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10ccのケヴィン・ゴドレイが初のソロ・アルバムの曲をメールで募集中

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Photo: Erica Echenberg/Redferns

70年代のチャートを総ナメしていた10ccのオリジナル・メンバーのケヴィン・ゴドレイが、インストの曲をアマチュア・ミュージシャンから募集していることを明らかにした。“音楽的なブラインド・デート”というプロセスを通して、集まった曲のなかから選ばれた10曲は、ケヴィン・ゴドレイが歌詞を書いて歌い、ケヴィンの初のソロ・アルバムとしてリリースされる。(*「ブラインド・デート」とはイギリスの人気番組で、初対面の男女が最初は顔が見ない状態でお見合いをする「ねるとん」的な恋愛番組。司会はシラ・ブラック)

「ありきたりなものは送らないで欲しいね」と彼はお願いしている。「僕は他にはないような構成と音を生きがいにしてるから」。

「Ruder Bullets」や「Cry」といったヒット曲の作曲者が、最もふさわしい候補10曲に歌詞とメロディ、そして最終的なアレンジメントを加えるという。ヒット曲になることを見込んで、出版著作権び作曲に関しては50/50の割合で分配されることになっている。

プレッジミュージックのウェブ・キャンペーンの支援を受けながら、集まった曲は『Muscle Memory』と題されたアルバムに収録されて、2018年にリリースされる。また上記サイトから、£70ポンド (約10,145円)を支払えば、音痴なファンであってもこのレコーディングの一部に参加することができる。その内容は、このアルバムに収録される楽曲をケヴィンと一緒にレコーディングすることが出来て、レコーディング作業の間にはケヴィンによるワークショップにも参加することができるとのことだ。

「今は亡きシラ・ブラックのいない音楽的”ブラインド・デート”さ」、歌詞とメロディをつけて欲しい、というリクエストと共にインスト曲がメールでいきなり送られてきた自身の体験から今回のアルバムを作る意欲が湧いたとケヴィン・ゴドレイは語っている。「これまでにそういうメールを送ってきた人とは会ったことがないけど、この経験はこういう方法でアルバム全部を作ってみるのも面白いかもしれない、っていうアイデアをポジティヴに肯定してくれたんだ」。

ケヴィン・ゴドレイは送られてきた楽曲を聴く“マラソン・リスニング・セッション” なるものを準備中だが、すでに多数のトラックが到着しているようだ。「今のところ、ジャズ、ロックン・ロール、EDM、沢山の異なるスタイルのものがきているようだね」と彼は言う。「中でもエレクトロニカは多い。音楽を作りやすくするデジタル・ソフトの最もやりやすい形だね」。

通常のアルバム制作だとレコーディング最中にバンド・メンバーと討論する必要がでてくるが、今回の方法だとその大変さがない代わりにケヴィンはメールを送った人が誰だかも知らないそうだ。「スカンソープ市に住む10歳の男の子かもしれないし、東京のクラシック作曲家かもしれない」と彼は言う。「本名か偽名かもわからないんだ」。

著作権が50/50の割合できちんと分配されることに魅力を感じたプロフェッショナルなヒット曲の生みの親たちもこの企画に参加しているようだ。「少なくとも1人は著名なミュージシャンが応募してきた。民主的なプロセスだから名前は言えないけど」とケヴィン・ゴドレイは語る。「もしグレアム・グールドマン (元10cc作曲家)が応募してきたとしたら、本名を名乗るはずがないと思うしね」。

1970年代にチャートを賑わしたあとケヴィンは10ccを脱退。その後は映像監督として活躍し、スティングやU2のビデオクリップを監督している。そちらの仕事が充実していたこともあり、このアイデアを思いつくまでアルバムを作るつもりはなかったそうだ。

「僕の本業はドラマーだ。だから僕にインスピレーションを与えるコードや構成を他の人に作ってもらう必要があるんだ。送られてきたステレオ・ミックスを持って、そしてスタジオで楽器と僕のヴォーカルを加えるんだよ」。

「I’m Not In Love」を含むナンバー・ワン・ヒット曲を次々と生み出した10ccを批評家たちはますます高く評価していた。1977年にケヴィン・ゴドレイとロル・クレームはバンドを脱退したが、それはバンドの体制がグレアム・グールドマンとエリック・スチュワートに有利な形になってしまい、自分たちの音楽的な貢献が見落とされていると感じたからである。

ロル・クレームと共に、ケヴィン・ゴドレイはフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「Two Tribes」や、ポリスの「Every Breath You Take(邦題: 見つめていたい)」、そして顔をモーフィングした彼ら自身のデュオ・ソング「Cry」のビデオクリップなど数々の重要な80年代のポップ・ビデオを手がけている。

Written by Tim Peacock



10cc『20th Century Masters: The Millennium Collection – Best of 10cc』

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