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”グループらしいダークなサウンドで一杯”と評されたマッシヴ・アタック初の全英1位作『Mezzanine』

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このアルバムを、ローリング・ストーン誌は「見事なまでに生き生きとしたレコード。ここには素晴らしいサウンドと魅惑的なグルーヴが詰まっている」と評した。またQ誌は、「ピアノの音が散りばめられた夢のような音世界。シューシューと摩擦音を立てるビート。映画のような大がかりなストリングス」と形容。ドラウンド・イン・サウンド誌は「このグループらしいダークなサウンドで一杯」と述べ、点数には満点の10点を付けた。1998年5月2日、そのアルバム『Mezzanine』で、マッシヴ・アタックは全英アルバム・チャートの首位を初めて獲得した。

ブリストル出身のマッシヴ・アタックは、その8年前にインディ・グループとしてシングル「Daydreaming」を出し(発売元は「ノー・レーベル」とクレジットされている)、全英チャートのトップ100に初めて顔を見せた。その翌年には、アルバム『Blue Lines』が初めてメインストリームでのヒット作となる。これはトップ10には届かず、最高13位に留まったが、90年代を通して称讃される名盤のひとつとなった。ここからシングル・カットされたシャラ・ネルソンのヴォーカルをフィーチャー「Safe From Harm」も、チャートで存在感を見せた。

続いて1994年に出たアルバム『Protection』も絶賛され、大成功を収めた。ここでも、さまざまなヴォーカリストを起用するというマッシヴ・アタックの基本方針は健在だった。このアルバムでは、エヴリシング・バット・ザ・ガールのトレイシー・ソーンがタイトル曲に参加。また以前マッシヴ・アタックに参加していたトリッキーも再び顔を見せていた(彼は当時既にソロで大成功を収めていた)。『Protection』は全英チャートで最高4位に到達。そして前作と同じように、2年以上もチャートに留まった。こうして『Mezzanine』が登場する前のお膳立ては整った。

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彼らのサード・アルバム『Mezzanine』ではさまざまなアーティストの音源がサンプリングされており、例えばウルトラヴォックス、アイザック・ヘイズヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどのサンプルが使用されている。そしてやはり様々なゲストが起用されており、たとえばコクトー・ツインズのリズ・フレイザー、以前からマッシヴ・アタックのコラボレイターとなっていたレゲエ歌手ホレス・アンディらがヴォーカルを担当している。

好意的なレコード評とメディアからのサポートに支えられ、『Mezzanine』はチャートで初登場1位を記録。ロビー・ウィリアムズの『Life Thru A Lens』を首位から奪うことになった。『Mezzanine』は次の週も1位を維持したあと、さらに3週に渡ってトップ10圏内に留まった。チャート入りの期間は数カ月にも及んでいる。

イギリスでは、『Mezzanine』は発売から5カ月後の9月にプラチナ・ディスクに認定され、翌年の3月には再びトップ40入りを果たした。それからもマッシヴ・アタックの名盤として売れ続け、2013年にはダブル・プラチナ・ディスクに認定されている。

Written by Paul Sexton


マッシヴ・アタック『Mezzanine』


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