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ザ・ポップ・グループの元ギタリストのジョン・ワディントンが63歳で逝去。その功績を辿る

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John Waddington (far right) with The Pop Group - Photo: David Cotio/Redferns

UKのポスト・パンク・バンド、ザ・ポップ・グループ(The Pop Group)の創設メンバーで、元ギタリストのジョン・ワディントン(John Waddington)が2023年6月20日、63歳で逝去した。

この訃報は、翌21日にバンドの公式ツイッターから次のような声明と共に伝えられたが、彼の死因はまだ明らかにされていない。

「影響力のあるミュージシャンであり、グループにとって不可欠なメンバーだったジョンは、バンドの最も象徴的なレコーディングのいくつかに貢献しました。彼のエネルギーと友情は非常に惜しまれ、彼の忘れがたい音楽性はこれからも記憶されるでしょう」

ジョン・ワディントンの死は、同じザ・ポップ・グループのフロントマンとして知られるマーク・スチュワートが今年4月21日に他界してからわずか2ヶ月後のことだった。

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She Is Beyond Good And Evil (Remastered)

 

その生涯

1960年1月1日生まれのジョン・ワディントンは、17歳の時に初めて加入したパンク・バンド、ザ・ボーイフレンズで、ヴォーカリスト、ギタリスト、メイン・ソングライターを務めるが、同バンドは短命に終わり、1977年にブリストルでギャレス・セイガーと共にザ・ポップ・グループを結成。

彼は、1979年初頭にエルヴィス・コステロやニック・ロウとも契約したレーベル、レーダー・レコード(Radar Records)からリリースされたバンドの記念すべきデビュー・シングル「She Is Beyond Good And Evil」をはじめ、『Y』、『How Much Longer Must We Tolerate Mass Murder? 』という最初の2作のアルバムに参加している。

レゲエ・ミュージシャンのデニス・“ブラックベアード”・ボーヴェルがプロデュースを手掛けたデビュー・アルバム『Y』は、パンクのみならず、ファンク、ダブ/レゲエといった思いがけないジャンルからの影響も取り入れた実験的な作品で、ファクト誌は、このアルバムのサウンドを「ファンク、フリージャズ、ジャマイカ製のオーディオ的錯乱、アヴァンギャルドの譫妄のようなモンタージュ」と評している。

アルバム『Y』は、ミニットメン、プライマル・スクリーム、ソニック・ユース、ニック・ケイヴといったアーティストが、彼らの音楽に影響を与えたレコードとして挙げているように、永続的なインパクトを残した。ミニットメンとザ・ストゥージズのベーシストであるマイク・ワットは、Louder Than Warのインタビューの中で、「ザ・ポップ・グループは“ファンカデリックをキャプテン・ビーフハートと融合させるんだ”と言っていたんだ。アリだよね」と語っていた。

The Pop Group – Forces of Oppression

 

1980年にレーダー・レコードからラフ・トレードへと移籍したザ・ポップ・グループは、反資本主義的なメッセージが込められたシングル「We Are All Prostitutes」で高い評価を獲得し、続くセカンド・アルバム『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? 』、またその直後にドラマーのブルース・スミスが所属し、ディック・オデールが共同マネージャーを務めるバンド、ザ・スリッツとのスプリット・シングル「Where There’s a Will」をリリースした。

当時のラインナップでの最後のライヴは、1980年、核軍縮キャンペーンの一環で、トラファルガー広場に集まった50万人の観衆を前に行われたパフォーマンスだった。1981年、バンドはさまざまな内部不和により解散に至る。

The Pop Group – We Are All Prostitutes (Official Video)

マーク・スチュワート、ギャレス・セイガー、ブルース・スミスは、2010年にザ・ポップ・グループを再結成したが、ジョン・ワディントンは参加しなかった。

ザ・ポップ・グループを脱退後、彼は同じブリストル出身のポスト・パンク・バンド、マキシマム・ジョイのデビュー・アルバム『Station MXJY』やジュディ・ナイロンの作品、ニュー・エイジ・ステッパーズ、アフリカン・ヘッド・チャージといったオンユー・サウンド・レコーズ(On-U Sound Records)系列のプロジェクトに参加。彼にとって最後の参加作品は、リリー・アレンの2006年のアルバム『Alright, Still』だと言われている。

Written By Tim Peacock



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