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ネオ・ソウルの金字塔、ディアンジェロ『Voodoo』発売25周年記念。ゾエトロープのアナログ盤が発売

ネオ・ソウルというジャンルを定義づけ、音楽史にその名を刻む伝説的アーティスト、ディアンジェロ(D’Angelo)。彼が2000年1月に発表し、世界を震撼させた傑作『Voodoo』が発売25周年を迎える。
これを記念し、驚異の視覚ギミックを施した「ゾエトロープ・デザイン」による2枚組アナログ盤のリリースが2026年2月13日に発売されることが決定した。日本ではUNIVERSAL MUSIC STOREにて限定発売となる。
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視覚と聴覚が交錯する究極のコレクターズ・アイテム
今回の25周年記念盤の最大の特徴は、回転することで絵柄が動いて見える「ゾエトロープ(回転のぞき絵)」仕様のディスクである。2枚組LPの全4面にはそれぞれ異なるデザインが施されており、ミュージック・ビデオの断片やアルバムのアートワーク、象徴的な歌詞など、ディアンジェロの輝かしいキャリアを象徴する要素が緻密に組み込まれている。針を落とした瞬間、彼の音楽世界が視覚的にも躍動し始める、まさに芸術品と呼ぶに相応しい逸品だ。
『Voodoo』は、21世紀において最も影響力のあるアルバムの一枚として広く称賛されている。リリースからわずか2週間でビルボード・アルバム・チャートの頂点に立ち、グラミー賞2部門を受賞。プラチナ・ディスクに輝いた本作は、その官能的なビデオも話題となった「Untitled (How Does it Feel)」という、音楽史に残るヒット・シングルを生み出した。その官能的かつ呪術的なグルーヴは、四半世紀を経た今もなお、後進のアーティストたちに多大な影響を与え続けている。
完璧主義を超えた「生の衝動」への回帰
近年、2015年に行われたディアンジェロの未公開インタビューが発掘され、本作誕生の舞台裏が明らかになった。彼はデビュー作『Brown Sugar』が成功を収めた一方で、その完成度に対してある種の「失望」を感じていたという。ディアンジェロは次のように回想している
「振り返れば『Brown Sugar』は素晴らしいアルバムだが、自分では満足していなかった。自宅の4トラックレコーダーで録ったデモの方が、スタジオで再現したものより響きが良かったからだ。スタジオ録音は過剰に作り込まれすぎていると感じたんだ」。
この「デモテープが持つ生の瑞々しさ」を追求することこそが、『Voodoo』制作における最大の動機であった。本作が持つ剥き出しの即興性とリアリティは、まさに彼の音楽的真実を追求した結果であるといえる。
また、彼は『Voodoo』に続くアルバムで2014年の『Black Messiah』についても言及している。
「『Voodoo』はあの時、あの瞬間にしか存在し得なかったものだ。それを超えようと考えるのは、自分に対して不誠実で不公平なことだ。だから超えようとはしない。ただ、自分の進歩における『次の一歩』であることを確かめたかった。物事をより本質的なコアへと解体していくこと、それもまた進化の一つの形なんだ」
時代に迎合せず、常に自身の核(コア)を研ぎ澄ませてきたディアンジェロ。今回の25周年記念盤は、彼が辿った進化の軌跡を祝福し、その普遍的な魅力を次世代へと繋ぐ重要な架け橋となるであろう。
Written By uDiscover Team
ディアンジェロ『Voodoo (25th Anniversary Zoetrope Edition)』
2026年2月13日発売
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