テイラー・スウィフト最新作『Red (Taylor’s Version)』本人による楽曲解説

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Photo: Courtesy of UMG

2021年11月12日に発売となり、発売初日にSpotifyで記録を更新し、Apple Musicでは64か国で1位を獲得しているテイラー・スウィフト(Taylor Swift)の最新作アルバム『Red (Taylor’s Version)』。

2012年に発売され日本でも100万枚を超える売り上げを記録した『Red』を再録音して、9曲の未発表の新曲が追加されたこのアルバムの収録楽曲からピックアップされた12曲について、テイラー本人による解説を掲載します。

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2. Red (Taylor’s Version)

このアルバムのタイトル曲である「Red」は、私が愛してやまないカントリーと、よりポップでロックな感覚を組み合わせた曲だと思う。この曲は、ポップスやロックとしても演奏できるし、ブルーグラスのように演奏することもできる、まさにハイブリッドな曲のひとつ。自分の音楽にもっと広がりや幅を持ちたいと思わせてくれた曲のひとつ。これが私が奏でたい音楽。

でも、歌詞の中では、誰かを愛するということがどういうことなのかを、あらゆる比喩を使って表現してる。新車のマセラティを運転して、行き止まりの道を通るとか。作詞家として、私は比喩するのが好き。だから、この曲は基本的に、失恋に関連する比喩を並べたもの。彼を失うことは青で、彼を恋しく思うのはダークグレーで、彼を愛することは赤だ、ってね。私にとってこの曲は、このアルバムで言いたかったことのすべてを表してる。だから、この曲を再訪することができたのは素晴らしいことだった。

 

4. I Knew You Were Trouble (Taylor’s Version)

「I Knew You Were Trouble」は、自分がどんな音楽を作りたいのか、どんな音楽を作ったとしても許されると感じることができるのか、っていう自分の視野を広げるきっかけになった曲。この曲を書こうとしていた時(*2012年)では、私は厳格なカントリー・アーティストで、たまにポップなメロディーで作曲しているぐらい。

でも、この曲のアイデアを(プロデューサーの)シェルバックとマックス・マーティンに持ち込んだとき、元々はピアノのバラードで、すごく悲しいダウンテンポの曲になると思っていた。でもシェルバックはひと通り見た後に「ダブステップのベースドロップのようにしたらどうだろう」と言ったのを覚えてる(笑)。私は「うーん、そうだね!やってみよう」って。スタジオで『Red』を制作していた間で、最も衝撃的な瞬間のひとつだった。曲を作っている間ずっと、私たちは「こんなことできる?本当にできる?こんなことが許されるのかな?」って思ってた。

私は、クリエイティブなアイデアに対して「これは許されるのか」と言う瞬間が大好き。なぜなら、それは実際に自分が境界線を押し広げているということだから。つまり、自分の限界を超えているということだと私はその時学んだ。「こんなことをしてもいいのか」という違和感を感じることを。それは『forklore』を作っているときにも感じた「オルタナティブ・アルバムを作ってもいいのか?」みたいな。時にはその感覚に耳を傾けるのも必要。

 

5. All Too Well (Taylor’s Version)

「All Too Well」は、私にとってとても神聖なストーリーを持つ曲。というのも、この曲のストーリーがアルバムの中で最も好きだから。アルバムをリリースしたときに、この曲がシングルにならないことも、ミュージック・ビデオにならないこともわかっていたけど、自分のお気に入りの曲であることは間違いなかった。

とてもクレイジーだったのは、この曲が世に出たときに、ファンの間でもこの曲が一番のお気に入りだと決められたこと。みんなは、この曲を『Red』の中で最も重要な曲だと主張してくれて、アルバムが発売されてから半年、グラミーでこの曲を演奏することになった。ラジオで大ヒットした他の曲よりもこの曲を演奏してほしいと言われて。だから私にとってこの曲は、ファンのみんながこの曲のためにしてくれたことを物語るものになった。振り返ってみると、とても特別なことで、その曲にもう一度取り掛かれたのは最高だった。

 

6. 22 (Taylor’s Version)

「22」は、私が22歳のときに感じていたことをそのまま書いた曲。歌詞にあるように幸せで、自由で、混乱していて、同時に孤独でもあった。多くの22歳の人が感じていることだと思うし、私たちは皆、常々そのように感じる。

