ピアノ協奏曲ベスト15:ベートーヴェン、ショパン、モーツァルトなどの偉大なる傑作選

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ベートーヴェン、ショパン、モーツァルト、ラフマニノフなどの作曲家による傑作をフィーチャーした、最高のピアノ協奏曲の世界へご案内。
私たちの選んだ最高のピアノ協奏曲のセレクションをご覧いただきたい。

ピアノ協奏曲ベスト:偉大なる傑作15選

15:Messiaen: Turangalila
メシアン:トゥーランガリラ交響曲

この曲は「協奏曲」と呼ばれてはいないが、オリヴィエ・メシアンの愛や性、神、そして宇宙を描いた10楽章による交響曲は、協奏曲というホームグラウンドにいるピアノ協奏曲を打ち負かすことができるほどのピアノ独奏パートがある。

1949年にレナード・バーンスタインの指揮によってボストンで初演され、後にメシアンが結婚するフランスのピアニスト、イヴォンヌ・ロリオのために書かれた。トゥーランガリラは、インドの精神性、インドネシアのガムラン、色と音の共感覚の融合など、折衷的な影響を組み合わせている。

そして多くのホラー映画で使われて人気を博したオンド・マルトノの使用もあり、メシアンの作品の中でも特に演奏機会が多くなっている。イヴォンヌの妹、ジャンヌ・ロリオはこの楽器の優れた奏者だった。好むと好まざるとにかかわらず、トゥーランガリラは1回限りの体験をあなたに与えるだろう。


14:Busoni: Piano Concerto
ブゾーニ:ピアノ協奏曲

1901年から1904年の間に書かれたフェルッチョ・ブソーニの協奏曲は、70分という長さをもち、最終楽章には男声合唱が使用されるという要素を組み込んだ、ほんの一握りのピアノ協奏曲の1つである。

3管編成で、大きなパーカッションのセクションを含む巨大な編成で、ピアノ協奏曲の中でも最大の規模だが、編成や長さだけでなく質も素晴らしい作品だ。しかし、演奏者には非常に難易度の高い要求が課せられ、演奏機会は稀である。

 

13:Bach: Keyboard Concerto In D Minor
バッハ:チェンバロ協奏曲 ニ短調 BWV1052

バッハの協奏曲はチェンバロのために書かれているため、これは物議を醸す選択かもしれない。しかし、それは現代のピアノで100万ドルの音色が聴けない、という意味ではなく、21世紀にはそれらを4分の1に制限する理由はない。

多くの現代ピアノでの録音もされており、それらのすべてが息をのむほどの美しさだ。ニ短調の協奏曲は、その輝かしいトッカータのような書法、活気に満ちたリズム、そして落ち着いた瞑想的な緩徐楽章で、時代を先取りしている。


12:Saint-Saëns: Piano Concerto No. 2
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22

カミーユ・サン=サーンスと、全く同じような輝きを放つ人はいない。 彼のピアノ協奏曲第2番は、偉大なピアノ協奏曲の1つであり、(グリーグのピアノ協奏曲と同じ)1868年に書かれ、作曲家でピアニストであるジグムント・ストヨフスキはこの曲について「J.S.バッハに始まり、オッフェンバックに終わる」という言葉を残している。

この曲は、バロック時代のオルガンの即興のスタイルと非常に近いピアノ独奏のカデンツァで開始し、嵐のような第1楽章を導きます。サン=サーンスは彼の優等生な生徒である若きガブリエル・フォーレの書いた合唱作品を利用して、それを転用したと気づかれないように主題を書いた。

そしてそれがスマッシュヒットになったのだ。


11:Ligeti: Piano Concerto
リゲティ:ピアノ協奏曲

1980年代に書かれたジェルジ・リゲティのピアノ協奏曲は、真の現代音楽だ。5つの楽章では、遊び心、深遠さ、驚くべきものがあり、多くの場合、その3つの要素すべてが同時に聴こえてくる。

パーカッションのパートには、カスタネット、サイレンホイッスル、フレクサトーン、トムトム、ボンゴなどがある。非常に凝った技法が使用されており、例えば一度に3つの拍子記号が使用されることも含まれる。

ピアノ独奏のための練習曲集といくつかの重要な特徴を共有しており、それらと同じくらいまばゆいほど独創的で、あらゆる冒険的なピアニストの重要なレパートリーになることだろう。


10:Grieg: Piano Concerto
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調

グリーグ唯一のピアノ協奏曲である1868年に書かれたこの作品は、ペータース社に利益をもたらし、グリーグにはライプツィヒの敷地内にホリデーフラットが提供された。この協奏曲の幅広い魅力は、最初の音符から最後の音符まで明らかだ。

