『The Miracle』発売にあわせてクイーンの歴史を凝縮した「Was It All Worth It」の新ビデオが公開

Published on

Queen - Photo: Paul Rider/Queen Productions Ltd

2022年11月18日にコレクター・ボックスと2CDのデラックス・ディションが発売となったクイーンのアルバム『The Miracle』。このアルバムの収録曲「Was It All Worth It」の新規作成のミュージック・ビデオが公開となった。

このビデオは、クイーンの映像やスチール写真、最先端のアニメーションを組み合わせて曲のテーマを見事に捉えており、バンドのキャリアにおけるマイルストーンの宝庫から様々な箇所がイースターエッグのように隠されているというコア・ファンへの挑戦にもなっている。

<関連記事>
ロジャー・テイラーの最新ソロ・ライヴ盤が日本でのみ一般発売決定
【全文】ブライアン・メイによる『The Miracle』開封動画
クイーンが8年ぶりの新曲「Face It Alone」を配信

 

「Was It All Worth It」に込められたメッセージ

『The Miracle』のエンディング・トラック「Was It All Worth It」の背後にあるメッセージは、様々に解釈され、熟考されたものであり、今回のビデオには、クイーンのこれまでの数々の歴史的偉業を駆け抜ける映像となっている。6分の長さの「Was It All Worth It」は、クイーンの最も壮大な瞬間のひとつに数えられている。ブライアン・メイはこの曲について、1989年、Sounds誌にて次のように語っていた。

「私たちは思ったんだよ、私達は本当に大げさなことをやっているんだって! それに、歌詞の中にユーモアの要素があるのもいいよね。この曲は自分たちがやってきたことを意識的にコメントしているようなもので、自分たちのことを笑っているんだ。私達はこれを楽しんでいるし、そういうようなものを描くのが好きなんだ。楽しいし、クイーン特有のものだよね」

今回の「Was It All Worth It」のビデオを制作したサイモン・ラプトンは次のようなコメントを寄せている。

「当時“Was It All Worth It”がレコーディングされたとき、その場にいた人たちに聞いたところ、バンドはスタジオでこの曲を作るのに素晴らしい時間を過ごしたそうなんです。アニメーターのジェイク・マクブライドと私は、30年以上の時を経てこの曲のビデオを制作し、ファンの皆さんにクイーンの素晴らしい旅を紹介することができたことを嬉しく思っています。視聴者の皆さんには、私たちが盛り込んだ様々な引用を発見して楽しんでいただければと幸いです」

 

手書きチラシのエピソード

このビデオは、4人のメンバーがロックンロールの中心地ロンドンに辿り着くまでの道筋から始まり、1974年のブレイクのきっかけとなったレインボー・シアターでのライヴ、1977年の『News Of The World』のロボット巨人フランク、1978年の「Bicycle Race」ミュージック・ビデオでの裸のサイクリストなど、バンドが飛び立つまぶしいテレビ映像とともに表現されている。そしてロジャー・テイラーをバンドに迎え入れることになった「求む!新しいロック・バンドの素晴らしいドラマー。ミッチ・ミッチェル、キース・ムーン、ジンジャー・ベイカーみたいに叩ける人。連絡はこちら」という手書きのメンバー募集のチラシも映し出されているが、このチラシについて監督はこう語る。

「このプロジェクトのために、ブライアンに手書きのチラシを書き直してもらえないかと頼んだら、快く引き受けてくれました。だから、このビデオに登場するのは、ブライアン自身が作ったオリジナルの再現なんです」

「Was It All Worth It」のビデオは、クイーンによる80年代の数え切れないハイライトも取り入れられている。1984年の「I Want To Break Free」でのフレディの主婦姿、1985年1月のロック・イン・リオでの記録的なセット、同年夏のライヴ・エイドでの衝撃的なパフォーマンス、最後のマジック・ツアー、映画のサウンドトラック、象徴的なビデオ、女子学生ロジャー、ディストピアの飛行車、魔法の花火のような投射ギター…まさに生きたロックンロールを感じさせるものばかりだ。

この他、ビデオに中に隠された様々なイースターエッグを全て見つけるためには、相当なクイーンの知識が必要なのかもしれない。これからクリスマスにかけて、パブでクイズを楽しむには十分すぎるほどだろう。監督のサイモン・ラプトンはこう語る。

「本当に驚くべきことは、クイーンの物語にはまだまだ多くのことがあって、時間をかけても絞り切れず、『The Miracle』がリリースされた1989年でとりあげるのをやめました。我々が取り上げていないクイーンを象徴するような業績、パフォーマンス、レコーディングはさらに20年分もあるんです!」

バンドの最も魅力的な曲のひとつで、フレディによる「Was It All Worth It」の歌詞「Am I a happy man, or is this sinking sand? / 俺は幸せな男か、それともこの沈む砂か」には、切なさの閃光がある。しかし、この曲が「Yes, it was a worthwhile experience – ha! / そうさ、とても有意義な体験だったよ!」とバンドの正当性を立証して終わるように、今回の新しいビデオもアルバム・スリーブの早回しのモンタージュで、クイーンの英国ロックンロールへの計り知れない貢献をファンに思い出させ、『The Miracle』のボックス・セットや2CDのデラックス・エディションへの興味をそそるものとなっている。

Written By Tim Peacock


クイーン『The Miracle Collector’s Edition』
2022年11月18日発売
国内盤: 5CD/DVD/Blu-ray/LP
国内盤: 2CD
輸入盤: 7inchアナログ
*日本盤には『THE MIRACLE RADIO INTERVIEWS』の訳、映像の字幕付き


ロジャー・テイラー『The Outsider Tour Live』
2022年9月30日発売
日本盤CD:2022年12月21日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Amazon Music



 

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了