャクソン・ブラウンが自らの名を冠した本作は、並外れたデビュー・アルバムである。無駄を削ぎ落として、真摯な気持ちを込めたブラウンの楽曲は、ひとたび耳にしたら二度と忘れることはないだろう。

 

33位: ブラック・サバス『Vol. 4 (ブラック・サバス4)』

その作品群でヘヴィ・メタルというジャンルを確立した先駆者であるブラック・サバスの4作目のアルバム。ドラマティックなロック・ナンバー「Wheels Of Confusion」から「Snowblind」まで、神秘的なムードを湛えた、ブルージーなハード・ロックの模範ともいうべき楽曲がいくつも収録されている。

 

32位: ニール・ダイアモンド『Hot August Night』

ニール・ダイアモンドの魅力を余すところなく捉えた、楽しく、躍動感漲るライヴ・アルバムだ。「Cherry, Cherry」や「Sweet Caroline」などの人気曲を筆頭に、ここで聴ける彼のパフォーマンスは聴き手の胸を熱く躍らせる。

 

31位: ニッティー・グリッティー・ダート・バンド『Will The Circle Be Unbroken (永遠の絆)』

熱意のこもった演奏と高らかなコーラス・ワークが光る『Will The Circle Be Unbroken』は、聴き手にブルース、ゴスペルとカントリー・ミュージックの親和性の高さを改めて印象付ける。

 

30位: ザ・テンプテーションズ『All Directions』

ザ・テンプテーションズの名盤のハイライトが「Papa Was A Rolling Stone」であることは言を俟たないが、ここで聴けるノーマン・ホイットフィールドがプロデュースしたサイケデリック・ソウル・ナンバーには、もっと語られて然るべき名曲がいくつも含まれている。

 

29位: チック・コリア『Return To Forever』

チック・コリアの『Return To Forever』は、フュージョンというジャズの派生ジャンルにおける記念碑的な作品であり、ジャズの進化の歴史にとって大きな一歩だった。フローラ・プリムの卓越したヴォーカルや、相互に絡み合うようなバンドのダイナミックな演奏も相まって、さまざまな音楽の影響が混在した多様性に富んだ傑作に仕上がっている。

 

28位: アーチー・シェップ『Attica Blues』

『Attica Blues』は、ジャズの革新者として名高いアーチー・シェップのキャリアを代表する作品として、リリースから数十年を経た今も、なお高く評価されている。ビッグ・バンド、ソウル、フリー・ジャズといったジャンルを横断し、それぞれから良いものを取り入れた作品だ。それに加えて社会への問題提起も織り込まれており、熱狂的で過激だった当時の時代精神が投影されている。

 

27位: テリー・キャリアー『What Color Is Love』

「What Color Is Love」や、およそ9分に亘って展開される大作「Dancing Girl」といったトラックを含むこのアルバムで、テリー・キャリアーは、フォークとソウル・ミュージックを折衷することで、革新的で美しいサウンドを生み出している。

 

26位: オールマン・ブラザーズ・バンド『Eat A Peach』

不朽の名曲「Melissa」が収録されている『Eat A Peach』はデュアン・オールマンの参加した最後のアルバムになった。1970年代に活躍したギタリストの中でも指折りの才能に恵まれたギタリストに捧げられた美しい追悼作だ。

 

25位: ジェネシス『Foxtrot』

「Watch of the Skies」等々の名曲から成る『Foxtrot』は、野心的で驚くほどに複雑なアルバムであり、ジェネシスが1970年代に残した一連のアルバムの中でもとりわけ重要な作品に数えられよう。

 

24位: ノイ!『Neu!』

ドイツのエクスペリメンタル・バンド、ノイ!のデビュー作で、ドライヴ感あるリズムと自由な音楽的アプローチが大きな特徴になっていた。1972年にリリースされた作品にあってもとりわけ聴き手を魅了するアルバムの一つであり、そのサウンドはステレオラブやトータスといったバンドにも多大な影響を及ぼした。

 

23位: ザ・ステイプル・シンガーズ『Be Altitude: Respect Yourself』

ザ・ステイプル・シンガーズの1972年のアルバム『Be Altitude: Respect Yourself』の最大の聴きどころはグループの代表曲である「I’ll Take You There」と「Respect Yourself」ということになるが、この秀作には、ほかにも一緒に歌い、踊り出したくなるキャッチーな楽曲が数多く収録されている。

 

