モータウンでプロデューサー/作曲家として活躍したクレイ・マクマレーが逝去。その半生を辿る

Published on

ソウル・ミュージック界の名高いプロデューサー、エンジニア、そしてソングライターとして数多くの作品を手掛けたクレイ・マクマレーが2019年9月6日に逝去したことを、米メディア“SoulTracks”が報じた。

クレイ・マクマレーは、1976年に地元のシンガーだったスパイダー・ターナーとタッグを組み、ベン・E・キングの「Stand By Me」をスモーキー・ロビンソンやジャッキー・ウィルソン、デヴィッド・ラフィンといった有名人の物まねをしながら歌うという斬新でユーモア溢れるカヴァーを発表し、当時の音楽業界に一石を投じた。この曲は北米のR&Bとポップ・チャートの上位に入るスマッシュ・ヒットを記録し、スパイダー・ターナーの代表曲となった。

「Stand By Me」での成功後、クレイ・マクマレーはデトロイトにあるレコード販売代理店Arc-Jay-Kayで宣伝マンとして働き、その3年後にモータウンの品質管理部門に雇われたのだが、当時の彼の仕事はレーベルの全レコーディング作品を聴くことだった。

それから2年経も経たないうちに、モータウンでプロデューサーへと昇格したクレイ・マクマレーは、彼がラヴァーン・ウェア、パム・ソーヤーと共作したグラディス・ナイト&ピップスのファースト・シングル「If I Were Your Woman」のプロデュースを手掛ける。

 

この曲は、1971年1月にR&BチャートでNo.1に輝き、翌月にはポップ・チャートでもTOP10入りを果たした。この他にも彼がプロデュースを手掛けた70年代前半から中旬にかけて作品には、フォー・トップスの「You Gotta Have Love In Your Heart」、プライム・カットの「Message To The Ghetto」、ダニー・コックスの「You Can’t Hold Me Back」、カレン・プリーの「Make Love Last Forever」、グラディス・ナイト&ピップスの「If I Were Your Woman」、そしてジミー・ラフィンの「Give You All The Love I’ve Got」などがある。

1972年に行われた米メディア“Disc”のインタビューの中で、グラディス・ナイトは、当時の彼女やピップスと、クレイ・マクマレーとジョニー・ブリストルとの関係性についてこう語っていた。「彼らとはとても素晴らしい関係性を築いているんです。彼らは私たちと同じ目線で向き合ってくれているようで、それがなんだか嬉しいんです。それに今までずっといい仕事をしてくれています」。

クレイ・マクマレーは、プロデューサーやソングライターとして活躍する傍で、“Red Cap Music”という出版会社を設立し、デトロイト拠点のソウル・レーベル“Red Cap Records”の作品に深く関わっていった。

クレイ・マクマレーその輝かしいキャリアの中で、ローズ・ロイス、フォー・トップス、アンディスピューテッド・トゥルース、シュープリームス、テンプテーションズ他、多くのアーティストたちの作品を手掛けた。また、モータウンでのプロデューサー仲間であるノーマン・ホィットフィールドの元で制作に関わった1976年の映画『カー・ウォッシュ 』のサウンドトラックは、グラミー賞「映画スコア」賞を受賞している。

Written By Tim Peacock


MOTOWN 60th ANNIVERSARY MOTOWN ORCHESTRAL CONCERT
モータウン60周年アニバーサリー モータウンオーケストラコンサート

【出演アーティスト】
ジャーメイン・ジャクソン / BJ・ザ・シカゴ・キッド / シャニース / スピーチ(アレステッド・デベロップメント)

【日程/会場】
11月3日(日)開場17:45 / 開演18:30
奈良県:薬師寺大講堂前特設会場

【チケット代】
全席指定15,000円(税込)
※未就学児入場不可
※チケットで薬師寺の白鳳伽藍・玄奘三蔵院伽藍の二ヶ所拝観も可能
(※公演当日限り拝観時間:8:30~17:00受付16:30まで。西塔、食堂除く)

【プレイガイド】
☆チケット一般発売 10月5日(土)予定
https://eplus.jp/motown/



Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了