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ロバート・パーマーの言葉20選:アルバムや楽曲、好きなレコードやコラボについての想い出

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ロバート・パーマー(Robert Palmer)が我々に残した音楽は、今日に至るまで気高く強く響き渡っている。特別な記念日だからではなく、単純に彼のレガシーに敬意を表すべく、uDiscoverは年代に関係なく、20年近くに渡って行われた音楽誌との多数のインタビューから、ロバート・パーマー自らの言葉をもとに、一味違った歴史をご紹介しよう。

引用した言葉は、特定のアルバムや楽曲に関すること、愛する初めてのレコードに関する想い出や音楽を始めた当初のこと、ゲイリー・ニューマン、ミーターズ等々とのコラボレーション、そしてこの偉大なアーティストの人生とスタイルに関する見解だ。

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1. 最初に好きになった曲

「最初に心魅かれた曲はオーティス・レディングの“Respect”だった。それで俺はレコードを集め始めた。スタックス、アトランティック、モータウンとサン・レコードに手紙を書き、スカのシングルをリリースしていたブリティッシュ・レーベルのスーといったものを発見した。半端でなく取り憑かれていたんだ。その結果俺は音楽のムードを追求するようになった。それは当時の人達が夢中だったこととはまるで異なるものだった。他のみんながヤードバーズやチャック・ベリーをプレイしている時に、俺は“Harlem Shuffle”をやっていた」(Playgirl、1977年)

2. 初めてのバンドで嫌だったもの

「ヨークシャーで初めてバンドに参加し、ザ・ムーヴやジミ・ヘンドリックスのオープニングを務めていた頃は本当に嫌だった。“どうしてこの人達はこんな態度を取るのだろう? どんな権利があってあんなことをしているのだろう?”と思ったものさ。それは今でも理解できない」(NME誌、1980年)

3. 情熱

「昔よりも数少ない言葉で、みんなが俺をすぐに理解してくれるようになった。より早く‘ピン’ときてくれる。周りから感じる情熱は俺のプロジェクトに対する情熱にマッチしてきている。求めているものを手にする為の状況を作るのではなく、それがまっすぐこっちへやって来る感じだ…」(Sounds誌、1976年)

4. 歌うことについて

「12年間音楽をプレイしてきていて、いまちょうど頑張っているところだから、間違いを犯したくはないんだ。とにかくじっくりと取り組んでいる。あまりにも危険そうで当てにならないような、俺にはまだ歩む準備が出来ていないような、安易な道があまりにも多くてね。俺は歌うのが好きなんだ。完全に満たされた気持ちを味わえる唯一のことであり、それを台無しにしたくはない」(NME誌、1976年)

5. 『Sneakin’ Sally Through The Alley』

「俺達が『Sneakin’ Sally Through The Alley』を制作していた時、アラン・トゥーサンがスタジオをフラフラしていたんだけど、プロデューサーがスティーヴ・スミスだったんだ。ミーターズは情熱的なバンドで、まるで音楽のパズルみたいにしっかりと絡み合っている。個々のパートを聴くと凄くシンプルに感じるだろう。アフリカンであり、シンコペーションが全てなんだ」(Mojo誌、1994年)

Robert Palmer – Sneakin Sally Thru The Alley

6. バハマの家

「バハマのナッソーに家を購入した。数日後にはそっちへ行くよ。昨年10月にイギリス以外で手に入れた初めての住処だ。ツアーやレコーディングで一か所に続けて1カ月以上滞在したことがなく、自分の歯ブラシをぶら下げる場所がなかったりで、ちょっと苛々し始めていた。分かるだろう。でもナッソーなら海のすぐそばで、熱帯魚を見に出かけることも出来るんだ」(Sounds誌、1976年)

7. どこにでも行ける

「ナッソーに家を購入することも出来れば、飛行機で行ったり来たりすることも可能だ。飛行機で妻を行ったり来たりしてもらうことも、両親に会いに行くことも出来るし、クリスマスに彼等を飛行機で何処へ連れて行くことも出来る。そういうことをするのが俺は凄く好きだし、全ては歌うことが好きだから出来ている。そういうことを俺はとても大切に思っているし、台無しにはしたくないんだ」(NME誌、1976年)

8. バハマの家の利点

「(ナッソーの家は)とても、とても静かで、中立地帯だから競争がなく組織がない場所だ。人々がこっちの立場を確認したりアクセントを聞いたりした後に、ひとつの枠に嵌め込むような、こっちで目にする偽りのくだらない階級から遠ざけてくれる」(Smash Hits誌、1981年)

9. 『Some People Can Do What They Like』について

「このニュー・アルバム(『Some People Can Do What They Like』)は素晴らしい。本当に凄い。このアルバムに凄い自身があるから、誰かがやって来て、俺の作品が凄く好きだと言われ、それできまりの悪い思いをしなくても済むから良い。『どうもありがとう。これが俺の仕事であり、全力を尽くして取り組んでいるんだ。おまけに好きなんだ』と答えられる」(Sounds誌、1976年)

