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“フィリー・ソウル”のパイオニアと称されるトム・ベルが79歳で逝去

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Thom Bell - Photo: Michael Kovac/Getty Images for NARAS

プロデューサー、ソングライター、アレンジャーとして活躍し、“フィラデルフィア(フィリー)・ソウル”のパイオニアと称されるトム・ベル(Thom Bell)が79歳で逝去した。

トム・ベルの仕事は、デルフォニックス、スピナーズ、オージェイズなど、数え切れないほどの伝説的グループや高い評価を得ているアーティストたちとの作品で知られており、スピナーズの「I’ll Be Around」やスタイリスティックスの「Betcha By Golly Wow」、オージェイズの「Back Stabbers」、エルトン・ジョンの「Mama Can’t Buy You Love」といった人気シングルの作曲・編曲を手掛けてきた。

また、彼は1975年にグラミー賞の“プロデューサー・オブ・ザ・イヤー”を受賞している他、2006年にはソングライターの殿堂入りを果たしている。

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I'll Be Around (2003 Remaster)

その生涯と追悼の言葉

ジャマイカのキングストンで生まれたトム・ベルは、幼少期にフィラデルフィアへと移り住み、クラシック音楽を学びながら育った。10代の頃には、ケニー・ギャンブル、レオン・ハフ、ダリル・ホール(その後ホール&オーツで伝説的なキャリアを築くことになる)と共演し、その後、スタジオ・ミュージシャン、アレンジャーとして働き始めたフィラデルフィアのカメオ・レコードでの仕事によって、ソウル・ミュージック界で初めて大きな成功を手にした。

ヒプノシスの創設者であるメルク・マーキュリアディスは自身のインスタグラムで次のように追悼している。

「我々は日々“偉大”、“レジェンド”、“アイコン”、“スーパースター”、“天才”といった形容詞を使って人を表現しています。トム・ベルはそのすべてを合わせて10倍にしたような人でした。トム・ベルは過去50年間の最大のスマッシュ・ヒット(文化的重要な)を手掛けただけでなく、全てソングライターが彼らのお気に入りとして挙げるソングライターでもあります。ナイル・ロジャースとエルトン・ジョンがここにタグ付けされているのは、彼らがそのことを知っているからです。二度と彼のような人に出会うことはないでしょう。トム・ベルに相応しい言葉は“スペシャル”です。 彼が手掛けた曲で、それなしでは生きていけないという曲は100曲はあります。今日、私はそれらすべてを再生し、感謝を捧げたいと思います。 一生涯 、感謝しています」

2021年に行われたConsequenceとのインタビューで、トム・ベルは自身のスタイルについてこう語っていた。

「曲を書く時、 最初の一音から人々の心を掴むようなイントロを作ることを心掛けています。人々の心を掴むために、真の感情を伝えるために私は曲を書いています。ラブストーリーを語るのに、ラブストーリーの部分だけを語るのではなく、物語の全てを伝えたいんです。私のアレンジは、いつもそうして伝えることができるのです」

The O'Jays – Back Stabbers (Official Soul Train Video)

Written By Sam Armstrong




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