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シン・リジィの紙ジャケSHM-CD再発シリーズ第1弾3タイトルが8/29発売
アイルランドが誇る世界的バンド、シン・リジィ(Thin Lizzy)のカタログ作品が紙ジャケット仕様のSHM-CDで世界同時リリースされることが決定した。
その第一弾として、バンドのキャリア初期、デッカ・レーベル時代の1971年の『Thin Lizzy』、1972年の『Shades of a Blue Orphanage』、そして1973年の『Vagabonds of the Western World』の3タイトルが8月29日に発売される(日本は再発売)。
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SHM-CDの“SHM”とは、“Super High Material(高音質素材)”の略称。サイズや重さは通常のCDと変わらないが、実際に再生すると、あるいは製造工程について知ると、その違いがわかる。一般的なポリカーボネートではなく、液晶ディスプレイ用に開発された素材が使われており、データをより高精度に刻むことが可能になる。量よりも質を重視した、専用の組み立てラインで少量生産されるこのディスクは、通常のCDよりも鮮明なサウンドを実現しているのだ。
この音質向上は、初期のシン・リジィ作品を味わううえで大きな恩恵となるだろう。1969年にダブリンで結成されたこのバンドは、フロントマンのフィル・ライノットを中心に、フォーク、ブルース、ハード・ロックなどを融合させた魅力的なロックンロールを展開。その卓越した演奏技術とともに、圧倒的な存在感を放ってきた。
「Look What the Wind Blew In」や「The Rocker」、そして彼らの地元のパブではお馴染みのアイルランド民謡「Whiskey In The Jar」の比類なきカヴァーなどは、まさにスピーカーから飛び出してくるような生々しさで蘇るだろう。とりわけ注目したいのが、ギタリストのエリック・ベルによる刺激と革新性に満ちたギター・プレイだ。
シン・リジィは、これまでにSHM-CD化されてきたポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、クインシー・ジョーンズ、ロキシー・ミュージックといった名だたるアーティストの仲間入りを果たした。
ディスクは紙またはプラスチック製のスリーブに収められ、日本のパッケージならではの帯(オビ)付きで、歌詞・対訳やブックレットも同梱されている。バンドの名盤をコレクションに加える絶好の機会であり、長年聴き続けてきた愛聴盤を新たな音で味わう手段としても、注目のリリースになりそうだ。
Written By Sam Armstrong
シン・リジィ 紙ジャケSHM-CD再発シリーズ第1弾3タイトル
2025年8月29日発売
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