トゥパックのロックの殿堂授賞式でのスヌープ・ドッグによるスピーチ全文掲載

4月 12, 2017


トゥパックのロックの殿堂授賞式でのスヌープ・ドッグによるスピーチ全文掲載

2017年4月7日に行われたロックの殿堂の受賞式にて、ラッパー/ミュージシャンのトゥパックが受賞しました。当日は故人のトゥパックの代わりに親友であったスヌープ・ドッグが出席し、受賞スピーチをしました。そのスピーチの全文を掲載します。


YouTubeの動画でもなく、映画やホノグラムでもない、生きてる人間としてのトゥパック・アマール・シャクールの声を最後に聞いてから、21年も経ったなんて、本当に信じられない。21年前のラスベガスで、トゥパック・シャクールの命は奪われてしまった。まだ25歳だった。25歳って、今の俺の長男の年に近いんだよ。俺のレーベルメイトであり、仲間であり、兄弟(ブラザー)だったあいつ(トゥパック)について、じっくり考えていると、何度も頭に浮かんできたことがある。トゥパックは、生身の人間だったってことだ。今じゃあいつのことを、サグなスーパーヒーローのように思っている人も多いけれど、やつは普通の人間だった。そして、あいつはその音楽を通じて、自分がただの人間であることを誰よりも見事に表現していた。自分が人間であるという事実から尻込みすることなく、自分が普通の人間であることを名誉の印のように受け入れていた。全く悪びれることのないリアルさで、トゥパックは(人間の)矛盾を受け入れ、俺たち(ラッパー)は誰かが書いた物語のキャラクターじゃないってことを証明したんだ。人間であるってことは、一度に色んな要素をあわせ持つってことだ。強さと脆弱さ、頑固さと知性、勇気と恐れ、愛情と復讐。革命的であること、そして――そう、これは重要だからな――ギャングスタであること。


2pac_rockhall音楽史の中でも特に多くの作品を残し、歯に衣着せずものを言ったトゥパックが、偉大なミュージシャンに加わり、殿堂入りを果たす。俺たちは今日、それを祝福するためにこの場所にいるわけだが、俺はパックが望むような形で、パックの思い出を語りに来た。あいつは、自分/家族/仲間のために闘う強い黒人男性だった。俳優やラッパーじゃなく、一人の人間としてな。だからこそ(トゥパックが人間として、強い黒人男性であったからこそ)、『ビート・オブ・ダンク(原題:Above the Rim)』や『ジュース』といった映画で、あいつは素晴らしい演技ができたし、黒人に対する不当な仕打ちに対し、堂々と顔を上げて抗議できたんだ。そして俺たちは、あいつが生きていた頃も、そして亡くなった後も、あいつがやったこと全てに夢中になった。だからこそ、トゥパックは、史上最も偉大なラッパーとなったのさ。

だが俺にとってやつは、何よりもまず仲間だった。俺たちには共通点が多かった。俺たちの旅は一緒に始まったんだ。俺たちは2人とも1971年、同じ年の生まれだ。あいつがファースト・アルバム『2Pacalypse Now』からのファースト・シングル「Trapped」をリリースしたのは、1991年の後半。それから1年もしないうちに、俺はDr. Dreの「Deep Cover」でデビューした。そして1993年、ようやくトゥパックと会う機会が訪れた。映画『ポエティック・ジャスティス/愛するということ(原題:Poetic Justice)』の打ち上げがL.A.であったんだ。その夜、あいつがブラント(シガーの巻き紙を使った太巻きのマリファナ)を回してきた。実話だぞ。そうだ、トゥパックがスヌープ・ドッグにブラントを吸わせたんだ。それまでの俺は、ジョイント(煙草の紙で巻いた細巻きのマリファナ)派だったのさ。その夜から俺たちは、すぐに親友になった。そして1995年、俺はシュグ・ナイトにこう言った「シュグ、トゥパックを刑務所から出して、Death Row Recordsのチームに入れてくれ」って。そう、(Death Rowは)史上最高にヤバいレコード・レーベルだ。そして、俺たちの友情は、まるでプレイヤー同士の友情って感じになっていった。それまでのあいつにはチーム(仲間)はおらず、いつも一人だった。でも俺たちと一緒になったことで、やつはロサンゼルス・レイカーズに入団したみたいなものだった。ドレーがコーチで、シュグがオーナー、俺やトゥパックはコート上のスター選手で、新曲を出すたびに歴史を作っていた。

