ボブ・シーガー「American Storm」のオリジナルMVがYouTubeで初公開
「American Storm」は、ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンド(Bob Seger & The Silver Bullet Band)の代表曲のひとつであり、1980年代を象徴する最も独創的なミュージック・ビデオのひとつと評されている。
映画監督ブライアン・デ・パルマが手掛けたそのオリジナル版MV(バンド演奏のみver.)が、MTVでの初オンエアから40年の時を経て、この度公式YouTubeで初公開された。
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1986年、ボブ・シーガーがアルバム『Like A Rock』からの先行シングルとしてリリースした「American Storm」は、当時のアメリカで隆盛していた“ハートランド・ロック”を代表する楽曲として高く評価され、全米ポップ・チャートで13位、ビルボードのメインストリーム・ロック・チャートでは最高2位を記録した。さらに、モーリー・ディーンは2003年に出版した著書『Rock ‘n’ Roll Gold Rush: A Singles Un-cyclopedia』の中で、この曲を“史上最高のロックンロール・ソング38選”の一つに挙げ、ボブ・シーガーの圧倒的な歌唱力をロック史上を代表する偉大なシンガーたちと比較した。
「American Storm」のミュージック・ビデオ制作にあたり、ボブは型破りなアプローチを採用した。1980年代半ばのMTVでは、映画のサウンドトラック曲を宣伝するミュージック・ビデオがあふれており、その多くは映画のシーンとバンドの演奏映像を交互に挿入するという共通のスタイルを採用していた。デュラン・デュランの「A View To A Kill」、ジョン・パーの「St. Elmo’s Fire (Man In Motion)」、ティナ・ターナーの「We Don’t Need Another Hero」などがその代表例だ。
「American Storm」のビデオも同様の構成を採用していたが、ひとつ大きく異なる点があった。それは、映像に登場するシーンが実在する映画のものではなかったということだ。
ボブは、『スカーフェイス』や『キャリー』で知られる映画監督のブライアン・デ・パルマを起用し、スコット・グレン、レスリー・アン・ウォーレン、ジェームズ・ウッズ、モーガン・ブリタニー、ランディ・クエイドが出演する架空のスリラー映画のシーンを制作。その映像に、ジェームズ・ユキチ監督が手掛けたシルヴァー・ブレット・バンドの演奏シーンと組み合わせることで、独自のミュージック・ビデオを作り上げた。
ブライアン・デ・パルマが手がけた映像には、爆発シーンや銃撃による負傷、劇的な対決など、ハリウッド映画さながらの演出がふんだんに盛り込まれており、その完成度の高さから、多くの視聴者は「American Storm」が実際の映画のサウンドトラック曲だと思い込んでいたほどだった。そのヴァージョンは以下からご覧にいただける。
2021年、セントラルフロリダ大学のタイ・マテヨフスキー教授は、とある回顧記事の中で、この作品について「厳密にはサウンドトラック・ビデオではないにもかかわらず、その分野における重要な指標であり、ひとつの到達点でもある」と評している。
あれから40年の時を経て、これまでビデオの実物を所有していなければ見ることのできなかった「American Storm」の映像を、ファンは再び気軽に楽しめるようになった。
Written By Devon Clarke
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