エミネムの大ヒット「Without Me」が自身初のSpotify30億回再生突破
「It feels so empty without me(俺がいないとまるで空っぽだろ?)」
エミネム(Eminem)は2002年の大ヒット曲「Without Me」でそう宣言した。幸い、その言葉に共感したリスナーにとって、この曲は決して色あせることなく、今なお多くの音楽ファンに絶大な人気を誇っている。
そしてこの度、世界最大のストリーミング・プラットフォームであるSpotifyにおいて、エミネムの楽曲として初めて30億回再生を突破した。
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「Without Me」は、Spotify史上54曲目の30億回再生突破曲となる。さらに2002年のもう一つの代表曲「Lose Yourself」も現在29億回再生に迫る勢いで、まもなく同記録に並ぶ見込みだ。
本名マーシャル・マザーズとして生まれたエミネムは、「Without Me」と「Lose Yourself」のほかにも、「Till I Collapse」「The Real Slim Shady」「Love The Way You Lie」「Godzilla」「Mockingbird」「Rap God」「Stan」「The Monster」「Not Afraid」「Superman」「Smack That」「Forgot About Dre」「Airplanes Pt. II」という15曲をSpotifyの“Billions Club”(10億回以上再生された楽曲)リストに送り込んでいる。
大ヒットとなった「Without Me」と多用なオマージュ
「Without Me」は、その傑出したストリーミング数が物語る通り、エミネムのキャリアにおいて最も高い評価と成功を獲得したシングルの一つだ。アルバム『The Eminem Show』からのリード・シングルとして、2002年5月にリリースされた同曲は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で最高2位を記録し、当時のエミネムにとって最大のヒット曲となった。
また2003年には、グラミー賞の主要部門である“年間最優秀レコード賞”にノミネートされたほか、批評家からも高い評価を受け、Village Voiceによる年間ランキング“Pazz & Jop”では5位にランクインしている。
エミネムがDJヘッドとジェフ・バスと共同プロデュースを手がけた「Without Me」には、従来のサウンドにエレクトロニック・ダンス・ミュージックの要素が取り入れられているが、「Nobody listens to techno(テクノなんて誰も聴いてない)」という歌詞でモービーを揶揄しているのは皮肉な演出とも言える。
また、ヒップホップ史へのオマージュも随所に盛り込まれており、冒頭のフレーズ「Two trailer park girls go ‘round the outside(2人のトレーラー・パーク・ガールズが外でぐるぐる回りながら踊ってる)」は、マルコム・マクラーレンが1982年に発表したヒップホップ・ヒット「Buffalo Gals」への言及だ。
このリリック引用により、「Buffalo Gals」の作者であるマルコム・マクラーレン、トレヴァー・ホーン、アン・ダドリーは、エミネムおよび共同プロデューサーと並んで「Without Me」の作詞・作曲クレジットに名を連ねることとなった。
Written By Devon Clarke
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