ザ・キュアー「The Lovecats」:バンドを初の全英TOP10に導いたオルタナティヴな姿勢を貫いた1曲

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The Cure ‘The Lovecats’ artwork - Courtesy: UMG

ザ・キュアー(The Cure)が活動を始めた頃、「Killing An Arab」や「10.15 Saturday Night」に象徴されるポスト・パンク期に、商業的なヒット・シングルを生み出すことなど、彼らの頭にはほとんどなかっただろう。

ロバート・スミスとバンドは、『Three Imaginary Boys』『Seventeen Seconds』といった初期作品を発表しながら、エッジの効いたサウンドと独特の雰囲気を持つライヴやレコーディングを通じて、音楽シーンでの確固たる評価を築くことに重きを置いていた。しかし1983年、「The Lovecats」が全英TOP10入りを果たすことになる。

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それまでシングルを5作連続でチャート入りさせながら、いずれも全英TOP30には届かなかったザ・キュアーだが、シングル市場でも彼らのファン層は着実に広がりつつあった。1983年6月にリリースされた「The Walk」は、全英シングル・チャートで12位を記録し、バンド初のTOP20入りを達成。次なる目標はTOP10だったが、それを実現したのが「The Lovecats」だった。

いかにも型破りなザ・キュアーらしく、「The Lovecats」は通常のスタジオ・アルバムには収録されず、単独シングルとしてリリースされた後、1983年末に発売されたコンピレーション・アルバム『Japanese Whispers』に収められた。同作は、バンドにとって初の全米アルバム・チャート入りを果たした作品でもある。

 

オルタナティヴでありながら、紛れもなくキャッチー

一度聴けば耳に残るキャッチーな楽曲でありながら、オルタナティヴな姿勢を貫いたロバート・スミス作の「The Lovecats」は、1983年10月29日付の全英シングル・チャートに24位で初登場した。

当時の英国では、カルチャー・クラブ、デュラン・デュラン、UB40といった商業的なポップ・サウンドが、デペッシュ・モードやニュー・オーダーらのシンセサイザー・サウンドと共存していた。こうしたヒットの波は、ニュー・ウェイヴ・シーンから登場したアーティストたちにも広がり、ザ・キュアーだけでなく、ザ・ビートルズの「Dear Prudence」カヴァーでTOP10入りを果たしたばかりのスージー・アンド・ザ・バンシーズも、その流れに乗っていた。

「The Lovecats」は、全英チャート初登場から2週目にTOP20入りを果たし、12位に上昇。その後10位まで順位を伸ばし、11月中旬には最高7位を記録した。ザ・キュアーがシングルでこの成績を上回るのは、それから約6年後のこと。1989年に「Lullaby」が全英5位を記録するまで、「The Lovecats」はバンドにとって最高位のシングルであり続けた。

Written By Paul Sexton


ザ・キュアー『Japanese Whispers』
1983年12月6日発売
LP / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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