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ザ・ビートルズ「Oh! Darling」の裏話:10代の頃に夢中だった50年代の作品に対するトリビュート

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Photo © Apple Corps Lt

若きビートルズの面々に影響を与えた1950年代の楽曲に敬意を表した「Oh! Darling」で、彼等は過去を振り返ると共に、自分達がどれだけ遠くへ来たかを示した。


ザ・ビートルズが最後のアルバムを完成させた頃には、彼らのレコーディング歴は7年近くになり、その間に、世界は完全に変わってしまったように見えた。しかし、ポール・マッカートニーが書き上げた「Oh! Darling」には、アルバム『Abbey Road』のどの収録曲よりも、バンドが世界的に知られる遥か以前の時代のルーツがあった。

The Beatles – Oh! Darling (2019 Mix / Audio)

 

未来を見るだけでなく過去も振り返る

1969年は、ザ・ビートルズにとって未来を見据えるだけでなく、過去を振り返る年でもあった。例えば4月9日のフォト・セッション。ポール・マッカートニーは、1958年の結成間もないザ・クオリーメン時代の写真でジョンとジョージと共にお揃いで着ていたステージ衣装を思い起こさせるような、白黒シャツに身を包んでいる。

それから10年が経ち、その間に様々なことが起こった。ザ・ビートルズはまずトゥイッケナム・フォルム・スタジオで、その後は彼らのアップル・スタジオで、バンドにとって最後の年をスタートさせた。元々は、リリースして間もない『White Album』のレコーディングのために1968年のほとんどを費やした費やしたバンドが、1966年以来となるライヴ・パフォーマンスを行なうことだった。当初の計画では、彼等のリハーサル風景、そしてその後のパフォーマンス(クルーズ船を2隻借りて、グループが地中海を渡ってチュニジアの古代円形競技場へ向かうというのがひとつの案だった)をテレビの特別生番組で放送するというものであり、すなわちアルバム『White Album』の特徴でもあったスタジオの細工はなしに、生演奏で披露できる曲を1セット分用意しなければならなかった。

 

“典型的な1955年タイプの曲だ”

当初“ゲット・バック”セッションと呼ばれていた、1969年1月の大半を費やしたこのセッションの2日目に、ポール・マッカートニーは例の白黒シャツ同様に、50年代を彷彿とさせる新曲「Oh! Darling」を披露した。ザ・プラターズやザ・ダイアモンズのロックンロール・バラード・スタイルで書かれたこの曲の初期ヴァージョンで、ジョンとポールは10代の頃に行なった最も古いホーム・レコーディングと同様に(『Anthology 1』の「You’ll Be Mine」のような)、ザ・ダイアモンズの1957年ヒット曲「Little Darlin’」を真似ている。ジョージ・ハリスンの解説通り、“コード構成が非常に良い。典型的な1955年タイプの曲”だった。

ザ・ビートルズは1月中に何度も「Oh! Darling」に取り組んだが(ほぼ完全なヴァージョンが『Anthology 3』に収録)、リンゴが映画製作に専念できるように一連のセッションは終焉を迎えた。しかしその月に披露された多くの楽曲同様に、彼等が完成作品に満足することは決してなかった。

 

“ちょっと力を入れて歌った”

ザ・ビートルズは僅か数週間の内に新たな曲に取り掛かるためにスタジオに戻った。彼らは1969年の2月から8月にかけて、『Abbey Road』収録曲をレコーディング。これが、多くの彼らの傑作が生まれたスタジオが建つ通り名にちなんで名付けられた作品であり、ジョン、ポール、ジョージ、そしてリンゴが一緒に仕事をした最後のアルバムとなった。

4月20日のセッションで、ザ・ビートルズは再び「Oh! Darling」に取り組んだ。全26テイクの内、最後のテイクが1番良い出来だと見なされバッキング・トラックに採用されたが、曲の運命を左右するのはその歌いっぷりだとポール・マッカートニーは確信していた。