ドラマティックなオープニングドラムロールに導かれてピアノ独奏が鍵盤を駆け巡り、ノルウェーの民族音楽にルーツを持つおおらかな旋律が奏でられる。

さらに、この協奏曲は、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフによって模倣された構造で書かれている。下行音型のオープニングはフィナーレでも再現され、非常に注意を引くが、これはフィヨルドの滝を模したものである。


9:Bartók: Piano Concerto No. 3
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119

ベーラ・バルトークの最後のピアノ協奏曲は、1945年に妻のディッタ・パーストリ・バルトークへの誕生日プレゼントとして書かれた。バルトークは白血病という重篤な病気に侵されており、その病が作品の完成前に彼の命を奪った。

彼の友人であるシェルイ・ティボールが、最後の17小節のオーケストレーションを担当している。この協奏曲は、非常にバランスのとれた楽曲だ。調性的で、穏やかで、活気があり、さらにはモーツァルト風でもある。

この曲には、作曲家が抱えていた人生の戦い、すなわち戦時中のハンガリーから亡命し、アメリカでの苦しい生活といったものは反映されていない。


8:Ravel: Piano Concerto In G Major
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

ジャズの時代の虹色のオーケストレーションが、ほんの一瞬のタイミング、そして時折ムチを打つ音と共にパリにやって来る。

この曲に取り掛かっている1929年から31年にかけて、ラヴェルは、前年に行ったニューヨークへの演奏旅行の際、友人であるジョージ・ガーシュウィンに連れられて行ったハーレムのジャズ・クラブでの記憶がよみがえっていた。

その影響は明らかだ。「ジャズは現代の作曲家にとって非常に豊かで活気に満ちたインスピレーションの源であり、アメリカ人がそれに影響されていることはほとんどないことに驚いている」とラヴェルは言っていた。
緩徐楽章の際立った調和のとれた色は、2つの異なる調で書かれた音楽である「複調」の結果です。

今回は挙げていないが、彼のもう1つのピアノ協奏曲であり、第一次世界大戦で右腕を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれた《左手のための協奏曲》もぜひお聴きいただきたい。

 

7:Chopin: Piano Concerto No.1
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11

ショパンの2つの協奏曲に必要な叙情性、繊細さ、バランスは、ピアニストに最高の才能を発揮させることができる。モーツァルトのように、どこにも逃げ道はなく、独奏者のタッチやコントロールの欠陥は即座に現れてしまう。

それにもかかわらず、この音楽はピアニストの力だけで成り立つものではない。そのような完全に本物で、無邪気で、魅惑的で、若々しい詩を含む他のロマンティックな協奏曲を見つけるのは困難だ(ショパンは当時わずか20歳だった)。

緩徐楽章でサックスのようなファゴットとピアノのデュエットをぜひお聴きいただきたい。

 

6:Schumann: Piano Concerto
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54

1845年に初演され、ピアノ独奏をクララ・シューマン、指揮はフェリックス・メンデルスゾーンがつとめたこの作品は、ロベルト・シューマン唯一のピアノ協奏曲だ。

その親密さ、優しさ、そして絶え間ない想像力の満ち引きは、作曲家の精神状態を私たちに伝えるが、特に1840年に結婚したクララへの愛情に溢れている。

最後の楽章の巧妙なリズムは、ベートーヴェンの《皇帝》協奏曲のリズムに明らかに影響を受けている。 2つの作品には、同じような軽快さ、攻撃性、明快さと活力が必要だ。

 

5:Prokofiev: Piano Concerto No. 2
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品16

プロコフィエフのピアノ協奏曲は、他の作品の方が頻繁に演奏されているが、この第2番は、最も偉大なピアノ協奏曲の1つであり、最も個人的で、感情的に言えば最も多くのことを語っている。

この険しく、岩のようで、壊滅的な作品は、恐ろしい悲劇に直面した若くて早熟な作曲家でありピアニスト(22歳だった)によって書かれた。プロコフィエフの最も親しい友人であるマクシミリアン・シュミットホーフが自ら命を絶ってしまったのだ。

その事件があったころ、プロコフィエフはすでにこの作品の作曲を開始していたが、その方向性は変わった。書かれていたものが充分なものでなかったかのように、楽譜は1917年のロシア革命に続く火事で焼かれ、プロコフィエフもう一度書き直さなければならなかったのだ。初演は1924年にパリで作曲家自身の独奏で行われた。

 

4:Brahms: Piano Concerto No. 1
ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15

この協奏曲は、交響曲、次に2台ピアノのためのソナタという2つの異なる編成のために書かれたが、最終的にピアノ協奏曲として落ち着いた。

ロベルト・シューマンの運命に深く影響を受けて書かれている。シューマンとクララがハンブルクからの若い天才であるブラームスと友情をはぐくんだわずか数ヵ月後に、シューマンは精神疾患を悪化させ、自殺を試みた後、精神病院に入院し、1856年にそこで亡くなった。

