ビーチ・ボーイズの10年ぶりの全米TOP10ヒットアルバム『15 Big Ones』

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マイク・ラヴが「Fun is in, it’s no sin, it’s that time again / 楽しい時が来た、罪なんかじゃない、またこの時がやって来たんだ」と歌うのは、ビーチ・ボーイズのアルバム『15 Big Ones(邦題:偉大なる15年)』からの夏のアンセム「It’s Okay」だ。この曲は1976年8月21日に全米チャート・デビューを果たした。

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ビーチ・ボーイズの『15 Big Ones』はアメリカが独立200周年を祝うなかチャート・デビューを果たした。ビーチ・ボーイズ以外に、アメリカ文化を象徴できるバンドが他に居るだろうか? その2年前にリリースされた『Endless Summer』以来、大衆的な成功を果たしつつ新しい波に乗っていた彼らが、この作品では前進するために過去に戻ったのであった。

別の言い方をすれば、『15 big Ones』は古き良きロックン・ロールの新たなカヴァー集であり、先行シングルだったチャック・ベリーの「Rock’n’ Roll Music」は全米チャート5位を飾り、約10年前にリリースされた「Good Vibration」以来のシングル・チャートでの成功を記録した。

しかしUKでは、76年の夏に『20 Golden Greats』というベスト盤がチャートの首位を飾り、皮肉なことに「Good Vibration」の再発シングルが「Rock’n’Roll Music」を上回ることになった。1966年のクラシックが全英チャート・トップ20に再降臨したのである。

「It’s OK」自体は英国と縁があった。この曲でサックスを務めたのは、長年ビーチ・ボーイズ愛好者でありスタジオ/ソングライティングの黒幕であるロイ・ウッドだ。彼は、自身のソロ以外にもザ・ムーヴ、初期ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)やウィザードで人気を博していた。8月の前半には、NBCテレビによる特番『The Beach Boys : It’s OK』が放送され、全米チャート29位まで駆け上がり『15 Big Ones』はゴールド・ディスクを獲得したのであった。

Written By Paul Sexton




ビーチ・ボーイズ『15 Big Ones』

    

 

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