飛行機に乗っているときにこの曲を書いて、マックス・マーティンとシェルバックのところに持っていったんだけど、彼らはこのアイデアを気に入ってくれて、あっという間にできあがった。彼らは、「オー・マイ・ゴッド、はっきりわかる、君がこの曲をどうしたいかが正確に伝わったよ」と言ってくれた。いつも私は最も伝染力のあるコーラスを求めていたんだけど、この曲はまさにそれを実現していると思う。

誰かが22歳になったときに、この曲をソーシャルメディアの投稿に取り入れたり、この曲でダンスをしているのを見るのが大好き。そういうのを見ると、最高にクールな気分になる。私はもう32歳になるけど、その時の誕生日パーティーでこの曲を演奏することになると思う(笑)。

 

8. We Are Never Ever Getting Back Together (Taylor’s Version)

「We Are Never Ever Getting Back Together」の今回のバージョンには、とても興奮してる。なぜなら…この曲は大勢の人が歌詞を叫び返してくれる中でパフォーマンスすることが本当に幸せだから。

(歌詞では)別れを面白おかしく表現してて、別れてはくっついて、別れてはまたくっつくカップルのことを歌ってる。悲しいことがたくさんあるけど、ある時点では、面白くなってくる。「We Are Never Ever Getting Back Together」でやったような表現をすればね。

1回目に作ったときも、2回目に作ったときも、とても素晴らしい時間を過ごすことができたので、この曲が再び世に出るのが待ち遠しい。

 

11. Holy Ground (Taylor’s Version)

「Holy Ground」は、『Red』に限らず、私が参加した全ての曲の中でも最も好きな曲のひとつ。今回、アルバム『Red』を再発売するにあたって特別好きだったのは、オリジナルのプロデューサーたちが皆、このプロジェクトに戻りたがっていたこと。

ジェフ・バスカーとの仕事は、『Red』を制作したときのハイライトのひとつで、彼がアルバムに収録されている自分の曲をやり直したいと言ってくれたことは、とても嬉しかった。この曲は、ハイライト動画を再生するように昔の二人が分かち合った美しく切ない瞬間を振り返るという内容。この曲は、今でも私のお気に入りの一つだと思う。

 

14. Everything Has Changed (feat. Ed Sheeran) (Taylor’s Version)

「Everything Has Changed」はエド・シーランと一緒に作った曲で、裏庭のトランポリンの上で作った曲だと思う。キュートすぎない?(笑)。彼は一生大切にしたい友人で、当時の私たちの人生を振り返ると、その後すぐに一緒にツアーに出て、たくさんの楽しい時間を過ごしたけど、この曲がすべての始まりだった。

今、この曲のことを考えると、ステージ上でお互いに顔を見合わせて、相手を笑わせようとしている様子が思い浮かぶ。私にとってこの曲は、すべての思い出と楽しい時間。この曲のことを考えると、頭の中には友情のモンタージュが浮かんでくる。この曲に参加するのは本当に楽しかった。エドが『Red』の曲をやり直したいと言ってくれたのは、本当に本当にありがたかった、だから、イェイ!

 

23. Nothing New (feat. Phoebe Bridgers) (Taylor’s Version) (From The Vault)

「Nothing New」という曲は、22歳のときにツアー中で作った曲、確かオーストラリアだったと思う。違う、ニュージーランドだ。いや、ニュージーランドとオーストラリアの公演で、それぞれの場所で少しずつ書いたんだ。

私のキャリアの中では、4枚目のアルバム(*『Red』のこと)を制作していた時期で、まだ22歳だったにもかかわらず、自分がもう古い存在になったと感じてた。どの新人アーティストも、ファースト・アルバムやセカンド・アルバムを出すときには、人々にとって自分のすることすべてが興味深く、刺激的で、輝かしい段階にいることを理解していないと思う。

そして、ブレイクした後に初めて、みんなに見せるための別の自分の姿を見つけなければならないことに気づく。なぜなら、人々はあなたが真新しい時と同じようには反応しないから。私はそのような視点から曲を書いていたと思う。

年齢的にはとても若かったけど、4枚目のアルバムでは「まだ誰か興味を持ってくれてる?私がやっていることをみんな楽しみにしてくれてる?彼らがいなくなってしまったとき、私はどうすればいいの?」そんなふうに考えてて、真新しくあることに囚われてた。

