エルトン・ジョンがキャリア初期に手掛けた映画『フレンズ~ポールとミシェル』のサントラ

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エルトン・ジョンのキャリア初期、彼とバーニー・トーピンがほとんど記憶にとどめることのない映画『フレンズ~ポールとミシェル』(原題:Friends)のために書いたサウンドトラックはその映画を並外れたものとした。1971年、そのタイトル・トラックが世に出た時、エルトンはついに、大西洋の向こう側(アメリカ)において、「Your Song」でシングル・チャートにおける大躍進を果たしていた。現在においても不朽のバラードは1月、2月と4週間にわたり全米シングル・チャートで8位にとどまり、同時にイギリスでも7位を獲得していた。

「Friends」はアメリカでそれに続くシングルとして UNIレコードからリリースされたが、「Your Song」の成功を繰り返すことはできなかったが、彼の2つ目のUS TOP40ヒットとなった。1971年4月、このトラックは全米シングル・チャートで34位に上り詰め、2週間そこに在位した。

イギリスでは、シングルがリリースされた週の週末、1971年4月23日の金曜日に「Friends」が45位に登場。しかし「Your Song」の成功にもかかわらず、チャートでは振るわなかった。

サウンドトラックの運命も同じような対比が待っており、イギリスではベスト・セラーを逃したが、アメリカでは36位に登場、19週チャートに在位し、ゴールド・アルバムに認定された。この映画は、ロンドン出身のルイス・ギルバートが監督した。彼は、その時点で、1本のジェームズ・ボンド映画 「007は二度死ぬ(原題:You Only Live Twice)」 の監督を務めていたが、後に1977年の「007 私を愛したスパイ(原題:The Spy Who Loved Me)」やその2年後の 「007 ムーンレイカー(原題:Moonraker)」などもう2本の作品も監督している。

エルトンのいつもの作品のようにガス・ダッジョンがプロデュースを務め、1970年9月にレコーディングが行われた、これはエルトン・ジョンの不朽の名作であり3枚目のアルバム『Tumbleweed Connection(邦題:エルトン・ジョン3)』の完成の数か月後のことであった。 『Friends』の制作にはエルトンのレギュラー・バンド、ケレイブ・クェイ、ディー・マレイ、ナイジェル・オルソンが招かれ、オーケストラ・アレンジメントは、ポール・バックマスターが行っている。また、バッキング・ヴォーカルには、いつものマデリーン・ベル、レスリー・ダンカン、ケイ・ガーナーが参加している。

このサウンドトラックがイギリスで成功をおさめなかった理由のひとつには、映画(「エルトン・ジョンのヒット・サウンドトラックをフィーチャーした物議を醸すラヴ・ストーリー」とポスターには書いてあった)に対する大衆の無関心さがあったであろう。 ショーン・バリーとアニセー・アルヴィナが出演するこのラヴ・ストーリーは、未成年の2人の“友人”同士がパリへ共に逃げ、結婚を装い、子供を持つという当時の多くの人には社会的にも道徳的にも受け入れがたいものであった。

このシングル「Friends」とサウンドトラックはイギリスのメディアには必要とされなかった。しかし4月3日 にエルトン・ジョンはITVの土曜夜の番組「Aquarius」 スペシャルで取り上げられた、それは “at home, at rehearsal, in concert(家で、リハーサルで、コンサートで)”というテーマであった。 そして、4月10日のニュー・ミュージカル・エクスプレス(*訳注:NME誌のこと)はエルヴィス・プレスリーとエルトン・ジョンの表紙であった—キャプションによると、エルトンは、アメリカの著名なデザイナーから300ポンドで購入したとヌーディ・スーツ(*訳注:ヌーディ・コーンによるデザインのスーツ)を着て撮影されている。

イギリスにおけるエルトン・ジョンの成功はもうそこまで迫ってきていた、その一方で、彼は、海外で「Friends」つまり、友達を作ったのだ、この映画のサウンドトラックは、多くの人にとっては、彼の失われたイギリスの作品にもかかわらず。そのサウンドトラックは今はないが、楽曲は彼の1992年のアルバム 『Rare Masters』 で聴くことができる。


 「Friends」をSpotifyでの試聴はこちら

 「Friends」を『Rare Masters』から Spotifyで試聴するにはこちら
エルトン・ジョンのアーティスト・ページはこちら

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