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J・ディラによる最高のビート11選:32歳の若さで亡くなったビートメーカーによる名曲

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J・ディラ(J Dilla)はヒップホップから生まれた数々のビートの中でも史上最高のビートを作り出した人物だ。2006年2月10日、世界がようやく理解し始めたところだったこのヒップホップの偉大なる才能は亡くなってしまった。血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)という珍しい血液の病気で32歳の若さで旅立ったJ・ディラは、1993年に彼が様々な作品のクレジットに名を連ねだして以降、ヒップホップ作品の世界ではずっと陰のヒーローだった。

圧倒的に多才だった彼は、ネイティブ・タンズ一派の代表格であるデ・ラ・ソウルやア・トライブ・コールド・クエストから、ザ・ルーツやコモン、そしてエリカ・バドゥに至るまで、あらゆるアーティストの最高傑作の中でしっかりと自らの存在感を示していた。彼のテンポを落としたソウルフルなスタイルは、こうした“コンシャスな”ヒップホップ・アーティストたちにとって完璧なサウンドだっただけでなく、ディアンジェロが官能的に誘惑する歌声のバックグラウンドとしても最高だった。

J・ディラが遺したとてつもない量の音源作品は、彼の死後に尽きることなく発表され続ける作品の源泉となり、彼のコラボレーターたちは今でも彼への敬意を表現し続けている。事実、2014年になってJ・ディラと長年活動を共にしていたデ・ラ・ソウルがリリースしたミックステープ『Smell The DAISY』には、制作の中心人物だったJ・ディラが作りあげた未発表のビートが含まれていた。

触れるたびに常に新しい側面を知らせてくれる、J・ディラによるビートの中でも最高な全11曲をご紹介しよう。

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1. ザ・ファーサイド「Drop」(1995年『Labcabincalifornia』収録)

LAの四人組、ザ・ファーサイドは1992年のデビュー作『Bizarre Ride II The Pharcyde』で一気にヒップホップの限界を押し上げた。

さらに彼らは、全米ラップ・チャートのトップ5を記録した「Drop」をはじめ、J・ディラのビートを仕込んだ6曲を含む2作目のアルバム『Labcabincalifornia』にて、もう一段上のレベルに到達した。それはJ・ディラにとっては、アウトキャストがアルバム『ATLiens』でやっていたもの変わらないレベルの、ラフだが抜群なグルーヴを実現したものだった。

The Pharcyde – Drop (Official Music Video)

 

2. ア・トライブ・コールド・クエスト「Find A Way」(1998年『The Love Movement』収録)

ア・トライブ・コールド・クエストによる代表作のプロデューサーとして、J・ディラは完璧な選択だった。彼のレイドバックなスタイルは、Q-ティップのもったりとしたヴォーカルを邪魔することなく、しっかりとしたバックグラウンドを提供していたのだ。

アルバム21曲中8曲にJ・ディラのビートが使われているが、中でもUKでのトップ40入りを惜しくも逃したリード・シングル「Find A Way」はその代表的なトラックだ。この曲を含むアルバムはトライブにとって全米チャートで2番目に成功したアルバムになった。

A Tribe Called Quest – Find A Way

 

3. ザ・ルーツ「Dynamite!」(1999年『Things Fall Apart』収録)

1993年、ザ・ルーツ発売したデビュー・アルバムのクレジットには、当時19歳のJ・ディラの名前が掲載されている。そこから彼らがスタジオに一緒に入るまでにそれから6年かかったが、J・ディラはそれまでに作り出した中でも最も洗練されたビートを提供して、生演奏のミュージシャンとしての多才さを誇るザ・ルーツの強みを最大限に活かしたジャジーな「Dynamite!」が生みだされた。

Dynamite!

 

4. ディアンジェロ「Feel Like Makin’ Love」(2000年『Voodoo』収録)

ディアンジェロによる、R&B作品の基準を再定義した2作目のアルバム『Voodoo』の中でも傑出したトラックの一つ「Feel Like Makin’ Love」を聴くと、実際に汗の味がするかのようだ。J・ディラがザ・ルーツの作品でやり残したことを形にしたこの作品では、J・ディラが自信満々でその絶頂期にさしかかっていたことがありありとわかるだろう。

Feel Like Makin' Love

 

5. エリカ・バドゥ「Didn’t Cha Know?」(2000年『Mama’s Gun』収録)