この協奏曲の緩徐楽章には、ラテン語で祈祷文の一節『ベネディクトゥス』が引用されており、これは師であるシューマンへの個人的なレクイエムであることを示唆している。ブラームスの、大規模で心のこもった、まったく異なる性質のピアノ協奏曲第2番変ロ長調もお聴きいただきたい。

 

3:Mozart: Piano Concerto In C Minor, K491
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K491

モーツァルトの27曲のピアノ協奏曲は、コンサートホールで今なお多くのピアノ協奏曲が定番のレパートリーとなっているが、定期的に演奏されているのは(全く信じられないことに)少数だ。

短調の作品は2つだけで、ニ短調(K466)の方が人気だが、ハ短調(K491)はその幅広い感情表現、絶え間なく流れるインスピレーション、またピアノだけでなく木管楽器の非常に洗練された書法の点から個人的なお気に入りである。事実上ソリストのように機能し、緩徐楽章ではオペラのアンサンブルのように扱われている。

 

2:Rachmaninov: Piano Concerto No. 2
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18

この協奏曲は完璧だ。
この最高のピアノ協奏曲の1つのページ、1つのフレーズ、1つの音に失敗を見出すことはほとんど不可能だ。感傷的すぎる、とこの曲を切り捨ててしまうのは残念である。よくない演奏では確かに時々そのように伝わってしまうが、率直に言ってそれらは間違っている。

ラフマニノフ自身の録音を聴くと、品格、威厳、情熱、詩情が平等に含まれており、クールでコントロールされた作品となっている。1900~1901年に書かれたこの作品で、ラフマニノフは深い鬱病と作曲のブランクを抜け出し、ふたたび創作活動に戻ってきた。

ニコライ・ダーリ博士との催眠療法の治療はラフマニノフの精神状態を安定させることに成功し、彼の創作力は大いなる栄光の炎の中で燃え上がった。もちろん、彼の他の協奏曲もお聴きいただきたい。

 

1:Beethoven: Piano Concerto No. 4 – and No. 5 too
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73《皇帝》

作曲家は200年にわたってベートーヴェンを超えようとしてきた。しかし成功する人はほとんどいなかった。彼の5つのピアノ協奏曲の中から最高のものを選ぶのはうんざりするほどの仕事である。だから、彼の4番目と5番目の協奏曲の両方をレパートリーの最高の栄冠に輝くものとしてお勧めしたい。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番には、言葉では言い表せないようなものがある。これは、内面的で、探求的で、探究的な作品であり、独特なものだ。緩徐楽章における弦楽器群の攻撃的な爆発と、それがピアノの調べによって次第に鎮まってゆく様子を、フランツ・リストは、亡き妻を取り戻そうと冥界に降りて地獄界のハーデス王達を竪琴と歌で涙させ説得したオルフェウスに例えている。

この曲はベートーヴェン自身のピアノで1808年に初演された(なお、ベートーヴェンの弟子であったカール・チェルニーによれば、その時の演奏では、楽譜に書かれていたものよりもはるかに多くの音符が含まれていたと述べている)。

ベートーヴェンは1809年にピアノ協奏曲第5番《皇帝》の作曲を始めたが、その間、ウィーンはナポレオンの部隊から2度目の侵攻を受けていた。

1811年11月にフリードリヒ・シュナイダーがソリストとしてライプツィヒ・ゲヴァントハウスで演奏した最初の公開演奏会は、強い印象を与え、『一般音楽新聞』には、「これは間違いなく最も独創的で想像力に富み効果的なものの1つだが、既存のすべての協奏曲の中で最も難しいものの1つでもある」と書かれた。

ベートーヴェンの最後のピアノ協奏曲には、聴覚障害による伝説的な楽器の腕前との後悔に満ちた別れではなく、さらに素晴らしい作品を生み出す力があらわれた栄光に満ちている。

「私は運命の喉首にしがみついてみせる」…彼はかつて彼の幼なじみ、フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラーにこのような手紙を書いている。「それは私を押さえつけることはできない。ああ、生を千回生きることがどれほど美しいか」。苦しみに屈することなく、創作意欲を燃え上がらせることが、ベートーヴェンの苦しみに対する究極の手段だったのだ。

2020年、ベートーヴェンのアニヴァーサリー・イヤーの後半に発表される、協奏曲の新しくエキサイティングなレコーディングをご覧いただきたい。

おすすめの録音

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが録音したベートーヴェンの《皇帝》協奏曲と、カルロ・マリア・ジュリーニが指揮したウィーン交響楽団。
3人の巨人―ピアニストのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリと、カルロ・マリア・ジュリーニが指揮するウィーン交響楽団―は、ベートーヴェンの《皇帝》協奏曲の史上最高の公演の1つだ。

“Great playing by a great pianist.” – The Grammophone Classical Music Guide, 2010
「素晴らしいピアニストによる素晴らしい演奏」―グラモフォン・クラシック音楽ガイド2010

Written By uDiscover Team



 

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