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NETFLIXアニメ『カルマのラップ・ワールド』:リュダクリスが14年間温め続けた人生を肯定する物語

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2021年10月15日からNETFLIXで配信された『カルマのラップ・ワールド』(原題:Karma’s World)。“キッズTV番組”、“子供向けTVアニメーション”とカテゴライズされているこの番組の製作総指揮を、人気ラッパーのリュダクリスが担当していることが話題だ。

過去、4枚の全米1位アルバムを放ち、俳優としても活躍する彼がなぜこの番組を作ったのか? そこに込めた思いとは? 映画ライターの烏山タラさんに解説いただきました。

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Karma's World | Extended Teaser Trailer | Netflix

 

リュダクリスが企画に込めた想い

Netflixの新シリーズ『カルマのラップ・ワールド』は、ラッパーに憧れる10歳のアフリカ系アメリカ人の女の子カルマの日常を軽快なラップとともに綴った全15話のアニメーション。毎回カルマが視聴者に「ねえ 聞いて 何が起きたか話すね」と呼びかけ、誰しも直面する悩みや問題をラップで解決していくキッズ向けコンテンツでありながら、大人にも刺さる要素が詰まった秀逸な作品で、1話約13分と短めの尺が週末のイッキ見にもおすすめのシリーズだ。

本作にはアメリカのヒップホップ界を牽引するMCの一人であり、『ワイルド・スピード』シリーズでは俳優としてもおなじみの“リュダクリス”ことクリス・ブリッジスがプロデューサー兼ソングライターとして参加している。実は本作の主人公のモデルは、彼の実の娘カルマ(現在20歳)であり、彼女の体験をもとにしたストーリーになっている。

本作であえて“リュダクリス”ではなく本名でクレジットされている理由として、「リュダクリスは大人の音楽を作るけれど、クリス・ブリッジスは『カルマのラップ・ワールド』の生みの親である”父親”なんだよ」と別のペルソナであることを米・Entertainment Weeklyのインタビューで強調。

2000年代からヒップホップ界の第一線で活躍し、時にNASやジェイダキスなどのMCとコラボしてきた彼だからこそ、「そのバランスを取り、娘たちにも聴いてもらえるような音楽を提供する義務があるとも思ったんだよね(笑)」と話している。本作ではラッパー/MCとしての一面ではなく、“父親”としての新境地を見せたのだ。

そんな“父”ブリッジスだが、かつてカルマがまだ6歳だった頃、ラッパーを志した彼女に対してこう話したことがあるという。

「音楽をやりたければ、君の世界で起こっていることを話さなければならない、パパは自分の世界で起こっていることを話しているからね」(米・Peopleインタビューより)。

幼少時代の経験が個人の人格を形成するのに大いに役立つと信じる彼は、娘にもその重要性を説き、カルマは父の言葉通り日々直面する出来事を通して得た感情を大切にしてきた。そんな娘の日常にヒントを得ながら、最終的にディズニージュニア(ディズニー・チャンネル)で放送された『ドックはおもちゃドクター』(2012年~2020年)などを手がけた監督ブロナー・オハンロンとNetflixという強力なパートナーとのタッグも実現。ブリッジスはなんと14年もの歳月をかけて本シリーズを完成させたのである。

 

ラップを通して語りになるカルマの“心の声”

そんな彼の意欲作において、ラップが主人公の感情を紡ぐ言語として使われている。音楽と言葉の力で世界を変えたいと願う少女カルマは、日記帳に思いついた詞を記録し、ライム(韻)を踏むのも大の得意。愛情あふれるパパとママと発明好きの弟キーズとともに暮らしている。(ちなみにピクルス・ポテトチップスが大好きな陽気な父コンラッド役を演じているのは、ブリッジス本人!)

ミドルスクールでの友達とのやり取りや、家族間や近所で起こるちょっとしたトラブルなど、誰もが共感する日常を通して、カルマはわき起こる“心の声”をラップで私たち視聴者にエネルギッシュに訴えかけてくる。また、詞を書いたりラップを披露することは彼女にとって自分の心を整理する方法でもあり、第6話で親友のウィンストンとケンカした時は日記帳を開き自分の行動を振り返って、相手の気持ちを尊重できていなかったことに気づいた。10歳にして言葉と音楽が持つ影響力を理解しているカルマについて「彼女は自分よりもずっと大きなアーティストになると信じてる」と米・TV Insiderのインタビューでもブリッジスは太鼓判を押している。

そんな彼女が歌うラップ・ミュージックを手がけたのももちろんブリッジスだが、そこにはアーティストの“リュダクリス”としての才能が存分に発揮されており、毎エピソードの冒頭と終盤にステージの上で繰り広げられる彼女のフリースタイルラップ・シーンはどれもキャッチ―で圧巻。

