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シナトラが「業界一の声帯を持っている」と絶賛したヴィック・ダモーンが逝去

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Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

伝説のクルーナー、ヴィック・ダモーンが2018年2月11日(日)、89歳で亡くなったことが確認された。

「業界一の声帯を持っている」とフランク・シナトラに言わしめたことで知られる洗練されたバリトンの声の持ち主、ヴィック・ダモーンがフロリダ州マイアミ・ビーチのマウントサイナイ医科大学にて一部の近親者に見守られて亡くなった。家族ぐるみの友人、エド・ヘンリーがニューヨーク・タイムス紙に伝えたところによると、死因は呼吸不全による合併症だった。

1928年にブルックリンで生まれた本名ヴィト・ファリノーラは俳優業をスタートさせる前、17歳の時にラジオのコンテスト番組「アーサー・ゴドフリー・タレント・スカウト」で1位を取ろうとして音楽活動を開始した。その2年後、1947年にマーキュリー・レコードと契約し、プロとしてデビューを果たし、全米チャートの第7位に輝いたヒット曲シングル「I Have But One Heart」をリリース。19歳が英語とイタリア語を使って歌う詩が特徴的な一曲だった。

「I Have But One Heart」のヒットは、50年間で2,500を超える録音を残した歌手としてのキャリアの始まりとなった。それと同時に自身のラジオ、テレビ番組の司会を務め、ラスベガス・ストリップには欠かせない存在となった。

最もよく知られているヴィック・ダモーンのヒット曲には、1949年に第1位を獲得した「You’re Breaking My Heart」や1950年代の「My Heart Cries for You」、フランスのフォーク・ソングを編集した「Chanson de Marie Antoinette」、そして象徴的な1956年のスマッシュ・ヒット曲でブロードウェイ・ミュージカルのマイ・フェア・レディからの「On The Street Where You Live」がある。

当時の多くの流行りの歌手と違って、ヴィック・ダモーンは1960年代と1970年代の変わりゆく音楽的風潮の中を生き延び、1960年代の『On The Swinging Side』など高い評価を得たアルバムをリリースした。1965年にはインク・スポッツのヒット曲をヴィック・ダモーンが歌った「You Were Only Fooling (While I Was Falling In Love)」が全米トップ30入りを果たし、その年に、シングル「You Were Only Fooling」から名付けられたアルバムで最後に全米アルバム・チャート入りを果たした。80年代初頭には、BBC 2ラジオ司会者のデイヴィット・ジェイコブスが彼の番組で曲を頻繁に流してくれたおかげで、イギリスでの新たな人気の高まりが起きた。

ヴィック・ダモーンはNBCのザ・ヴィック・ダモーン・ショーといった幾つかのテレビシリーズや、『キスメット』や『Rich, Young and Pretty』といったヒット映画に出演していたが、彼自身は自分のことをクロスオーヴァーした真のスターだとはとらえていなかった。「自分自身のことをそんな風に考えたことは一度もない」とヴィック・ダモーンは彼の自伝にそう書いた。「演じることを授かったわけではない。僕が授かった才能は、歌うことだったんだ」。

Written by Tim Peacock


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