アンダーワールド3枚目のアルバム『Beaucoup Fish』がデラックス版で登場

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アンダーワールドが、彼等の名作である3枚目のアルバム『Beaucoup Fish』のデラックス版を多数のフォーマットでリリースする。CD1枚、4枚組スーパー・デラックス・ボックス・セット、アナログレコード2枚組、そしてストリーミングやダウンロードでも配信される。

1999年にリリースされた『Beaucoup Fish』は、ダニー・ボイルのヒット映画『トレインスポッティング』で「Born Slippy NUXX」が大々的に使用された後に発表された(「Born Slippy NUXX」は全英シングルチャートでバンド最高位の2位を記録)。それが故に『Beaucoup Fish』は1999年で最も期待されたリリースのひとつとなり、実際にもアンダーワールドの並外れたヴィジョンが貫ぬかれている。シカゴ・テクノやデトロイト・テクノの影響がミックスされたオープニングの「Cups」から、暗い明かりがチカチカするクロージングの「Moaner」まで、『Beaucoup Fish』に収録されている全11曲は、いかにアンダーワールドが持ちうるソングライティングのロジックが多様にあることを物語っている。

アンダーワールドの周辺では、サウンドを模倣した二番煎じの作品が世に出ることもあったが、『Beaucoup Fish』で作り上げたアンダーワールドのサウンドは確実に彼らだけのものだった。リック・スミス、ダレン・エマーソンとカール・ハイドが、ロムフォードのテラスのある家のベッドルームで最初に音楽を書いていた時に作っていた型があったとしても、それはとうに壊されていた。『Beaucoup Fish』は当時のエレクトロニックのスタイルをいくつも取り入れていたものの、その結果で出来上がったものは全く独自のものであった。

『Beaucoup Fish』からは「Moaner」、「Push Upstairs」、「Jumbo」、「King Of Snake」そして「Bruce Lee」がシングルで登場した。今回のデラックス版の2枚目では、当時のレコーディングから未発表のテイクが11曲収録。そして3枚目と4枚目のディスクには、ファットボーイ・スリム、スラム、ソルト・シティ・オーケストラやアダム・ベイヤーによるアルバム・トラックのリミックスが収録されている。

『Beaucoup Fish』のスーパー・デラックス版は12” x 12”のハードケースのボックスに入れられ、好評だった『dunobasswithmyheadman』(2014年)と『Second Toughest In The Infants(邦題:弐番目のタフガキ)』(2015年)といった今までの発売されてきたデラックス版にさらに花を添える。また、このエディションにはアルバムについて書かれたエッセイも収録された60ページのブックレットも含まれる。以前のように、リマスタリングはバンドのリック・スミスがアビイ・ロード・スタジオで行った。すべてのパッケージとアートワークはアンダーワールドの長年のコラボレーターTomatoが担当している。

アンダーワールドのカール・ハイドとリック・スミスは最近、マンチェスター・ストリート・ポエムというインスタレーションをマンチェスター・フェスティバル2017の一環として披露した。このプロジェクトは、マンチェスターでホームレスとなってしまった人々の物語をハイライトしたものでその全模様はYouTubeに公開されている。彼らが最後に行ったライヴはロンドンのアレグザンドラ・パレスで、チケットはソールド・アウトとなり、現在まででバンドにとって最大のヘッドライナーとしてのライヴだった。

Written by Tim Peacock



アンダーワールド『Beaucoup Fish』

   

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