フィービー・ブリジャーズは私の大好きなアーティストの一人で、驚異的な存在。この曲をデュエットで録音することに彼女が喜んでやってくれたとき、私はとても感動し、光栄に思った。彼女はこの曲を聴いたときに、この曲が女性にとってどのような意味を持つのか、斬新さや新しさ、若さについて教えられてきたことについて、とても素晴らしい見解を示してくれた。この曲が私たちにとってどのような意味を持っているのか、とても素晴らしい話ができた。彼女と一緒にレコーディングできたことは本当に素晴らしい体験だった。

 

25. Message In A Bottle (Taylor’s Version) (From The Vault)

「Message In A Bottle」は、とても楽しい曲。キャッチーだし、メロディーも伝わりやすい。マックス・マーティンと私、シェルバックの3人で初めて作った曲で、その後、「We Are Never Ever Getting Back Together」や「I Knew You Were Trouble」、「22」とかの曲を作ったけど、それらの曲が『Red』でやりたいことを表現してると思った。

そして最終的に、「Message In A Bottle」が大好きだからいつかどこかで出そうとずっと言ってた。今回は、世界に向けて発表する初めての機会になったから、3人ともとても楽しみにしてる。

 

26. I Bet You Think About Me (feat. Chris Stapleton) (Taylor’s Version) (From The Vault)

「I Bet You Think About Me」という曲は、私が一番大好きなシンガーソングライターであるロリ・マッケンナと一緒に作った曲。彼女とはずっと一緒に仕事をしたいと思っていて、『Speak Now』のツアーで(マサチューセッツ州の)フォックスボロ・スタジアムで公演があったときに、彼女の家で一緒に書いた曲。

この曲は、コメディタッチの毒舌で、面白くて、誰にどう思われようと気にしない、別れの曲のようなものにしたかった。というのも、『Red』にはさまざまなタイプの失恋ソングがあって、とても誠実なものもあれば、とてもストイックなものもあり、胸が張り裂けそうなほど悲しいものもある。私たちはこの曲を、「もう何も気にしない」と思える瞬間にしたかった。この曲で人を笑わせたいと思ったし、ある種お酒を飲んで酔っ払ったときの歌みたいなものにしたいと思ってた。結果的にそれを作り上げられたと思う。

 

28. Run (feat. Ed Sheeran) (Taylor’s Version) (From The Vault)

「Run」は、エド・シーランと初めて一緒に作った曲で、私たちの友情の始まりの日を記すようなものでもあるので、私にとって特別な曲。エド・シーランは、私の人生においてとても重要な存在で、最も親しい友人の1人。彼はいつも私をサポートしてくれる。

この曲は、私たちがお互いを知った最初の日に書かれたもの。内容は恋に落ちたときの逃避行のような、誰が何と言おうと気にせず、誰かと一緒に逃げ出したくなることを歌ってる。そして、その人との間に築いた小さな秘密や、一緒に創り上げた秘密の世界について歌ってるの。

 

29. The Very First Night (Taylor’s Version) (From The Vault)

「The Very First Night」は、エスピオナージュというプロダクション・グループと一緒に作った曲。彼らはとてもクールで才能に溢れてる。私はこの曲をとても気に入っていて、いつの日か世に出るだろうと自分に言い聞かせていたんだけど、オリジナルの『Red』には収録されなかったので、一緒に作った曲を聞いてもらえるのは今回が初めて。

この曲は、アルバム『Red』の中心的なテーマである「追憶」についての曲。もう終わってしまったことを思い出したり、楽しかったことを思い出したり、思い出がいかに強力なものであるかを表してる。

Written By uDiscover Team



テイラー・スウィフト『Red (Taylor’s Version) 』
2021年11月12日発売
CDデラックス盤 / CD通常盤 / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

・日本盤デラックス盤仕様:CD2枚組/歌詞対訳/ライナーノーツ付/紙ジャケ仕様/ギター・ピック付
・日本盤通常盤仕様:2枚組/歌詞対訳/ライナーノーツ付

テイラー・スウィフト『Fearless (Taylor’s Version) 』
2021年4月9日発売(日本盤CDは4月30日)
日本盤CDデラックス / iTunes Store / Apple Music / Amazon Music



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