ガンズ・アンド・ローゼズ「November Rain」の誕生秘話:アクセルが温め続け、時代を超えた名曲

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Axl Rose - Photo: Jeff Kravitz/FilmMagic

「アメリカ史上、最も売れたデビュー・アルバムの後を追うにはどうしたらいいか?」

これは、1987年のデビュー作『Appetite for Destruction』の大成功を受け、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)に投げかけられた質問であった。バンドはこの質問に対して、1991年9月17日、2枚のアルバム『Use Your Illusion I』と『Use Your Illusion II』を同日にリリースすることで答えた。

アクセル・ローズはそんな大胆なことが成功すると思う十分な根拠があった。当時のバンドは創造性豊かな時期であり、そして80年代初頭から温めていた9分のパワーバラード「November Rain」があったのだから。

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エルトン・ジョンからの影響

「November Rain」は、アクセル・ローズの別の側面を世界に示した。この曲で彼は、ロック歌手としての奔放さを捨て、これまで予想もしなかった繊細さを見せたのだ。

音楽的には、70年代半ばのエルトン・ジョンのピアノ・バラードを豪奢にアレンジしたもので、アクセルの情熱的なボーカル、重厚なストリングス・アレンジ、そしてスラッシュのギター・ソロによって、さらにパワーアップさせている。

アクセル・ローズのエルトン・ジョン好きには驚かされた人もいるだろうが、1973年の『Goodbye Yellow Brick Road』の冒頭を飾るエルトンの大作、「Funeral For A Friend/Love Lies Bleeding」が「November Rain」に大きな影響を与えたと考えられている。

エルトンがアクセルに与えた影響は、1994年にエルトン・ジョンがロックの殿堂入りを果たした際、アクセル・ローズが紹介スピーチを行った際、こう発言している。

「自分にとっても他の人にとっても、エルトン・ジョンほどインスピレーションを与えてくれた人はいません…初めて“Bennie And The Jets”を聞いたとき、俺はパフォーマーにならなければならないと思ったのです」

 

アクセルが温め続けた曲

アクセル・ローズは「November Rain」が特別な曲であることをわかっており、正当な評価を得るためには適切な時期まで待つことを決意していた。彼は1988年にローリング・ストーン誌に、この曲が自分にとってどれほど重要であるかをこう語っていた。

「もし適切に録音されなかったら、この業界を辞める」

また、Music Enthusiastのインタビューに応じたガンズ・アンド・ローゼズの創設メンバーでありL.A.ガンズの創設者、トレイシー・ガンズは、アクセルが何年もこの曲に取り組んでいたことを次のように語っている。

「L.A.ガンズのEPを作っていたとき、1983年くらいだったかな? アクセルはピアノで“November Rain”という曲を弾いていたんだ。当時、やつが弾けるのはそれくらいしかなかったけど、その曲はものにしてた。あいつは『いつかこの曲はマジでかっこよくなるんだ』って言ってたよ。そして俺は、『今もクールだぜ』と言ったら『でも、まだ完成してないんだ』って、そんな風にやつはよく言ってたね。ホテルでもどこでも、ピアノが置いてあるところがあれば、あの曲を演奏していたよ。俺が『いつ完成するんだ?』って聞いたら、『どうしたらいいかわからないんだ』って言ってたよ」

2018年に発売された『Appetite for Destruction』のスーパー・デラックス・エディションには、アクセル・ローズの「November Rain」に対するビジョンが1986年時点で既に完全に形成されていたことを示す10分間のピアノ・デモも収録されている。

 

セカンド・アルバムへの収録

また、アクセルはデビュー・アルバムのプロデューサー候補、ナザレスのマニー・チャールトンにこの曲を聴かせた後、「これはセカンド・アルバムのための曲だ」とも言っていた。アクセルが手がけた1つのバージョンは18分にも及ぶものもあったという。最終的に、彼はこの曲を短くし、苦心して書いたアレンジを加え、アルバム『Use Your Illusion I』に収録する準備ができたと判断した。

1987年の『Appetite for Destruction』の翌年、1988年にリリースされたセルフ・タイトルEP『Guns N’ Roses』とミニ・アルバム『G N’ R Lies』に続き、1989年の夏、バンドはセカンド・アルバムの制作に取り掛かった。その際のシカゴでの作曲セッションは特に生産的だったようで、1990年にアクセルはこう語っている。

「イジーは少なくとも8曲を持ち込んだ。スラッシュはアルバム1枚分を持ち込んできた。俺もアルバム1枚分を持ち込んだ。ダフは皆の曲の裏まで知っている。だから、俺たちがお気に入りの曲は35曲くらいあって、それを全部出したかった。だからそう(2枚同時発売を)決意したんだよ」

また、1990年にはKerrang!誌のインタビューでアクセルはこの楽曲についてのこう強調していた。

「本当に豊かな構造で何かを持っていると感じるバラードを書いていて、それぞれの音が正しいかどうか確認しているんだ。多くの楽器を使おうが使うまいが、なるべくミニマリズム(シンプルに)で書こうと思っている。でも、正しい音でなければならないし、正しい方法で、正しい効果を発揮しなければならないんだ」

 

商業的な大成功

2枚のアルバム『Use Your Illusion I』『Use Your Illusion II』は全米アルバムチャート1位と2位を独占し、累計で合わせて1,400万枚以上を売り上げた。この2枚のアルバムに収録された30曲は、バンドが新たに見出した成熟と幅広い音楽性を表現し、ファンもそれを歓迎したのだ。

このアルバムの収録曲「November Rain」はガンズ・アンド・ローゼズのアルバムに中心的な役割を与えただけでなく、シングルとしてリリースされると大ヒットとなり、全米シングルチャートで3位、UKでは4位を獲得した。

このシングルの成功に拍車をかけたのは、史上最も高価で、MTVに最もリクエストされたビデオのひとつでもあったミュージック・ビデオだった。2018年にはこの曲はYouTubeでの再生回数が10億回を突破し、これは2000年以前に発表されたミュージック・ビデオとしては初の快挙だった。

アクセル・ローズが「November Rain」にかけた想いは実を結んだ。彼は、時代を超えたロック・バラードを作り上げたのだ。

Written By Jamie Atkins



「November Rain」収録アルバム
ガンズ・アンド・ローゼズ『Use Your Illusion I』
1991年9月17日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music


映画『ソー:ラブ&サンダー』

2022年7月8日(金)映画館にて公開

アベンジャーズBIG3最後の一人、破天荒な雷神ソーの集大成!

『アベンジャーズ/エンドゲーム』の激闘後、ソーは多くの仲間を失い、戦いを避けるようにガーディアンズと地球を後にしていた。自分探し中の彼に、全宇宙の神々滅亡を誓う“神殺し”のゴアが襲いかかる。

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監督:タイカ・ワイティティ
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公式サイト



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