史上最高のヘヴィ・メタルのミュージック・ビデオ12本

March 18, 2018


史上最高のヘヴィ・メタルのミュージック・ビデオ12本

今日のように使い放題のオンライン・プラットフォームを使いながら暇な時にメタルのミュージック・ビデオを観ることが出来るようになるもっと前の60年代や70年代では、活動中のバンドを観る為にファンはテレビの特別番組が始まるのを待つしかなかった。その後、1981年8月1日に、テレビ初の24時間放送の音楽チャンネルMTVの開設と同時にミュージック・ビデオがメイン・ストリームのものとなった。ミュージシャンは自分達の音楽を、大胆かつシネマティックな方法で大衆に見せる手段を得たのだ。

一連のミュージック・ビデオは、メタル・ファンに、大好きなアーティスト達の自由な想像力を覗く機会を与え、ライヴ映像を提供してくれた。バンドがコンサートでプレイするのを観ることに次ぐ、二番目に素敵なことをファンは得たのだ。80年代を代表するスラッシャーから今日の洗練された作品まで、この種の音楽ジャンルのアーティスティックな限界を押し広げた、ベスト・メタル・ミュージック・ビデオをここで紹介しよう。

■ブラック・サバス「God Is Dead?」(2013)
ブラック・サバスのオジー・オズボーン、トニー・アイオミ、そしてギーザー・バトラーが一緒にアルバムを制作してから35年以上経つが、このビデオはそんな彼等の記念すべきカムバック作品だ。このニーチェが許諾したようなミュージック・ビデオには、2007年に物議を醸した政治色の濃いピーター・ジョセフ監督三部構成のドキュメンタリー映画『ツァイトガイスト』からの映像が使用されている。プロモ・ビデオというよりは、むしろ短編映画という感じのこのバンドの記録映像には、戦争の映像、破滅、そして1972年のフランス映画『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』からそのまま抜け出てきたような、貪欲なカップルが登場する(彼等を見て、もう二度とエビは食べたくないと思ってしまうだろう)。

■メガデス「Sweating Bullets」(1992)
デイヴ・ムステインがミュージック・ビデオの中で、正気を失う場面ほどソソられるものはないだろう。商業的に大成功を収めたメガデスの『Countdown To Extinction』収録楽曲「Sweating Bullets」のビデオには、複数のデイヴ・ムステインがクレイジーになるシーンがある。この中では、自分の心の囚人になっている複数の“デイヴ”達と立ち向かうデイヴ・ムステインが、対話形式で歌っている。極度の不安発作に苦しむ、デイヴ・ムステインの妻の友達について書かれたと思われるこの曲のビデオには、自分自身が最大の敵になり得ることが描写されている。「Symphony Of Destruction」と「99 Ways To Die」を監督したウェイン・アイシャムと再び組んだバンドは、高度な技術と心に訴えかける力の絶妙な組み合わせを得るべく、カルト・ホラー映画『悪魔のいけにえ』からマライア・キャリーのミュージック・ビデオまでと、あらゆるタイプの仕事を幅広く手掛けてきた、ベテラン撮影監督ダニエル・パールも起用している。

■ロブ・ゾンビ「Dragula」(1988)
ホラー映画監督として活躍することになるロブ・ゾンビは、そのヴィジュアル・アートの経歴と過去のホラー映画への傾倒により、自分のミュージック・ビデオを制作する際には自ら監督の椅子に着いた。1998年のソロ転向後、彼はヒット・アルバム『Hellbilly Deluxe』収録ナンバー「Dragula」の、奇妙な幻想のような作品でビデオ・デビューを果たした。この中で60年代テレビ番組『マンスターズ』の車を全速力で飛ばすゾンビは、凶暴な相棒等を携えながら子供や不思議なピエロ達が大勢登場して、眩暈がするような幻覚的なロード・トリップに出るいつものロブ・ゾンビ作品となっている。このミニ・フィルムを再び眺めるにつけ、ロブ・ゾンビが将来映画製作に携わることになるのがはっきりと分かる。YouTubeでの視聴回数は7,500万を記録し、その数は現在も増え続けており、この興奮が色褪せることがないのは明らかだ。

