レッキング・クルーのメンバーとして活躍したギタリストのビル・ピットマンが102歳で逝去

Published on

Bill Pitman - Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、バーブラ・ストライサンドなどに楽曲を提供した伝説のセッション・ギタリスト、ビル・ピットマン(Bill Pitman)が2022年8月11日の夜、カリフォルニア州ラキンタの自宅で逝去した。 享年102歳だった。

妻のジャネット・ピットマンがニューヨーク・タイムズ紙の取材に語ったところによると、彼は転倒による脊椎骨折の治療でパーム・スプリングスのリハビリセンターで4週間の入院生活を経て、最後の1週間は自宅でホスピスケアを受けていたという。

<関連記事>
2022年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
ロック界のベスト・サイドマン10人:正当に評価されるべきミュージシャン達

ビル・ピットマンは、音楽史上最もヒットした数々のレコーディングに参加したことで世界的にその名が知られるようになったロサンゼルスで最も優れたセッション・ミュージシャン集団、レッキング・クルーのメンバーとして活躍したほか、多くの映画やテレビ音楽でも演奏している。

レッキング・クルーは、バーズの「Mr. Tambourine Man」やママス&パパスの「California Dreamin’」といった数千ものヒット曲に参加した非常に有能で崇拝されたスタジオ・ミュージシャン集団で、彼らの演奏が60年代から70年代初頭のラジオでのポピュラー音楽のサウンドを定義した、つまり、史上最も多くのレコーディングに参加したバンドであると言っても過言ではない。

レッキング・クルーに参加したミュージシャンの数は、雇用形態が非正規であったり、彼らの仕事の多くがクレジットされなかったこともあり、正確には知られていないが、ビル・ピットマンに加え、彼らの活動時期にメンバーだった代表的なミュージシャンには、アール・パーマー、バーニー・ケッセル、プラス・ジョンソン、アル・ケイシー、グレン・キャンベル、ジェイムス・バートン、レオン・ラッセル、ラリー・ネクテル、ジャック・ニッチェ、マイク・メルヴォイン、ドン・ランディ、アル・デロリー、ビリー・ストレンジ、ハワード・ロバーツ、ジェリー・コール ルイ・シェルトン、マイク・ディージー、ライル・リッツ、チャック・バーグホーファー、 ジョー・オズボーン、レイ・ポールマン、ジム・ゴードン、チャック・フィンドリー、 オリー・ミッチェル、ルー・マクレアリー、ジェイ・ミグリオーリ、ジム・ホーン、スティーヴ・ダグラス、アラン・ボイトラー、ロイ・キャトン、ジャッキー・ケルソらがいる。

ビル・ピットマンは当時を振り返り、レッキング・クルーでの仕事が信じられないほど多忙だったことを明かしていた。

「朝7時に家を出て、9時から昼までユニバーサルにいる。午後1時にキャピトル・レコードに行けば、ちょうどいい時間だ。4時にジングルを録って、8時に誰かとデートして、真夜中にはビーチ・ボーイズと仕事さ、それを週5日やってたんだ…なんてこった、燃え尽きるよ」

Written By Sam Armstrong



Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了