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テンプテーションズの代わりに歌うことになったエドウィン・スターの反戦アンセム「War」

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Edwin Starr

1979年8月29日、モータウンのビッグ・アクトにしては、少しストレートすぎると見なされた反戦アンセムが、素晴らしいソウル・シンガーによってリリースされ、チャートのトップに立った。すでに素晴らしい経歴を持ってモータウン入りしたものの、トップがいる円卓の仲間に入れてもらえなかったエドウィン・スターが、全米で最もホットなシングル「War(邦題:黒い戦争)」をリリースし、全米シングル・チャートの1位を3週連続でキープしたのだ。

曲はバレット・ストロングが書き、ノーマン・ホイットフィールドをプロデューサーに迎え、最初のヴァージョンはテンプテーションズがレコーディングしていた。このクリエイティヴなコンビは最先端の社会的な主張をしていたが、モータウンはこれをシングルとしてリリースすれば保守的なファン・ベースを遠ざけてしまうのではないかと懸念していた。政治的な関心が強かった当時の学生たちは、テンプテーションズのヴァージョンをリリースするようモータウン・レコードに懇願したが、モータウンは別の手段を取ることにした。

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ノーマン・ホイットフィールドは新しいヴァージョンを、1942年ナッシュヴィル生まれ、クリーヴランド育ちの本名チャールズ・ハッチャー、芸名エドウィン・スターでレコーディングすることにした。エドウィン・スターはデトロイトのレーベル、リック・ティックで1960年代に「Agent Double-O-Soul」や「Stop Her On Sight (S.O.S.)」などの名曲でその名を馳せ、モータウンがリック・ティックを買収したことでモータウンに移籍してきたのだ。

曲の新しい解釈はソウル・クラシックとなり、歌詞は明らかに反ベトナム戦争だが、悲しいことにそれ以降も思い当たる出来事が世界では起き続けている。エドウィン・スターのパワフルなヴォーカルは、心からの怒りやイラつきの感情を伝えた。チャート入りして8週目には、「War」とは真逆なロマンチックで大人の雰囲気満載だったブレッドの「Make It With You(邦題:二人の架け橋)」からトップの座を奪った。

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「War」は当然グラミー賞で最優秀男性R&Bヴォーカル・パフォーマンスを受賞、世界的にヒットし、11月には全英チャートで3位を記録した。そしてその力強いメッセージは未来の世代にも受け継がれていった。フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドは1984年の初期の大成功の真っ只中にカヴァーをレコーディングした。2年後、ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドのライヴ版が1985年にロサンゼルス・コロシアムでレコーディングされ、全米トップ10入りを果たした。そして、現在のロックの人気者、ブラック・ストーン・チェリーもアルバム『Kentucky』にカヴァーを収録している。

Written by Paul Sexton

戦争!大っ嫌いだ!
戦争なんて、なんの罪もない人たちの人生をぶっ壊すだけだ
戦争なんて、何千もの母の瞳に涙を浮かべるだけだ、
彼女たちの息子が戦地に行って、亡くなってしまった時に
           ~エドウィン・スター「War」より



エドウィン・スター『War & Peace』

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