■スレイヤー「Seasons In the Abyss」(1990)
“オカルト”がメタルでは普通に扱われるテーマであるように、古代エジプトもまた強い関心がもたれている対象だ。アイアン・メイデンの『Powerslave』、メタリカの『Creeping Death』、それからディオの『Egypt (The Chains Are On)』のカヴァーを見るだけでもそれは十分お分かりになるだろう。スレイヤーは最初の公式ミュージック・ビデオで、ずばりその発信元を訪れ、賄賂と幸運を使った結果、第一次湾岸戦争の最中であるにも拘らず、エジプトのピラミッドに囲まれながらプレイすることに成功した。古代の墓場の中でのミステリアスなシーン山盛りだが、この作品は物語よりもヴォーカリストのトム・アラヤの死に対する考察に重点が置かれている。ビデオはMTV『ヘッドバンガーズ・ボール』でヘヴィ・ローテーションされ、非常に大掛かりなメタルのミュージック・ビデオのひとつとして現在でも知られている。バンドはこの後2015年に、クエンティン・タランティーノに影響された大虐殺を扱った「You Against You」のビデオを発表し、自分達を越えることになる。

■アンスラックス「Madhouse」(1985)
MTV初期の時代から、ミュージック・ビデオが放送禁止になるのは、メタル・バンドにとっては通過儀礼のようなものだった。クイーンの「I Want To Break Free」からメガデスの「A Tout Le Monde」に至るあらゆるものが検閲に引っ掛かったこともあるぐらいなので、アンスラックスのバンド・メンバーが精神病院でモッシングする患者に扮した「Madhouse」のビデオが、検閲に引っ掛かったのは当然の結果だった。ビデオにはアンスラックスのユーモラスな側面だけでなく、ニール・タービンから交代した新リード・シンガーのジョーイ・ベラドナの素晴らしさを見せつけた。パンクとノー・ウェーブの映画製作者エイモス・ポーが監督した「Madhouse」は、冗談めかした部分を残しつつも、メタルのミュージック・ビデオのカオス的性質を捉えている。この後アンスラックスのキャリアを特徴づけることになるパブリック・エネミーとコラボした「Bring The Noise」等、バンドのビデオの大部分にはユーモアの要素が盛り込まれていたが、真に新しい境地を開いたのは、最高のスラッシャー・ナンバー「Blood Eagle Wings」だった。

■ディオ「Holy Diver」(1983)
決定的なオープニングのリフを誇る、へヴィ・メタル史上最も愛されてきた曲のひとつであるディオの「Holy Diver」は、アルバム『Holy Diver』に収録された名曲だ。そしてアーサー・エリスが監督したこのミュージック・ビデオでは、剣を巧みに操りながらのコナン・ザ・グレート・スタイルの冒険の旅によって、楽曲のストーリーが描かれている。この短い場面場面の間に、ロニー・ジェイムス・ディオが炎の前で感情を込めながら歌う。このビデオには、メタルのアートワークとミュージック・ビデオで同時に使われていたテーマでもあるファンタジーRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が人気を博していた80年代当時の、ファンタジー、冒険、そして神話への熱い思いが確実に包含されていた。

■メタリカ「One」(1989)
その心に残るカッコいいリフと歌詞が印象的な反戦歌「One」は、メタリカの楽曲で極めて重要な作品であるだけでなく、メタルのミュージック・ビデオの規範となっている。マイケル・サロモンとボル・ポープが監督した、バンドの初のミュージック・ビデオは、曲の強烈さを捉え、すぐさまMTVでナンバー・ワンの地位を掴んだ。ビデオにはバンドの映像と共に、1971年の映画『ジョニーは戦場へ行った』からのクリップが散りばめられ、反戦という曲テーマをより強化している。ドドドッというリフとダブル・ベースが入って来て、顔に布を被せられ病院のベッドに横たわる第一次世界大戦中の兵士の心に残る映像が映し出される中、ジェイムズ・ヘットフィールドとカーク・ハメットが目を見張るような白熱ぶりでギターを夢中でプレイし、ビデオはクライマックスに達する。

■ラムシュタイン「Mein Teil」(2004)
その挑発的な歌詞とやや不穏な(しかしエンターテイニングな)ミュージック・ビデオで広く知られ、何かと話題になる東ドイツのインダストリアル・メタル・バンドのラムシュタインは、2004年のアルバム『Reise, Reise』収録ナンバー「Mein Teil」でその実力を遺憾なく発揮した。“ローテンブルクの食人鬼”としても知られる悪名高いドイツ人食人鬼のアルミン・マイヴェスに触発されたこの作品は、実際に起こった事件を通して、グロテスクなものに魅かれる人々の思いを満たすありとあらゆる不道徳なイメージが描写されたアーティスティックかつ政治的表現形式によるミュージック・ビデオとなっている。セピア色のショットと奇抜なカメラワークによる映画的撮影技術によって観る側の神経を逆撫でされる。これ全てはラムシュタインの美学の特徴だ。言うまでもなく、このビデオはドイツのMTVで、夜11時までは放映することを禁じられた。人々が悪夢を見る為のまさに絶妙なタイミングだ。

