全米全英で1位を記録したフォー・トップスの「Reach Out I’ll Be There」

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「Motown 1098」というと、特に重要なカタログ番号には聞こえないかもしれないが、この品番の元、発売された曲はモータウンが残した数々の輝きの中の決定的な瞬間のひとつとして残り続けている。そのクラシックな曲とは、1966年8月18日にリリースされたフォー・トップスの「Reach Out I’ll Be There(邦題: リーチ・アウト)」だ。

ブライアン・ホランドとエディ・ホランド、ラモント・ドジャーによるホランド=ドジャー=ホランドによって共作され、ブライアン・ホランドとラモント・ドジャーによってプロデュースされたこの曲は、1964年から65年の期間にフォー・トップスが飛躍的な進展を遂げたあとの一時的に静かになった時に作られたものだ。フォー・トップスはR&B支持者たちからのサポートを得続けていたが、この4人組の前のシングルでアイヴィ・ジョー・ハンターとスティーヴィー・ワンダーの共作曲「Loving You Is Sweeter Than Ever」はR&Bチャートではたった12位、ポップ・チャートでは45位という、1964年の「Baby I Need Your Loving」で輝いた彼らの全米シングル・チャート・デビュー以来、最低ランクのと順位でその勢いを失ってしまった。

その停滞していた状況をすべて変えたのが「Reach Out I’ll Be There」だった。この曲は、ループのドラマチックな歌い方と、リーヴァイ・スタッブスの無比で哀愁を帯びたリード・ヴォーカルが情熱的な感情にピッタリと合っていただけではなく、リーヴァイの物語を軌道に乗せる心に残るヴォーカルが始まる前にフルートと急速なパーカッションが物悲しい序奏を表現するという、モータウンはシングルではかつてない大胆不敵な器楽編成を選択していたのだ。

「Reach Out I’ll Be There 」はすぐさまチャート入りし、10月中旬にはポップチャートで1位を獲得。2週間で首位の座を奪われたが、R&Bのチャートにも入り、イギリスでは3週間連続でトップの座を獲得した。

たとえ、「Reach Out I’ll Be There」のプロデュースを行ったホランド=ドジャー=ホランドが同時のボブ・ディランの成功を念頭において似たような緊迫感をリーヴァイ・スタッブスのヴォーカル表現に求めており、それがどんなに幅広くレコーディングされたものだったとしても、フォー・トップス自身がどう曲を表現しているか振り返って見るのに、これほど教訓的な曲はないだろう。

「私たちはある日、ホランド=ドジャー=ホランドと話していたんだ」とローレンス・ペイトンは1966年10月、NMEに語った。「そして私たちに必要だったのはきっとフォーク・ロックの表現方法だったんだと思い込んだんです。それで、彼らは “Reach Out I’ll Be There” を持って戻ってきたんです。この何年もの間で、あの曲は最高のフォーク・ロック作品だと私は思います」。皆が皆、イギリスで1位になった曲をフォーク・ロックと呼ぶとは限らない。今やこの曲はソウル・クラシックと呼ばれている。

Written by Paul Sexton



フォー・トップス『Reach Out』      

 

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