ブラック・アイド・ピーズのベスト・ソング14曲:2000年代を代表するポップ・ナンバーをランキング

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Photo: John Rogers/Getty Images

ブラック・アイド・ピーズ(Black Eyed Peas)は、2000年代に最大級のヒットを収めた数々の最高のポップ・ソングを生み出し、音楽界の流れを変えることに一役買った。

結成当初とはメンバーの顔ぶれは変わり、現在はファーギーの代わりにシンガーのJ.レイ・ソウルがフィーチャーされているが、彼らは過去のポップ・ソングを過激なまでに再解釈したことでメインストリーム・ミュージックに大きな地殻変動をもたらし、このジャンルのサウンドのあり方を変えてしまった。

正統派のオルタナティブ・ヒップホップ・グループとしてスタートしたこのグループは、バックパック・ラップと耳に残るメロディやコーラスをダイナミックに組み合わせた。そうして生まれた楽曲は、最高に憎しみ合っているもの同士でさえ仲直りさせるような仕上がりになった。

ブラック・アイド・ピーズのベスト・ソングは社会正義の政治的主張かパーティーラップのメガヒットになっているが、ウィル・アイ・アム、ファーギー、アップル・デ・アップ、タブーは、その両方を陳腐にすることなく表現する唯一無二の能力を持っていた。そうした能力は、他のほとんどのグループにない特徴だ。「Where is the Love?」と「My Humps」を見比べれば曲の内容はとてつもなくかけ離れているが、ブラック・アイド・ピーズはこれらのバラバラな話題を歓喜あふれるサウンドでつなぎ合わせる。とにかくこのグループは音楽を作ることが好きで、それは彼らが生み出すラップや歌のひとつひとつの音に表れている。

これまでに彼らは6つのグラミー賞を受賞し、チャートで好成績を収め、数え切れないほどの映画のサウンドトラックに参加し、歴史に残る大人気グループのひとつとなった。その証拠が必要であるという人のために、ひとつの例を挙げよう。米ビルボード誌の総合楽曲ランキングであるBillboard Hot 100では、「Boom Boom Pow」と「I Gotta Feeling」の2曲にて実に26週(!)に亘ってトップの座に留まったのだ。

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14位 Just Can’t Get Enough

ブラック・アイド・ピーズのストーリーにおいて、「Just Can’t Get Enough」は特別な位置を占める曲である。なぜならこの曲は、2011年の東日本大震災が発生する1週間前に日本でミュージック・ビデオを撮影していたからである。その結果、この自由奔放な曲には重厚さと重みが加わり、悲劇に見舞われた日本の人々を励ます声という独自の意味を持つことになった。

ビデオの冒頭は、以下のようなシンプルなトリビュートで始まる。

「このビデオは、地震と津波の1週間前に日本で撮影されました。私たちは、日本のすべての人々に思いと祈りを捧げます。皆さんを愛しています」

 

13位 RITMO (Bad Boys For Life) feat. J. Balvin

ブラック・アイド・ピーズ、J.バルヴィン、そしてコロナ(Corona)の「The Rhythm of the Night」のサンプル。その他にさらに何を求めることができるだろうか?

ブラック・アイド・ピーズは、2019年になってもまだまだ数多くのヒット曲を出せることを証明した。すばらしいポップな曲作りとケミストリーはまだまだ健在だったのだ。

アルバム『Translation』からシングル・カットされた「RITMO」はリズムを反転させ、テンポをレゲトンのスピードにまで落としている。そうすることで、原曲を現代風にアップデートすることに成功した。

 

12位 Big Love

ブラック・アイド・ピーズには2つの異なるメンタリティがある。彼らは、どんなパーティーでも盛りあげる曲を作ることができる。その一方でプロテスト・ミュージックの力も忘れず、社会正義を追求している。「Big Love」は明らかに後者のタイプの曲で、学校での銃乱射事件や移民に対する政策をテーマとしている。そして、あらゆる人に人間的な扱いが必要だと訴えている。

 

11位 Bebot

「Bebot」はアップル・デ・アップのソロ・ナンバーで、自らのルーツに対するオマージュを込めたダンスフロア向けのヒット曲だ。

2003年のアルバム『Elephunk』に収録された「The Apl Song」と同じく、この曲はアップル・デ・アップのソロ・ラップになっている。内容は、フィリピンでの幼少期と自分を育ててくれた人々に捧げるトリビュート曲ともいえる。

 

10位 One Tribe

『The E.N.D.』に収録された「One Tribe」は、精神的な面で「Where Is The Love?」の続編と言える。この曲は全世界的なアンセムであり「私たちは違う点よりも共通点の方が多い」と訴える、スタジアムでも盛り上がりそうな曲だ。歌詞ではこう歌っている。

「同じひとつの種族、同じひとつの時代、同じひとつの惑星、同じひとつの人種/同じひとつの血、顔の違いなんか気にしない/目の色も肌の色も気にしない/今居る場所がどこであろうと気にしない/昔どこにいた場所も気にしない」

こうした歌詞で、ピーズは世界的な親善大使としての地位を確立した。

 

