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アリス・クーパー、ジョー・ペリー、ジョニー・デップによるハリウッド・ヴァンパイアーズ

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棺に収められ地下深くに埋められでもしなければアリス・クーパーエアロスミスのジョー・ペリー、そしてジョニー・デップによる新グループ、ハリウッド・ヴァンパイアーズを知らないはずはない。同グループは70年代に存在し、ジョン・レノンやキース・ムーン、ハリー・ネルソンらが所属した同名の飲み会グループに因んで結成された。バンドとそのセルフ・タイトル作は、故人となったもともとのクラブのメンバーだけでなく、時間を追うごとに廃れていく“ロックン・ロール”な生き方の墓碑銘となった。また、悲劇的にも、アルバムの導入でブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を朗読したクリストファー・リーが亡くなり、これが低予算ホラーの伝説であった彼の最後のレコードへの参加となった。

Hollywood Vampires Album Cover

だが同レコードにはまだ健在のミュージシャンたちも多く集まった。ポール・マッカートニースラッシュ、ロビー・クリーガーらも、70年代のグループ・メンバーに因んだ楽曲のカヴァーを引っ張っていく。「Break On Through」とのメドレー仕立てになったドアーズの「Five To One」やジョン・レノンの「Cold Turley」(クーパーの背筋が凍るようなヴォーカルが聴ける)、スモール・フェイセスの「Itchycoo Park」などはバンドの手で、オリジナルの幻覚的な多幸感がなくなり、パンキッシュで閉所恐怖症的なイメージに様変わりしている。

バンドのオリジナル曲「My Dead Drunk Friends」は、このプロジェクトに影響を与えた人物たちへのブラック・ユーモアを交えた挨拶代わりの1曲になっている。この曲の中でクーパーは“路上で夜を過ごす連中”や“女や窓や橋 — 俺の帰りを待つものであり、俺たちが隠れたくなるもの”など様々なものに言及している。また、“俺たちが試みた愚にもつかないこと”については、“俺たちは不死身だと思っていたが、お前らは死んじまった”と歌う。

このように今は亡きメンバーの魂(いくつかの意味で)が強く感じられるクーパー流の騒々しい追悼は、感傷的な「お涙頂戴」のイベントなんかよりよほど適しているだろう。死者への敬意を示すハリウッド・ヴァンパイアーズの大音量は、彼らを生き返らせてしまうことだろう。

Written By Sam Armstrong


Hollywood Vampires Album Cover

ハリウッド・ヴァンパイアーズ『Hollywood Vampires』

  


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