J・ディラにとって2000年は彼にとって最も多忙な年だったかもしれないが、それによって作品の質が損なわれることはなかった。ディアンジェロ、コモン(アルバム『Like Water For Chocolate』)そしてエリカ・バドゥらの画期的な作品での彼の仕事は、彼のプロデューサー中のプロデューサーという地位を確固たるものにした。その理由の一部がエリカ・バドゥの『Mama’s Gun』からのセカンド・シングル「Didn’t Cha Know?」に表れている。

Erykah Badu – Didn't Cha Know (Official Video)

 

6. ビラル feat. コモン&モス・デフ「Reminisce」(2001年『1st Born Second』収録)

J・ディラのビート・メイカーとしての才能に劣らないくらいにヴォーカリストとして多才だったビラルによるデビュー・アルバム『1st Born Second』。

J・ディラはこのアルバム収録曲「Reminisce」で快適に仕事をしているように思えるが、何層にも重ねられたヴォーカルと太陽の光に溢れるようなグルーヴが絶妙に調整されて、この曲での3人の異なるスタイルのヴォーカリストのパフォーマンスを引き出すことに成功している。

Reminisce

 

7. デ・ラ・ソウル「Much More」(2004年『The Grind Date』収録)

J・ディラとデ・ラ・ソウルが最初にコラボしたことが判っているのは、デ・ラ・ソウルの1996年の名盤『Stakes Is High』のタイトル・トラックだ。その後、彼らが一緒に『The Grind Date』をレコーディングする頃には、デ・ラ・ソウルは長年在籍したトミー・ボーイ・レーベルを離れていた。

J・ディラはこの作品の制作の要となるべくセッションに参加。彼が提供した「Much More」では、トレードマークであるダウンビートなソウル・サウンドを最高の形で組み込んだビートが印象的だ。

Much More (feat. Yummy)

 

8. スラム・ヴィレッジ「Let’s」(2002年『Trinity (Past, Present And Future)』収録)

初期スラム・ヴィレッジの頃には正式メンバーだったJ・ディラは、2000年代初期にグループと意見を異にして以来、他のクリエイティブな活動を追い求めていた。しかしその後、昔の仲間との密接な関係を取り戻した。

音数を絞って作られた「Let’s」のピンポンのようなドラム・トラックと、宇宙時代的シンセ・サウンドはたちまちコントロールを失うように思えるが、J・ディラの最高のビートがヴォーカルに自由に動き回れるスペースを与えている。

Let's

 

9. J・ディラ feat. コモン&ディアンジェロ「So Far To Go」(2007年『The Shining』収録)

この曲はもともと2005年のコモンのアルバム『Be』のスペシャル・エディション用にレコーディングされたものだ。「So Far To Go」が最初に登場したのは、J・ディラの死後に発売された最初のアルバム『The Shining』だった。

コモンとディアンジェロの二人はJ・ディラに対して最高のものを提供してくれた。そして彼らはこのトラックで、J・ディラのビートのレトロで未来的なソウル・サウンドを最大限に活かし、彼らのトレードマークともいえる最高のパフォーマンスを聴かせてくれている。

So Far to Go

 

10. モス・デフ feat. タリブ・クウェリ「History」(2009年『The Ecstatic』収録)

J・ディラの死後発表された作品数は、あっという間に彼の生前の作品数に迫っているが、「History」のように彼が亡くなる直前の作品は、モス・デフのアルバム『The Ecstatic』が出る頃までしまい込まれており、遺された作品としての質は確保されていたようだ。

骨董品のようなストリングのサンプリングとバッキング・ボーカルのループが巧みにつなぎ合わされたこの作品は、J・ディラの細部へのこだわりの勝利だ。

Mos Def – History ft. Talib Kweli

 

11. バスタ・ライムス「You Can’t Hold The Torch」(2006年『The Big Bang』収録)

表面的には、バスタのスタッカートなフロウはJ・ディラのレイドバックなビートとはとても合わないように思えるが、実はこの二人、バスタの1996年のデビュー作以来の関係なのだ。

彼らが「You Can’t Hold The Torch」をレコーディングする頃には、とっくにお互いのことを知り尽くしていたので、バスタは手慣れた感じでトラックを乗りこなし、ディラは自信を持って自分のペースでトラックを繰り出しているので、結果として両方の最高のパフォーマンスが生まれている。

You Can't Hold The Torch

 

J・ディラの最高のビートでここに含まれてないものがあると思いますか?下記にコメントしてお知らせ下さい。

Written By Jason Draper



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