スティーヴィー・ワンダー「You Haven’t Done Nothin’」:魂を込めて堂々と意見を表明した1曲

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スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)は、力強い政治的メッセージを主張しつつ、その主張をラジオの電波に乗せる術を心得ていた。1974年当時の政治家を軽蔑たっぷりに批判した「You Haven’t Done Nothin’」は、アメリカのR&Bチャートとポップ・チャートの両方で1位を獲得した。

8月3日、スティーヴィーはこの勇気のある見事なシングルをビルボード誌のホット100チャートに送り込んでいる(同曲がソウル・チャートに初めてランクインしたのはその1週間後のことだった)。同じ週のポップ・チャートにはバリー・ホワイトの「Can’t Get Enough Of Your Love, Babe」もランク入りしている。

そして9月になると、スティーヴィーはR&Bチャートでバリーに代わり首位を獲得。これで彼の作品が同チャートで首位を獲得するのは10度目となった。さらに11月になると、「Nothin’」は彼にとって4度目となるポップ・チャート首位獲得曲となった。

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魂(ソウル)は混乱の中

歌詞に目を向けると、この曲には当時の政治体制に対する手厳しい批判があふれていることがわかる。当時のスティーヴィーは、自分の意見を声高にはっきりと表明し始める時期にあった。

この時期のアメリカはウォーターゲート事件で混乱に陥っており、スティーヴィーは明らかにリチャード・ニクソン大統領に対して軽蔑の目を向けていた。「You Haven’t Done Nothin’」のリリースから2週間後、ニクソンは大統領を辞任するところまで追い込まれている。

このシングルを発売した時に、スティーヴィーは「みんなが何でも約束するんだ」と怒りを露わにした。「でも結局、何も実現しない。こちらにもわかるような形で何かをちゃんと成し遂げる人間が出てこない限り、僕は誰にも投票しない……大統領だの何だのは、いつも『できる限りのことをしている』と口にする。そうして何年も何年も、ただ希望だけをばらまくんだよ……もう彼らの嘘にはうんざりしている」。

 

スタジオで催されたパーティー

これは確かに力強い言葉だった。とはいえ彼は、メッセージを単に受け入れやすくするだけでなく、魅惑的で興奮に満ちたものに仕上げる名人だった。推進力に満ちたホーンとシンセを多用したファンクで言葉を包み込み、さらには ―― 誰あろう ―― ジャクソン5によるバック・コーラスという極上の魅力を添えたのである。「[レコーディング中のスタジオには]パーティーのような雰囲気があった」とアソシエイト・プロデューサーのボブ・マーゴレフは語る。「彼らが奏でたハーモニーに、全員がただただ感心していた」。

「You Haven’t Done Nothin’」は、アルバム『Fulfillingness’First Finale(ファースト・フィナーレ)』から第1弾シングルとしてリリースされた。当時のスティーヴィーは着実に実績を積み上げつつあり、このアルバムもまた傑出した作品に仕上がっていた。これはやがて、その年の年間最優秀アルバム賞を含む3つのグラミー賞を受賞している。

Written By Paul Sexton


スティーヴィー・ワンダー 『Fulfillingness’First Finale』
1974年7月22日発売
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スティーヴィー・ワンダー 『Songs In The Key Of Life – The EP』
2026年9月28日発売
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