カルマ役を演じているアーシャ・ブライアントは、ドクター・ドレ―の“最後”と言われているスタジオ・アルバム『Compton』に収録された「Just Another Day」にフィーチャリングで参加したことで知られる期待のラップ・アーティスト。リュダクリスのアルバム『Ludaversal』にもゲスト参加したこともあり、彼とは以前からゆかりのある人物だ。

Question of the Day: Asiahn Bryant (The Voice of Karma) | Karma's World | Netflix

 

マイクとライムを通して”個性”を主張する

第1話でカルマは、珍しい“Karma”(因果応報の法則の意)という名前を友達にいじられたことでショックを受けて、改名を決意する。しかし、父が話してくれた「お前が愛を投げれば愛が戻ってくる」という名前に込められた思いを聞き、いかに自分の名前がユニークかを悟り、それが“個性”であると気づく。

第3話では自分のカーリーヘアを友達に不思議がられ、勝手にさわられたことで「自分の髪はダサいの?」と落ち込む。しかし、この美しい髪こそ黒人女性として受け継がれた大切なものであり、これもカルマの大事な“個性”だと母から教えられる。

さまざまな生徒が通うミドルスクールだからこそ、カルマにとって「フツー」なことも「フツーじゃない」ととられてしまうことは多々ある。日本においてもそれは同じで、子供のうちも大人になってからも他人と違う価値観や見た目に悩むことがあるものだが、そんなモヤモヤをカルマは見事なラップで吹き飛ばす。

個性 大事なスーパーパワー
“ダセェ 笑うな”って言わないと
The things makes us all different is our superpower
And if somebody disagrees you have to say it louder

「どんな“個性”も唯一無二で素晴らしい」。時に言いづらいことも、マイクを手にして韻を踏めば、たちまちカルマの”心の声”として観客に届けることができる。そのことを知っている彼女は、10歳にして立派なMC(microphone controller)だ。

Proud of My Hair 🎶 Music Video 🎶 Karma's World | Netflix

 

否定”ではなく”肯定”するラップ

本シリーズにおけるカルマのラップは、あくまで相手を”肯定”する内容で一貫している。例えば第5話、自分の将来の夢を話す発表会で、カルマは「女がラッパーになれるか」という同級生クラッシュからの心ない言葉に傷つく。しかし、友達の励ましもあり

ダサい考え つぶせ エブリ偏見 そんで大声でさけべ
若いパワー ガールズ・パワー ムーブメントが来る
女の子は無敵!みんなふるえまくる
Crush any competition and demand your attention
So, you better watch out a young movement is coming
Know what you can do anything

とクラスメイトたちに呼びかける。彼女の前向きなラップは彼女自身のみならず、消防士を目指す女の子や、実はオペラ歌手を目指していたクラッシュの夢も“肯定”し、その背中を押した。

Karma's World 🎶 Girls Can Do It! | Musical Sneak Peek

そんなカルマのポジティブなメッセージは、後に彼女が敬愛する伝説のラッパー・レディKまで巻き込み、最終話ではとある大きな成果をあげる。

ブリッジスは、「視聴者には、世界を変えるのに若すぎるということはないということをこの番組から感じ取ってほしい。それを知ってもらいたいんだ。世の中に良いことをすれば、それが返ってくる」ともインタビューで語っている。たった10歳の女の子であっても世界を変えられる。さらに、言葉を紡いで訴えかけるラップという音楽スタイルは、本作におけるこの重要なテーマを届けるのにぴったりの手段なのだ。

 

音楽とラップを通して世界を変える

ブリッジスは、従来の考え方が世界中で変わりつつある多様性やジェンダー平等などのテーマについても本作で意識したという。

実際にカルマが通うミドルスクールには、アフリカ系、アジア系、インド系などあらゆる人種の生徒が通っているのが見受けられるが、これは同じく様々な人種のキャラクター活躍する『ワイルド・スピード』シリーズからヒントを得たとEntertainment Weeklyの記事で認めている。

さらに、カルマはもちろん本作にはラップが得意な女性が多く登場する。これについても米・ヒップホップメディアでのインタビューで「女性や少女だけでなく、音楽業界の他の部分と競争している若い女の子のことを考えると、本作のような作品が登場するのは、最高で完璧なタイミングだと思うよ」と語った。

業界で長いキャリアを積んできた一人のアーティスト、さらにひとりの父親という2つの顔がありながらも、ブリッジスが感じ続けたことは終始一貫している。それは自らの個性や価値観の素晴らしさについて、ポジティブな声を上げ続けることの大切さ。「自分がこのシリーズに取り組んだ理由は、人々が次のリーダーや次の偉大なアーティストになるように刺激し、やる気を起こさせるためなんだ」(英・メトロのインタビューより)。14年もの間熟成を経て、彼のメッセージは今こうして全く新しいアニメーションとなって、世界中の子供たちに届けられている。

Welcome to Karma's World 🎶 Music Video (with Lyrics) 🎶 Netflix

Written By 烏山タラ



『カルマのラップ・ワールド』(原題:Karma’s World)サウンドトラック
2021年10月15日配信
iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



 

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