22位: ジェスロ・タル『Thick As A Brick (ジェラルドの汚れなき世界)』

ジェスロ・タルの『Thick As A Brick』は、1972年にリリースされたロック・アルバムの中でも群を抜いて複雑で、野心的な作品に挙げられよう。これを聴けば、目も眩むような音楽の旅に深く没入することができる。

 

21位: カーペンターズ『A Song For You』

メランコリックなポップ・ソングが満載された『A Song For You』は1972年にリリースされたアルバムの中でも特に際立った作品だ。カレン・カーペンターは、「Bless The Beasts And The Children (動物と子供たちの詩)」やレオン・ラッセルの「A Song For You」の見事なカヴァー・ヴァージョンで、の歌声の魅力と幅広い表現力を存分に発揮している。

 

20位: チャック・ベリー『The London Chuck Berry Sessions』

当時すでに20年近いキャリアを重ねていたチャック・ベリーだが、この『The London Chuck Berry Sessions』でもノリにノッている。ファンキーで抑制の効いたグルーヴを伴ったオープニング・トラック「Let’s Boogie」からアルバムをにぎやかに締め括る「Johnny B. Goode」まで、極上のパフォーマンスが目白押しだ。

 

19位: カン『Ege Bamyasi』

『Ege Bamyasi』はドイツのグループ、カンの3作目のアルバムだ。ここで聴けるのは、大胆で革新的で、風変わりな音楽だが、中でも喜びに溢れた「One More Night」、そしてヒップ・ホップの原型ともいうべき軽快なグルーヴ感を伴った「Vitamin C.」は際立っている。

 

18位: スティーリー・ダン『Can’t Buy A Thrill』

『Can’t Buy A Thrill』は多種多様な作品が並ぶスティーリー・ダンのディスコグラフィにあっても際立ったタイトルの一つだ。ジャズとロックを折衷したユニークな楽曲が並んでいるが、シングル・カットされ、大ヒットした「Do It Again」と「Reelin’ In The Years」の2曲が収録されているということだけで、不朽の傑作とされる資格は十分にある。

 

17位: ルー・リード『Transformer』

『Transformer』は、かつてヴェルヴェット・アンダーグラウンドのフロントマンを務めていたルー・リードがリリースしたソロ・アルバムの中でも、特に評価の高い作品の一つだ。ここで聴ける「Vicious」や「Satellite of Love」や「Perfect Day」といった楽曲は、ロック・ミュージックの世界で、リード以上に巧みに聴き手の感情に訴えかけることのできるソングライターはめったにいないということを証明している。

 

16位: ビッグ・スター『#1 Record』

『#1 Record』は、何より、アレックス・チルトンとクリス・ベルという二人のソングライターの強力な楽曲がすばらしい1枚だ。「The Ballad Of El Goodo」に代表されるほろ苦いトラックと、「When My Baby’s Beside Me」を筆頭とする陽気なロック・ナンバーから成るこのアルバムも、1970年代のロックの真髄が記録されたアルバムの一つに挙げられよう。

 

15位: ロキシー・ミュージック『Roxy Music』

イギリスのアート・ロック・バンド、ロキシー・ミュージックが1972年にリリースした驚くべきデビュー・アルバム。同年リリースのどのアルバムにも劣らないほど大胆でドラマティックな本作は、ブライアン・フェリーによるドラマティックなヴォーカル、ブライアン・イーノの魅力的な電子サウンド等によって成功を収めた。

 

14位: ニック・ドレイク『Pink Moon』

ニック・ドレイクは同世代のシンガー・ソングライターの中でもとりわけ才能に恵まれたアーティストの一人だった。「Pink Moon」や「Things Behind The Sun」といった哀感に満ちた自作曲を、情感を込めて披露するドレイクの歌唱は、聴き手にまっすぐに届き、その胸を締め付ける。

 

13位: ミルトン・ナシメント&ロー・ボルジェス『Lô Borges: Clube Da Esquina (街角クラブ~クルービ・ダ・エスキーナ)』

『Lô Borges: Clube Da Esquina』はファンキーで、同時に繊細で深みのあるアルバムだ。ここにはブラジリアン・ミュージックが持つ美しさと力強さがあますところなく表現されている。

 

12位: ヴァリアス・アーティスツ『The Harder They Come』

真にジャマイカン・ミュージックをメインストリームへ押し上げたアルバムを1枚挙げるとするならば、このサウンドトラック・アルバム『The Harder They Come』以外には考えらまい。

 

