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ビートルズ「Long, Long, Long」制作秘話:ジョージが神への愛を歌ったスピリチュアルな名曲

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Photo: Ed Caraeff/Getty Images

『The Beatles (White Album)』のサイド3には、ザ・ビートルズ(The Beatles)のカタログの中でも特にヘヴィな楽曲が並んでいる。しかし、その面を締めくくるのは、彼らの作品の中でもひときわ穏やかな一曲だ。ジョージ・ハリスンのスピリチュアルな「Long, Long, Long」が、「Helter Skelter」の騒乱のあとに、束の間の安らぎをもたらしてくれる。

アルバムのために録音された楽曲の大半とは異なり、「Long, Long, Long」は1968年春のインド滞在中に書かれたものではない。実際、ジョージがこの曲を書いたのは「White Album」のセッションが終わりに近づいた時期だったとみられ、ジョージ、リンゴ・スター、ポール・マッカートニーが10月7日にレコーディングを始める以前のデモは、存在が確認されていない。これはアルバムの最終ミックスと完成まで、わずか10日前のことだった。

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「すべての愛は普遍的な愛の一部」

この曲に込められたインスピレーションについては、ジョージが1980年に刊行した著書『I, Me, Mine』の中で「“Long, Long, Long”における“you”とは、神のことだ」と明確に語られている。ジョージにとって、愛とは常にスピリチュアルなものだった。1976年にはRolling Stone誌にこう語っている。

「すべての愛は、普遍的な愛の一部だと思う。女性を愛するとき、その人の中に神を見るんだ。完全な愛とは、神への愛だけなんだ」

ジョージはしばしば神に向けたラヴ・ソングを書いたが、聴き手がそれを受け入れにくいこともあると感じていたという。

「“God”や“Lord”という言葉を口にすると、拒否反応を示す人もいる。“Be-Bop-A-Lula”みたいなものだけではない何かについて話すと脅威を感じるんだろう。そして、単なるたわいもない話ではないことを言うと、彼らに残された逃げ道は、“君は僕たちに説教しているんだ”とか“教えを説いているんだ”と言うことだけ。でも、そんなつもりはないんだ」

「Long, Long, Long」でジョージは「So many tears I was searching / So many tears I was wasting(どれほど多くの涙を流しながら探し続けたことか/どれほど多くの涙を無駄に流したことか)」と歌い、主を見失っていたことを嘆きながら、再び見つけられた喜びを表現している。ジョージはその後もこのテーマに何度も立ち返っており、とりわけ1970年の傑作『All Things Must Pass』に収録された「Hear Me Lord」がその代表例である。

音楽的には、「Long, Long, Long」はボブ・ディランのアルバム『Blonde On Blonde』のサイド4全体を占める「Sad Eyed Lady Of The Lowlands」から影響を受けているとジョージは説明している。

「“Long, Long, Long”については、コードのこと以外あまり覚えていないんだ。確か“Sad Eyed Lady Of The Lowlands”から来たものだったと思う。DからEマイナー、A、そしてD――この3つのコードと、それらが移り変わっていく感じだね」

 

「ビートルズはいつも偶然を利用していた」

ジョン・レノンは少なくともこの曲のレコーディング初日には不在だったものの、残る3人は息の合った様子で和気あいあいと作業を進め、互いに支え合いながら67テイクを重ね、最終的に採用テイクへとたどり着いた。セッション・テープからは、メンバー同士の親密な様子が伝わってくる。ジョークを飛ばし合う一方で、完璧なテイクを目指してさらに挑戦し続けるための励ましの言葉も交わされていた。29テイク目を終えたポール・マッカートニーは、「今のところ、どれだけ時間がかかっても構わないよ」と語っている。

ジョージのアコースティック・ギター、ポールのオルガン、リンゴのドラムによる基本的なバッキングは10月7日に完成し、翌日からオーバー・ダビングが始まった。ポールはベースを加え、ジョージは自身のヴォーカルをダブルトラックで録音。ポールとジョージの美しいハーモニーによって曲はクライマックスへ向かい、再び穏やかなスピリチュアリティへと戻っていく。

リンゴのドラムもこの曲の大きな聴きどころで、そのフィルインは、彼の代表的な名演として高く評価される「A Day In The Life」を思わせる。10月9日には、クリス・トーマスがザ・ムーディー・ブルースの「Go Now」に着想を得たピアノ・パートを加えた。

曲の終盤に突然現れる予想外の不協和音は、ザ・ビートルズが長年レコーディングに取り入れることを楽しんできた“偶然”によるところが大きい。ジョージ・マーティンのアシスタントだったクリス・トーマスは、次のように振り返っている。

「曲の終わり近くに、レスリー・スピーカーのキャビネットの上でブルーナンのワインボトルがガタガタと鳴っている音が入っている。あれは偶然起きたんだ。ポールがある音を弾いたら、ボトルが振動し始めた。それがあまりにも良かったので、マイクをセットして、もう一度同じことをやった。ビートルズはいつだって、こうした偶然をうまく活かしていたんだ」

回転するブルー・ナンのボトルに、ポールがオルガンで鳴らした拡張コード――サスペンデッド4thを含むCマイナー、リンゴのスネア・ロール、そしてジョージのうめくような声が加わり、不穏な効果を生み出している。そして最後はジョージがアコースティック・ギターで締めくくり、静かな内省のひとときは、疲れ果てたように崩れ落ちるかのような終わりを迎える。

Written By Paul McGuinness



ザ・ビートルズ『The Beatles (White Album)』
CD / LP / iTunes Store / Apple Music /Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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