「Land Of 1,000 Dances」の歴史:ウィルソン・ピケットをはじめとする多くのカヴァーを生んだ名曲

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Wilson Pickett - Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

「ナ・ナ・ナ・ナ・ナ……」ここまでなら、数々の名曲のイントロを思い浮かべる人もいるだろう。だが、そのまま「ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ・ナ」と歌い続け、さらに念を押すようにもう一度「ナ・ナ・ナ・ナ」を重ねてみよう。

そこへ、しゃがれたソウルフルなリード・ヴォーカルが加われば、あなたはもう「Land Of 1,000 Dances」の世界に足を踏み入れている。

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何度もチャートに入った名曲

1966年7月30日のチャート週、アメリカ中のR&Bファンやポップ・ファンは、まさにそのフレーズを口ずさんでいた。この日、ウィルソン・ピケット(Wilson Pickett)によるアトランティック・レコードからのシングル「Land Of 1,000 Dances」が、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)へ初登場を果たしたのである。

ウィルソンによる熱気あふれるこのヴァージョンは、現在では多くの人にとって決定版として知られている。しかし、「Land Of 1,000 Dances」は実は数奇な歴史を持つ楽曲でもある。ウィルソン・ピケット版以外にも、少なくとも5つの異なる録音がBillboardのポップ・チャート入りを果たしており、多くのアーティストによってカヴァーされてきた名曲なのである。

その中にはファッツ・ドミノによる録音も含まれており、一部の音源のクレジットにはファッツが共作者として記載されている。このクレジットは、同曲の作者であるクリス・ケナーが、この曲を録音してもらう見返りとして彼に与えたものだと言われている。

 

クリス・ケナーのVer.

この曲で最初にチャート入りしたのは、ルイジアナ出身のアーティスト、クリス・ケナー自身によるヴァージョンだった。彼は1961年のヒット曲「I Like It Like That」で広く知られており、「Land Of 1,000 Dances」でも南部らしい濃厚なグルーヴを聴かせている。

ニューオーリンズ・サウンドを代表する名プロデューサー/ソングライターのアラン・トゥーサンがピアノ演奏とアレンジを担当したこのオリジナル・ヴァージョンは、1963年に全米チャート77位まで上昇したが、興味深いことに、この時点では、後に誰もが口ずさむことになる「ナ・ナ・ナ……」のフレーズは、まだ存在していなかった。

 

カンニバル&ザ・ヘッドハンターズ

その後すぐに、ミラクルズ、メジャー・ランス、ルーファス・トーマス、ジョニー・リヴァース、さらにはウォーカー・ブラザーズまで、多くのカヴァーが発表された。だが、あの特徴的なヴォーカルの一節を加えたのは、カリフォルニア出身のラティーノ・ヴォーカル・グループ、カンニバル&ザ・ヘッドハンターズによるヴァージョンだった。

彼らのヴァージョンは1965年に全米シングル・チャートで最高30位を記録し、このキャッチーなコーラスによって、「Land Of 1,000 Dances」に新たな個性を与えた。また同時期に、メキシコ系アメリカ人ロック・バンド、ジ・ミッドナイターズもこの曲を録音し、全米67位を記録している。

 

ウィルソン・ピケットによる決定版

ウィルソン・ピケットが「Land Of 1,000 Dances」を取り上げたのは1966年。それは、彼がアラバマ州マッスル・ショールズのFAME Studiosで行った最初のレコーディング・セッションでもあった。

このセッションには、キーボードのスプーナー・オールダム、ギターのジミー・ジョンソンをはじめとする、マッスル・ショールズ屈指の名プレイヤーたちが参加。彼らの演奏と、ウィルソンの圧倒的なソウル・ヴォーカルが結びつき、この曲の決定版ともいえる力強い録音が生まれた。

そして、彼らのヴァージョンの大ヒットは、FAME Studiosの知名度を高める上で大きな役割を果たし、同スタジオはその後アトランティック・レコードにとってソウル作品を制作する重要拠点となり、さらに多くのロック・アーティストもレコーディングを行う名門スタジオとして知られるようになった。

ウィルソン・ピケットによる「Land Of 1,000 Dances」は、全米ポップ・チャートに76位で初登場し、その後勢いよく順位を上げ、最高6位まで到達。さらに、1週間遅れてランクインしたR&Bチャートでは、1966年9月に1週間にわたって1位を獲得。彼の代表曲のひとつとなる大ヒットとなった。

その後も、エレクトリック・インディアンによる1969年版、J・ガイルズ・バンドによる1983年版がチャート入りしたほか、トム・ジョーンズ、リトル・リチャード、ロイ・オービソン、ティナ・ターナーをはじめ、数十組ものアーティストによる無数のリメイクが生まれている。

Written By Paul Sexton



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