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レジェンド・サックス奏者のデイヴィッド・サンボーンが78歳で逝去
レジェンド・サックス奏者のデイヴィッド・サンボーン(David Sanborn)が2024年5月12日に78歳で逝去した。この訃報は彼の公式Xアカウントからの次のような声明によって伝えられた。
「6度のグラミー賞を受賞した国際的に著名なサックス奏者、デイヴィッド・サンボーンの訃報を、悲しく重い気持ちでお伝えします。サンボーン氏は、長きにわたる前立腺がんとの闘病の末、合併症を併発し、5月12日の午後に亡くなりました。サンボーン氏は2018年から前立腺がんと闘病しながらも、つい最近まで通常のコンサート・スケジュールを維持できていました。実際、彼は2025年までコンサートを予定していました。デヴィッド・サンボーンは、現代のポップスやジャズ音楽において影響力の大きい人物でした。彼は“ロックンロールにサックスを取り戻した”と言われています」
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デイヴィッド・サンボーンは、スティーヴィー・ワンダーの1972年のアルバム『Talking Book』に参加し、デヴィッド・ボウイの名曲「Young Americans」で演奏したほか、今は亡きレジェンドたちとツアーを廻るなど、そのキャリアを通じて、スタジオでもステージでも、数えきれないほどの音楽的アイコンと共演してきた。
2022年のニューヨーク・タイムズ紙のインタビューの中で、デイヴィッド・サンボーンは名盤『Talking Book』の制作をこう振り返っている。
「この曲のアイデアをツアー中に一緒に練っていたのを覚えている。サビの “Maybe your baby done made some other plans”とか、曲全体に流れるファンキーな雰囲気も覚えているよ。これらの多くのアイデアは、後に曲として完成されたんだ。サウンドチェックに入ると、彼は座ってグルーヴみたいなものを弾き始める。彼の制作プロセスがどうだったのかはよくわからないけれど、ただ、完成したレコードで聴いたとき、どの曲も馴染みのあるものに聴こえたことだけは覚えているよ」
彼はまた、スティーヴィー・ワンダーとの仕事の直前に、ザ・ローリング・ストーンズとパーティーをした時のエピソードについても回想している。
「初めてのライヴの前夜、ストーンズが僕らをパーティーに招待してくれて、朝の7時か8時くらいまでパーティーをしたんだ。ホテルに戻ったら、ボブ・マーゴレフから電話がかかってきて、“スティーヴィーが君をスタジオに呼んでいる。今すぐ来てくれないか?”と言われたんだ。彼らが新曲を演奏していたので、僕もそれに合わせて少し演奏して感覚を掴もうとしていた。そしてその即興的なリハーサルが終わった後に、僕が“よし、一度通してやってみよう”と言うと、スティーヴィーがインターフォン越しに“いや、いや、それで完璧だ”と言ったんだ。その後、レコードが発売され、そこにはリハーサル中に僕がソロパートを弾きながら曲を学んでいる時の演奏が収められていた。当然、もう一度やり直すチャンスがあれば良かったと思ったけれど、もう後戻りすることはできなかったよ」
デイヴィッド・サンボーンはその生涯を通じて、B.B.キング、ポール・サイモン、キャット・スティーヴンス、ブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、チャカ・カーン、ロン・カーター、ジョージ・ベンソン、ケニー・ロギンス、イーグルス、アレサ・フランクリン、ビリー・ジョエル、ロジャー・ウォーターズ、エリック・クラプトン、ミック・ジャガーなど、多くのミュージシャンと共演した。
Written By Sam Armstrong
スティーヴィー・ワンダー『Talking Book』
1972年10月28日発売
CD&LP / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music
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