9位 Gone Going feat. Jack Johnson

ブラック・アイド・ピーズとジャック・ジョンソンという組み合わせは、一見すると奇妙に感じられるかもしれない。しかしながら、彼らのコラボレーションに懐疑的な人は、ブラック・アイド・ピーズがカメレオンのように姿を変える多彩なグループであることを見落としている。

「Gone Going」では名声をテーマとしたストーリーを紡ぎ出し、ジャック・ジョンソンは情感あふれるアコースティック・ギターのグルーヴとカタルシスをもたらすコーラスを提供している。

 

8位 Boom Boom Pow

もしあなたが無作為に集まった人々の真ん中で「Gotta get that」と叫べば、ほとんどの人は「Boom, boom, pow!」と返してくるだろう。それぐらい2009年にリリースされたこの曲は、ありとあらゆる人の記憶に染み付いているのだ。

この曲は、パーカッシブでキャッチーなダンスフロア・ナンバーであり、ブラック・アイド・ピーズは2000年代後半から2010年代前半にかけてこうしたタイプの曲をやすやすと作り上げていた。

 

7位 Shut Up

「Shut Up」によって、ブラック・アイド・ピーズは地球上でトップクラスの大人気ポップ・ヒップホップ・グループのひとつという地位を固めた。

3枚目のアルバム『Elephunk』の先行シングルとなった「Where Is The Love?」に続き、ブラック・アイド・ピーズは「Shut Up」をリリースした。この曲は恋人との別れを描いた実にキャッチーなアンセムであり、グループのフロントマンであるウィル・アイ・アムとファーギーの音楽的な相性の良さが非常によく表れている。

 

6位 Imma Be

ブラック・アイド・ピーズの特徴がはっきりと表れた実例を知りたいのなら、「Imma Be」を挙げなければいけない。この曲は、2009年にリリースされたアルバム『The E.N.D.』に収録されていた。

ここではクラブ向きの勢いのあるビートの上で、ブラック・アイド・ピーズの4人が躍動する。スムーズで簡潔なこの曲は、ポップ・ラップの曲作りのコツを教えてくれる特別上級クラスの教材である。

 

5位 My Humps

この曲を否定しようとした頭の固い人でさえ、これがキャッチーであることは認めざるをえないだろう。「My Humps」はきわどい内容を歌ったウィル・アイ・アムとファーギーのデュエット曲で、チャート・トップのポップ・ソングの中でセクシャルな緊張関係が生き生きと描かれている。

この曲は『Monkey Business』から生まれた3枚目のシングルだったが、「My Humps」は彼らがあらゆる聴き手のための曲を作れることを証明している。

 

4位 Joints & Jam

これはオールドヘッズのための曲だ。1998年、ファーギーが加入前の3人組だったブラック・アイド・ピーズがリリースした2枚目のシングルである「Joints & Jam」はネオ・ソウル風のヒップホップ・ソングで、ドラムのグルーヴが特徴の1曲。

この曲はパウリーニョ・ダ・コスタの「Love Till the End of Time」の断片を使ってフランキー・ヴァリの「Grease」を再構築しており、彼らが初期のころからサンプルの使い方が巧みだったことを証明している。

 

3位 I Gotta Feeling

イベント開始前に歌う曲の中で、「I Gotta Feeling」以上に素晴らしいものなどあるだろうか? あなたの年齢が何歳であろうと関係ない。あなたが何のイベントを前にしているのかも関係ない。フランス人DJのデヴィッド・ゲッタがプロデュースしたこのブラック・アイド・ピーズのアンセムは、5歳の子供であろうと95歳のおばあさんであろうと、誰もが確実に盛り上がる、完璧なポップ・ソングである。

決して甘ったるくはなく、まさしく単刀直入。何か大事なことが今夜控えているのなら、「I Gotta Feeling」以上の曲はありえない。

 

2位 Pump It

キャリアを通して、ブラック・アイド・ピーズが証明してきたことがある。それは、彼らはどんなに有名なサンプルであってもまったく新しい曲にすることができるのである。

この曲はディック・デイルが1962年に発表したサーフ・ヴァージョンの「Misirlou」を大々的に使っているが、いかにもブラック・アイド・ピーズらしいポップ・スタイルで仕立て直されているのだ。アルバム『Monkey Business』に収められたこの曲は、紛れもなく彼らのDNAから作られたパーティー用のアンセムである。

 

1位 Where Is The Love

ごく簡単に言えば、「Where Is The Love」は21世紀を代表する最高にインパクトのあるシングルのひとつだ。政治的・社会的な状況をテーマとして採り上げているが、決して説教臭くはない。さらには、この時期に作られた曲の中でもとりわけキャッチーなフックが含まれていた。

ジャスティン・ティンバーレイクはこの曲の作曲者としてクレジットされており、完成したヴァージョンでもヴォーカルを担当している。しかしその時点ではパフォーマーとして売り出されていたわけではなかった。この曲は、ブラック・アイド・ピーズがブレイクしたアルバム『Elephunk』の第1弾シングルだった。またファーギーは、この曲でグループの正式なメンバーとしてデビューした。

Written By Sam Armstrong




 

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