バリー・マイルズ作の伝記『Many Years From Now』の中で、彼は詳しく説明している。「僕が特に覚えているのは、ヴォーカルをしっかりやりたい、良いものにしたいという思いだった。だから毎朝レコーディング・セッションで、ハンド・マイクやスタンディング・マイクを使ってみたり、とにかくあらゆる方法で試してみて、最終的にはかなり納得のいくヴォーカルが出来上がりました。ちょっと力を入れて歌った…。いつもはヴォーカルで色々とトライするのも一日で終わらせるので、俺にしては珍しいことですが」

The Beatles – Oh! Darling (Take 4 / Audio)

 

“声帯を引き裂かんばかりの勢い”

エンジニアのジェフ・エメリックがポールの説明を補足する。「僕たちは毎日、50年代スタイルのテープエコーを使って、声帯を引き裂かんばかりの勢いで全力で歌うポール・マッカートニーの素晴らしいパフォーマンスに酔いしれました」

グループが『Abbey Road』に集中的に取り組み、7月と8月の大半を同プロジェクトに割く中、7月23日、アポロ11号の宇宙飛行士達が月から帰還したその日に、ポール・マッカートニーはアルバムから流れるあの並外れたヴォーカルを漸く捉えた。

 

“あれはポールによる素晴らしい曲だ”

ジョン・レノンとジョージ・ハリスンの卓越したバッキング・ヴォーカル等のオーバーダブの作業は、8月いっぱい続いた。完成された曲のスタイルは明らかに、ザ・ビートルズの面々が10代の頃に夢中だった50年代の作品に対するトリビュートであると同時に、彼らがどれだけ遠くまで来たか、そうして何処から来たかを明確にした、禁じ手なしのパフォーマンスだった。

この曲についてジョン・レノンは1980年に、「あれはポールによる素晴らしい曲です」と振り返りつつ、こうジョークを加えた。「僕ならもっと上手くやれたのにとずっと思ってました。あれは彼よりも僕っぽい曲だった。彼が書いたわけだから、もう仕方ない、彼が歌うしかない」。 

Written By Paul McGuinness


『Abbey Road』50周年記念エディション:フィジカル6形態とデジタル配信にて発売

①4枚組スーパー・デラックス・エディション
②2CDデラックス
③1CD
④3LPデラックス・エディション
⑤1LP
⑥カラー1LP
デジタル/ストリーミング
の各フォーマットで発売。

全てのフォーマットの購入はこちらから

The Beatles ABBEY ROAD Anniversary Editions – Unboxing

①スーパー・デラックス・エディション
<3CD + 1ブルーレイ(音源のみ)収録、100p豪華本付ボックス・セット>
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
<輸入国内盤仕様/完全生産盤>
価格:12,800円+税 / SHM-CD仕様

CD1: ジャイルズ・マーティン&サム・オケルによるニュー・ステレオ・ミックス
CD2&CD3: セッションズ/「i Want You」を筆頭に、レコーディングされた日付順に23曲収録
ブルーレイ(音源のみ): ドルビー・アトモス、5.1 サラウンド、ハイレゾ・ステレオ・ミックス

②2CDエディション<期間限定盤>
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
デジパック仕様 / 40ページのブックレット付
価格:3,600円+税 / SHM-CD仕様

CD1: ジャイルズ・マーティン&サム・オケルによるニュー・ステレオ・ミックス
CD2: セッションズ/オリジナルのアルバムの曲順通り収録

③1CD
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
価格:2,600円+税 / SHM-CD仕様

④3LPデラックス・エディション
<直輸入盤仕様/完全生産限定盤>
3枚のLP入り限定盤ボックス・セット / 4枚のインサート付
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
価格:11,000円+税

LP1: ジャイルズ・マーティン&サム・オケルによるニュー・ステレオ・ミックス
LP2&LP3: セッションズ/「アイ・ウォント・ユー」を筆頭に、レコーディングされた日付順に23曲収録

⑤1LP
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
価格:4,000円+税

⑥カラー1LP
限定盤ピクチャーディスク仕様
英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
価格:4,600円+税


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