俺たちは若くて、リッチでロック・スターだった。でも同時に、批判の標的となる若い黒人でもあった。同じ時期に警察に捕まってたしな。俺たちは、まさにアメリカの最重要指名手配犯2人だったんだ。やつは刑務所から出たばかりで、俺も無罪判決を受けたところだった。俺がピーナッツバター色の内装を施した白いロールス・ロイスを買ったら、やつはそれを見て、同じ内装で黒のロールス・ロイスを買っていたよ。あいつのお抱えだった洋服の仕立て屋に、ヒューゴ・ボスのスーツを仕立ててもらったこともある。マフィア・スタイルだね。あいつのおかげで、俺は重鎮プレイヤーっぽいスタイルを覚えたんだ。グッチとか、ヴェルサーチとか、俺には発音さえできないようなブランドとかさ。俺がウィルシャー・ブルヴァードにペントハウス・スイートを買ったら、あいつは2週間後に廊下を挟んだ向かいのペントハウス・スイートを買った。ご近所さん2pac_rockhall_2ってワケだ、分かるか? 俺たちに同世代の仲間はいなかった。黒人のガキが2人して、なんとかして男になろうとしていたのさ。

この話は、今までしたことはないんだけど、俺たちの旅についての話だ。ちょうど俺は無罪判決を受けたところで、シュグが俺たちを南米に連れて行ってくれたんだ。全ての喧噪から離れようってね。そこで、俺とトゥパックはパラセイリングをしたんだ。聞き間違いじゃない、スヌープ・ドッグとトゥパックが、一緒にパラセイリングをしたんだ。俺たちを引っ張るボートはシュグが操縦していたよ。いいか、俺は無罪になったばかり、トゥパックは保釈されたばかり、あの時の俺たちは、何でもやってやろうって感じだった。パラセイリングって、何だか知ってるか? 俺たちは全然知らなかった。俺とやつはボートのへりに座って、用具を体につけて、急にボートから引き離されたと思ったら、空中に浮いたんだ。俺たちはハンパなく怖がって、思わず手を握り合いそうになったよ。シュグのやつがレバーを下げると、俺たちは水面にバシャーンって叩きつけられて。水中にはサメとかタコとか、何がいるか分んないだろ、だから俺は、「おい、ふざけんのはいい加減にしてくれよ!!」って言ってたよ。クレイジーだったな。俺たちは当時、自分たちが世界の頂点にいるラッパーだと思っていたけど、実際にパラセイリングで空に浮かんで、世界の頂点にいたんだからな。そしたらいきなりトゥパックが、俺に映画のアイデアを話してきた。俺が主演で、やつが何かで、って空高く飛び過ぎてたから、全く聞いてなかったけど。

それでも、あの時にあいつが話していたことは、普通とは違ってた。やつは、俺を俳優として見ていたんだ。俺が自分で思っている以上に、やつは俺の中に大きな可能性を見出していたよ。やつが亡くなった後、俺は色んな映画に出演しはじめた。そして俺はいつも思ってたんだ。亡くなった後でも、パックは親友のことを見守ってくれてるって。これがパックのいいところなんだ。誰かを愛したら、とことん愛す。黒人を愛し、仲間を愛し、レコード・レーベルを愛し、そしてもちろん、信じられないほどに強く、そして美しい母親、故アフェニ・シャクールを愛していたのさ。

ミス・シャクールの思い出は、俺の脳裏に刻み込まれてる。トゥパックが撃たれたと聞いた直後、俺はベガスに飛んだ。病室に入ると、やつが色んな管がつながれたままベッドに横たわっていて、それを見たら俺は力が入らなくなって、倒れそうになった。そしたら、彼女(ミス・2pac_rockhall_3シャクール)が俺のところに来て俺を抱きかかえて、俺をまっすぐ立たせると、こう言ったんだ。「ベイビー、しっかりしなきゃだめ」って。そして、俺はトゥパックの横に座り、愛してる、頑張れ、大丈夫だからって囁いた。あんな時ですら、ミス・シャクールは、自分のことよりも俺のことを気にかけ、いかに人を強く愛するかを教えてくれたんだ。やつのお母さんはとても強く、その愛はとても強いことに俺は驚いた。トゥパックが幼い頃から愛し方を教わっていて、あいつは音楽を通じて、俺たちみんなにその愛を分けてくれていたことに気づいたよ。だからこそ、今夜俺たちはここにいるんだ。

 

トゥパックは歴史の一部だ。やつは歴史を作ったからな。HIP HOPの歴史、アメリカの歴史を。学校にいる時と同じで、歴史について調べれば調べるほど、その知識は増えていく。だからみんなもしっかり調べものをして、映画『ALL EYES ON ME』を見て、トゥパックのあらゆる側面を知ってほしい。あいつは、みんなが思っているよりも遥かに深い。俺はラッパーとしてのトゥパック、俳優としてのトゥパックじゃなくて、トゥパックという一人の人間について話しているんだ。さて、これをもってトゥパック・シャクールをロックの殿堂に迎え入れよう。

レジェンドっていうのは、常に行動するものだ。そして、誰もその功績を奪うことなどできない。俺のブラザー(トゥパック)は、肉体という形ではここに来ることができないから、俺が代理としてこの栄誉を受けよう。トゥパック、愛してる。ロックの殿堂にようこそ、サグ・ライフ!

Snoop Dogg doing Tupac justice in his induction speech. Welcome, Tupac #RockHall2017

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