11位: ディープ・パープル『Machine Head』

「Smoke on the Water」「Highway Star」「Space Truckin’」など、多数のヒット曲を収録したディープ・パープルの『Machine Head』。ハード・ロック黎明期に、このアルバム以上に大きな影響を残したアルバムはあるまい。

 

10位: エルトン・ジョン『Honky Château』

タイトル・トラック「Honky Château」、そして「Rocket Man」を収録した『Honky Château』は、偉大なシンガー・ソングライター、エルトン・ジョンの最高の瞬間を捉えた傑作だ。

 

9位: ニール・ヤング『Harvest』

デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュをゲストに迎えて制作された『Harvest』には「Old Man」や「The Needle and the Damage Done」、「Heart of Gold (孤独の旅路)」といった歴史的な名曲が収録されている。紛れもなく、1972年を代表するアルバムの一つだろう。

 

8位: スティーヴィー・ワンダー『Music Of My Mind (心の詩)』

衝撃的な野心作にして高い完成度を誇る『Music Of My Mind』は最盛期を迎えようとしていたスティーヴィー・ワンダーが生み出した名盤である。ここに収められた「Superwoman」「Where Were You When I Needed You? (輝く太陽)」といったトラックはスティーヴィーの音楽の独創性を広く印象付け、今なお色褪せない名曲として広く親しまれている。

 

7位: マイルス・デイヴィス『On The Corner』

1970年代を通して、マイルス・デイヴィスはジャズの既成概念に囚われない音楽を発表し続けた。ミニマルなファンクのサウンドが特徴的な『On The Corner』は、そんな10年のあいだに彼が残したアルバムの中にあっても、とりわけ先鋭的な意欲作だったと言っていいだろう。

 

6位: アル・グリーン『I’m Still In Love With You』

ロマンティックな恋愛関係を掘り下げ、そこにあるほろ苦い喜びを表現することに長けたアル・グリーンは、ソウル・ミュージックの黄金期に当たる1970年代にあっても特別な存在だった。この『I’m Still In Love With You』は、そんなグリーンの傑作で、「Love & Happiness」や「I’m Glad You’re Mine」等の名曲が収録されている。

 

5位: アレサ・フランクリン『Young, Gifted and Black』

アレサ・フランクリンは1970年代に、同時代の偉大なミュージシャンと肩を並べる存在になった。名曲「Young, Gifted and Black」や「The Long And Winding Road」の魅力的なカヴァー・ヴァージョン、聴き手をじっとしていられない気分にさせるファンキーなヒット曲「Rock Steady」を含む『Young, Gifted and Black』は彼女の最高傑作の一つである。

 

4位: デヴィッド・ボウイ『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars (ジギー・スターダスト)』

デヴィッド・ボウイが1972年に発表した『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars』は、デヴィッド・ボウイのストーリー・テラーとしての魅力が十二分に発揮された傑作であり、史上最も偉大なロック・アルバムの一つである。

 

3位: カーティス・メイフィールド『Superfly』

カーティス・メイフィールドが映画『スーパーフライ』のために制作したこのサウンドトラック・アルバムは、刺激的なアレンジと、街に生きる人たちの有り様の鮮やかな描写を特徴とした驚くべき傑作だ。「I’m Your Pusherman」やタイトル・トラック「Superfly」のようなヴォーカル・ナンバーが物語をより陰影に富んだものにしている。

 

2位: スティーヴィー・ワンダー『Talking Book』

1970年代にスティーヴィー・ワンダーが残したアルバムは傑作揃いだが、この『Talking Book』は、それらの中でも群を抜く1作だ。「You And I (We Can Conquer The World)」のような甘くロマンティックなバラードから、ほろ苦い味わいのジャム・セッション・ナンバー「Tuesday Heartbreak」、記録的な成功を収めたヒット曲「Superstition (迷信)」まで、ここにはさまざまなタイプのトラックが収録されている。1972年、そして以降数十年間のれきしを振り返っても、本作ほど多彩で変化に富み、高い完成度を誇る作品はちょっと思い浮かばない。

 

1位: ザ・ローリング・ストーンズ『Exile On Main St. (メイン・ストリートのならず者)』

1972年にリリースされたこの『Exile On Main St.』こそ、紛れもなく史上最高のロック・アルバムだろう。この上なく美しく猥雑な傑作だ。

Written By Sam Armstrong



ザ・ローリング・ストーンズExile On Main St.
1972年5月12日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music


 

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