エルトン・ジョン初のUKシングル1位「Sacrifice」を収録。16年ぶり1位となった『Sleeping With The Past』の魅力

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長きに渡り待ち焦がれられていたエルトン・ジョンのソロ・アーティストとしては初のUKチャート1位獲得曲「Sacrifice」。この楽曲を収録した彼の22枚目のスタジオ・アルバム『Sleeping With The Past』が1989年8月29日に発売された。

エルトン・ジョンはこのアルバムのレコーディングを前年1988年の暮れからデンマークで行っていた。彼は1990年に薬物とアルコール依存症、過食症の更生のためにリハビリ施設に入所しているので、この時期は彼としてはあまり思い出したくない期間だったかもしれないが、アルバム『Sleeping With The Past』はバーニー・トーピンとの素晴らしいコラボレーションに溢れている。既に22年余りに渡る友情を讃えており、アルバムの帯には「このアルバムを君に捧げるよ、バーニー」と記されている。

アルバムの中でも最も知られている「Sacrifise」に続くのは、両A面扱いでリリースされたゴスペル調の曲「Healing Hands」である。しかし、プロデューサーのクリス・トーマスのディレクションの元、エルトン・ジョンはこの10年の中でも最高の仕事とも言えるアップテンポな「Club At The End Of The Street」とスローな(これもゴスペル調の)「Amazes Me」も披露している。

さらにこのアルバムでは、エルトン・ジョンとしてはとてもレアな、あまり彼の曲に親しみのない人には一聴では誰だかわからないような声色で歌っている曲「Stones Throw From Hurtin」がある。この曲は軽いファルセットで歌うことでアレンジを軽快にし、そこではフレッド・マンデルによる素晴らしいギターソロを聞くことができる。さらに、この時期の隠れた名曲バラードであるエレガントな「Blue Avenue」が続く。アルバム・クレジットでエルトン・ジョンとバーニー・トーピンが、この『Sleeping With The Past』は「私たちにとても影響を与えた60年台、70年代のソウル・ミュージックのパイオニア達にインスパイアされた作品である」と共に語っている。

『Sleeping With The Past』はチャートでは最高23位とまずまずの記録だったものの、アメリカではプラチナム・アルバムとなった。オーストラリアとフランスでは2位を記録したこのアルバムは、スイス、ニュージランド、そしてUKでは首位を飾った。

「Sacrifice」の遅れた成功により、エルトン・ジョンの故郷ではリリースの約1年後である1990年の7月にアルバムが首位を飾り、これにより16年前にリリースされた彼のベスト盤以来、5作目の首位を獲得した。

Written by Paul Sexton


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