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Classical Features

マックス・リヒターが新作『ヴォイシズ』に込めた想い。世界人権デーに世界各国のラジオで放送。

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©Mike Terry

クラシックとエレクトロニカを融合したポスト・クラシカルのカリスマ作曲家として絶大な人気を集めるマックス・リヒター。映画/テレビのサウンドトラックも数多く手がけ、第63回グラミー賞でも「最優秀映像メディア・サウンドトラック部門」にノミネートされている。

To The Stars (From "Ad Astra" Soundtrack)

そんな彼の新作『ヴォイシズ』が今日、12月10日(木)、欧州放送連合(EBU)との協賛によりBBCラジオ3を始めとするヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア他、世界各地の35局にて放送される。

『ヴォイシズ』は世界人権宣言からインスピレーションを受け、構想10年以上をかけて制作された作品だ。世界人権宣言というプリズムを通じて、人間が向き合っている様々な疑問に関して、考える場所を提供したいという想いが込められている。作品は、1949年に録音されたエレノア・ルーズベルトの肉声で始まり、マックスならではの美しいメロディとアメリカの女優キキ・レインのナレーションで構成されている。

Max Richter – Richter: All Human Beings

マックス・リヒターは「世界人権宣言をどう形にしようかと考え始めた時、1949年にエレノア・ルーズベルトがその前文を読んだ録音をたまたま見つけました。彼女は世界人権宣言を起草した一人であり、彼女からスタートすることが重要でした。

一方でナレーターからは若々しさと可能性がもたらされます。というのも、世界人権宣言が謳っているのはまさに未来のこと。僕らがまだ作り得ていない世界のことだからです。

過去を書き換えることは出来ませんが、未来はまだ書かれておらず、世界人権宣言は僕らが選びさえすれば、手が届くより良い世界への明るい展望を示してくれるのです。『ヴォイシズ』はそんなインスピレーション溢れる基本原則と再び繋がるための音楽的空間だと言えるでしょう」と語っている。

この『ヴォイシズ』が世界人権デーの今日、世界各地の35のラジオ局で放送されることを記念して、マックス・リヒターとクリエイティヴ・パートナーであるユリア・マーは国連と世界を結ぶ質疑応答にも参加する予定だ。

さらに、デッカ・レコードからは『ヴォイシズ』の冒頭に収録されている「オール・ヒューマン・ビーイングズ」の新バージョンも配信リリースされた。「オール・ヒューマン・ビーイングズ」のフランス語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、英語によるナレーションをフィーチャーしたものとなっている。

ナレーションを担当するのは以下の通り。
ドイツ語:ニーナ・ホス(『イェラ』『ホームランド』)
フランス語:ゴルシフテ・ファラハニ(『タイラー・レイクー命の奪還』『パターソン』『彼女が消えた浜辺』)
オランダ語:マリーカ・ルーカス・リーネヴァルド(作家。2020年『The Discomfort of Evening』国際ブッカー賞受賞)
スペイン語:マリア・バルベルデ(「汚れなき情事』『エクソダス:神と王』『約束の馬』)
英語:シーラ・アティム(オリヴィエ賞受賞女優。BBCラジオ3の放送でも登場予定)

マックス・リヒターとユリア・マーは「こうして再び『ヴォイシズ』を届ける機会を得られたのはとても嬉しいことです。この実に奇妙で不安な時代に重要なのは、音楽を鳴り続かせ、世界人権宣言の精神を生き続かせることです。

『ヴォイシズ』をプレミア公開した2月と今とでは、世界は大きく変わってしまいました。そんな違和感と不安が渦巻く時代、パンデミックにも関わらず、世界人権デーを記念した新たな作品をリリースできることは私たちにとっての大いなる喜びです。

人類の歴史上ないほどのこの困難な時代において、世界人権宣言に謳われた言葉の持つ意味は今までになく重要なのです」と語る。

なお、マックス・リヒターは、8時間以上に及ぶコンサートで話題をさらった「SLEEP」のドキュメンタリー『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』の日本公開も決定している。

Max Richter's SLEEP – Film (Official Trailer)

神経科学者デイヴィッド・イーグルマンの協力のもと、“眠っている間に聴く音楽”として作曲された「SLEEP」は録音史上最長の1曲8時間24分21秒。2016年にはベルリンのクラブにて深夜0時から8時間、観客がベッドに寝ながら聴き、途中で寝てしまっても構わないというスタイルでライブで披露された。さらに、ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖⺟⼤聖堂など世界各地のシンボリックな場所で開催され、注目を集めている。

このまったく新しいスタイルのコンサート「SLEEP」の全貌とその裏側を、マックス・リヒターの素顔とともに追いかけた珠⽟のドキュメンタリー作品が公開となる。監督はボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョーンズ。

ドキュメンタリー『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』は、2021 年3 ⽉26 ⽇(⾦)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋⾕、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開となる予定だ。


■リリース情報

マックス・リヒター『All Human Beings International Voices』
2020年12月10日発売
Amazon Music / Apple Music / Spotify


マックス・リヒター『ヴォイシズ』
2020年9月11日発売
CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify





 

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