イマジン・ドラゴンズ『Evolve』解説:ツアーを中断し、ヒット曲「Believer」を収録した3rdアルバム

Published on

イマジン・ドラゴンズ(Imagine Dragons)のサード・アルバム『Evolve』の“進化”という意味のタイトルは、簡潔で要点を突いていながら、すべてを物語っていた。

彼らは2012年に、数百万枚のセールスを記録したデビュー・アルバムで『Night Visions』にて鳴り物入りで登場し、2015年に発売して全米1位を記録したセカンド・アルバム『Smoke + Mirrors』でその存在感をさらに上げたが、それからのバンドを確実なものにするため、もっと前進しなければならなかった。

その後、『Smoke + Mirrors』を引っ提げて行われた10カ月に及ぶ長期にわたるワールド・ツアーはバンドを疲労させてしまい、彼らはこのまま活動を続けることはできないと判断して、2016年の初期に休息をとることを決定した。フロントマンのダン・レイノルズは、2017年のMusic Week誌のインタビューで当時のことをこう振り返っている。

「6年近く続けていたツアー生活を離れたのは初めてで、これは必要なことだったと思ったんです。僕らはみんな、いろんな意味で本当に燃え尽きていた。世間も僕らに対して飽きていたと思うから、僕らからも世間に対して休息を与えたかった」

<関連記事>
イマジン・ドラゴンズ、新作アルバム『Mercury: Act I』を9月3日に発売
イマジン・ドラゴンズは瀕死の米ロックを救えるのか?

バンドは完全に活動を休止していたわけではなく、散発的にライヴを行い、2016年公開米映画『パッセンジャー』に「Levitate」を提供し、DCコミック『スーサイド・スクワッド』のサントラにはリル・ウェインやウィズ・カリファらとともに「Sucker for Pain」を制作していた。一度ツアーから離れて必要なエネルギーを充電したことで、ダン・レイノルズが「本当に健康的な頭脳」と呼ぶ状態に戻り、3枚目のアルバムのための豊富なアイデアを蓄えることができた。

 

アルバムの制作と内容

ギタリストのウェイン・サーモンは、2017年7月に米国の出版社Atwoodに次のように語っていた。

「僕らはたくさん書くのが好きだから、すでにたくさんのアイデアを持ってスタジオに来ているんです。だから、あとは曲を選んで、編集して、実際にレコーディングするだけなんだ」

『Smoke + Mirrors』を無限のスリルに満ちたものにした今風のポップ・ミュージックから発展した『Evolve』は、新鮮な雰囲気に溢れ、再びクロスオーバーのヒットとなる可能性を秘めた曲が詰め込まれていた。

スタジアム・ロックに、エレクトロニカを戦略的に取り入れたアルバム『Evolve』には、数多くのヒット曲候補(「Whatever It Takes」「Thunder」、デペッシュ・モード風の「Believer」)が収録されていた一方で、映画的な「I Don’t Know Why」や、クラブ向けの「Dancing In The Dark」など、いくつかの注目すべき楽曲もある。後者には、ニッキー・ミナージュ、ドクター・ドレー、エミネムなどを手がけた共同プロデューサー、アレックス・ダ・キッドが参加している。

ダン・レイノルズの歌詞は、アルバムの主題である変化や再生についても頻繁に言及しており、「Yesterday」の歌詞(Here’s to my future, goodbye to my yesterday! /これが俺たちの未来、昨日にはさよならだ)は、当時のバンドのポジティブさを最もよく表しているものだろう。

実際、後にシンガーがMusic Week誌に語ったように、イマジン・ドラゴンズのサード・アルバムは単なる進化ではなく、むしろ再生、復活であると感じられる。ダン・レイノルズもこう語っている。

「“Evolve”は、いろいろな意味で僕らの到達点だと思う。サウンド的にまとまっていると感じたのは、このアルバムが初めてだし、イマジン・ドラゴンズらしさを表現している。それを見つけるのに何年もかかったけど、その模索している過程も素晴らしかったんです」

 

発売後の反響

バンドが人生を肯定する最高の状態で戻ってきたことに対してファンは歓喜し、チャートでの順位もすぐにそれを証明した。『Evolve』の最初の2曲のシングルである「Believer」と「Thunder」は両曲ともに全米シングルチャートでは4位にランクインし、2017年6月23日にリリースされたアルバムも全米アルバムチャートで2位にランクイン。ツアーを一時離れたあとであってもイマジン・ドラゴンズは世界中でスポットライトを浴び続けることを証明し、NMEによる「80年代風のパワーロックを汲み上げ、そこに巨大なコーラスが炸裂する」といった評価の高いレビューにも助けられ、『Evolve』は発売したあとも長い期間支持されることになった。

イマジン・ドラゴンズは、2017年の9月26日のアリゾナ州フェニックスを皮切りに、このアルバムを引っさげた長期にわたるワールド・ツアーを行い、2018年3月には『Evolve』に収録された「Believer」「Thunder」「Whatever It Takes」「Next To Me」の4つのシングルで、米ビルボードのオルタナティブ・デジタル・ソング・チャートの上位4位を独占した史上初のアーティストとなるという歴史的快挙も成し遂げ、アルバムはマルチプラチナム・セールスを達成した。

既にバンドは、次作である4枚目のアルバム『Origins』の構想を始めていたが、ダン・レイノルズが下記Music Week誌に伝えたように、『Evolve』の制作によって、バンドはリフレッシュされたのだった。

「“Evolve”は本当に楽しいレコードだった。今、俺たちは、自分たちの現状に満足し、自信を持てるところまで来ているんです。自分たちがやってきたこと、イマジン・ドラゴンズが掲げるものに満足しているし、未来に向けてワクワクしています」

Written by Tim Peacock



イマジン・ドラゴンズ『Evolve』
2017年6月23日発売
CD / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music


最新アルバム
イマジン・ドラゴンズ『Mercury: Act I』

2021年9月3日発売
CD&LP / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music




 

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
Exit mobile version