Some People Can Do What They Like

10. アメリカでのヒット

「曲がアメリカのラジオでヒットした。それでこっちへやって来た。自ら何処かへ行っては仕事を作るのではなく、要求に従っただけだ。イギリスへ戻るまでこれだけ時間が掛かったのは、そういう理由があったからだ。俺は自ら呼ばれた場所へ出向く方が好きなんだ。誰かを呼んでは、『俺オーディションに合格した?』などと訊きながら、気に入って貰えたかどうか確かめるようなことは、イギリスでグループに在籍していた時にもうやり尽したよ」(NME誌、1980年)

11. イルカになりたい

「女性と付き合うような感覚で音楽を追い掛けている。最初にリズムを感じる、それからメロディ、そして最後に歌詞。次はイルカになってみたい。彼等は地球上で最もイカした生きものだよね。人よりも知性があって、感覚能力を秘めていているように思われるが、それにも拘わらず日々遊んで過ごしている」(Playgirl、1977年)

12. ヒット曲はいらない

「個人的には、ヒット・レコードを追い求めること自体は無意味だとずっと思ってきた。需要を生み出す為に音楽業界の組織を使うより、徐々に観客を増やしていきながら、自分自身で需要を生み出す方が良い」(Circus、1978年)

13. ジェームス・ジェマーソンについて

「ジェームス・ジェマーソンは、なんて素晴らしい男なのだろう。身長は160cmで、弦を変えたことはなし。そしてレコーディンンぐでよい一節見つけた瞬間には(彼の一節は曲そのものだったから)テイクを止めては、自分に酔いながら、“聴いて!聴いて!見つけたよ!”などと言っていたものさ」(Mojo誌、1994年)

14. どんな場所で演奏したい

「自分で生み出してきた要求に応える為にその場所を訪れプレイしたい。そうやってリアルに観客の反応を感じたい。彼等が拍手するのは単に他の人達がそうしているからではない。俺達は200席のクラブで1晩2回、3晩プレイすることもある。またショウを1晩に1回だけ、3,000人の前で行なって最高に盛り上がる時もある。それぞれの場所によって色々だ」(NME誌、1976年)

Robert Palmer – Sailing Shoes / Hey Julia / Sneakin' Sally Through the Alley – 10/13/1979

15. ゲイリー・ニューマンについて

「約18か月前にライヴ・ショウでゲイリー・ニューマンの曲を3曲やったんだけど、彼はその日お父さんとショウを観に来てくれたんだ。俺達は凄く気が合って、それで俺は…いや、実際に‘彼’が、一緒にやろうと言ってきた。それでそうしたんだ」(NME誌、1980年)

16. 様々なものを取り入れる

「みんな俺のやることが大好きか俺のやることが大嫌いかのどちらかだ。だからこれを速やかに受け入れ、レコードの中身はオーディエンスの反応や、ライヴでの出来、自分がクラブへ行った時に聴きたいものや自宅へ戻ってからプレイしたいと思うものから判断しようと、ある時点から思うようになった。そういうさまざまなものを取り入れ、一緒くたにしようとしている。さもなければ、世間ではなんて言うんだっけ、そう、‘コンセプト’・アルバムか何かに出来て上がってしまうだろうからさ…」(NME誌、1980年)

17. ローウェル・ジョージについて

「ローウェル・ジョージは非常に賢く、シュールなウィットに富んでいて、基本的にワーカホリックだった。昼も夜も、ひたすら音楽を作ることばかりしていた。初めて会ったのはニューオーリンズだったが、すぐに息が合った。最初の数曲の後で、‘いまグループをやっているんだけど、ちょっと来て俺のバンドで一緒に歌うのはどうだ?’と彼が言ってきたんだ。そうして俺はリトル・フィートに合流し、彼等と6カ月ツアーしたのさ」(Mojo誌、1994年)

18. ジャーナリストへの嫌悪

「新聞に載る俺の記事を目にしながら、いつも見惚れちゃってるよ、彼等が何を言っているのか理解出来ないし…ジャーナリストやレコード会社が俺のイメージを作ろうとしているのをみるとね…。ああ、食べ物や服や女性を相手にすることは好きだ…しかしあか抜けていて女たらしだって? 勘弁してくれよ!」(The Face、1983年)

19. マーヴィン・ゲイの音楽

「マーヴィン・ゲイの曲に関して訊かれると、はっきりと答えられなくていつも凄く困ってしまう…。彼が打ち込んでいる時に生み出すあの独特のムードが凄いんだよね。例えばアルバム『I Want You』とか。とにかく最高に楽しい。でもマーヴィン・ゲイがライヴで歌う姿は一度も観に行っていない。彼がシャツを脱ぎ捨てたりするのを観るのが嫌だったからさ」(Q誌、1986年)

I Want You

 

20. クルーザーみたい

「クルーザーみたいだと、マネージャーによく責められる。俺は物事の中をゆっくりと巡回するタイプだと。一方の彼は拳を握り締めながら立ち向かうのを信念としている。でも俺にはそういうプライドはない。唯一信じているのは、誕生と死。その間のことは、前向きに取り組んでいくのみ」(Smash Hits、1981年)

Written By Paul Sexton



 

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