■アイアン・メイデン「Can I Play With Madness」(1988)
ライヴ映像よりもコンセプチュアル路線を選択したアイアン・メイデンの「Can I Play With Madness」は、1981年に初めてMTVに登場したミュージック・ビデオであり、史上最も影響力のあるメタルのミュージック・ビデオのひとつとして現在でも知られている。イギリスのティンターン・アビーとチズルハースト・ケイヴズで撮られたこのヴィデオは、メタル好きの為の『ハリー・ポッター』のようなものだ。ビデオは水晶玉を覗き込む白髪頭の魔法使いのような男でスタートし、その後モンティ・パイソンのグレアム・チャップマンがメイデンの有名なマスコット“エディ”を描く少年達を叱る気難しい先生として登場する。このエディなくしてメイデンのビデオが成立しないのは、言うまでもない。

■パンテラ「Five Minutes Alone」(1994)
パンテラのこのヒット作のタイトルは、グルーピーの集まりか何かを暗示しているように感じられるが、実際にはファンの父親との出会いから名づけられたものだ。問題の男はパンテラがメガデスの前座としてパフォーマンスを行なっている時に、バンドをヤジったところ殴りつけられたとしてフロントマンのフィル・アンセルモを告訴した。アンセルモの話では、その父親が彼と“5分間ふたりだけにしてくれ”と伝えてきた結果、このゴキゲンな曲とミュージック・ビデオが誕生したのだと言う。当時、椎間板が2つ断裂していたアンセルモが、これだけヘッドバンギングとスラッシングが出来るのは驚くべきことだ。ビデオにはアイヘイトゴッドのTシャツでキメるフィル・アンセルモをフィーチャーしたライヴの映像、スロー・モーションの炎、そしてヘッドバンギングで締め括られる。

■セパルトゥラ「Roots Bloody Roots」(1996)
モーターヘッドの曲「Dancing On Your Grave」のポルトガル語訳「Dançando Na Sua Sepultura」からそのバンド名を取ったブラジル出身のデス・アンド・スラッシュ・メタルの雄セパルトゥラは、80年代後半から90年代の間に、その非凡なサウンドとヴィジュアルで名声を得た。バンドはコンセプト・アルバム『Roots』と「Roots Bloody Roots」のミュージック・ヴィデオの一部を、ブラジルの熱帯雨林で地元の部族と共にレコーディングした。奴隷の売買が行なわれていたサルバドルのカタコンベ〔地下墓地〕で撮られたこのビデオには、ブラジルの音楽グループのチンバラーダのパーカッショニスト達、カトリック教会、格闘技カポエイラといった伝統的なブラジルのイメージと、反復されるメタルのテーマと、今は亡きナイジェリア出身の小説家チヌア・アチェベの引用文が並置されている。このミュージック・ビデオは、自分達の文化的アイデンティティを受け入れるバンドを讃えるだけでなく、誇りを持ったブラジル人としての個人のアイデンティティも垣間見ることが出来る。

■トゥール「Stinkfist」(1996)
トゥールのファンであろうとなかろうと、バンドはそのミュージック・ビデオのスタイルで話題になった。1996年のアルバム『Ænima』からの「Stinkfist」は、栄えあるグラミー賞最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞。この非常にアーティスティックで、コンセプチュアルで謎めいている、典型的なトゥール・スタイルのミュージック・ビデオ「Stinkfist」は、一目で認識できる特徴的なストップモーション・アニメーションとクイックフォーカス・スティール・ショットで知られる映像監督でもあるトゥールのギタリスト、アダム・ジョーンズの腕に負うところが大きい。その楽曲名はMTVでは攻撃的過ぎると見なされ「Track #1」という別のタイトルが付けられて放送されたため、激怒したファンはテレビ局に不満を訴えた。しかしMTVはその訴えを放送に反映させずタイトルはそのまま「Track #1」で放送された。しかしMTVの番組ホストのケネディーは、ビデオを「Track #1」として紹介する前にバンドに対して連帯の情を示す為に、こぶしを振り上げていたのは有名な話だ。


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